「もしRX-7に7型があったら・・・」老舗が挑むFD3S最終進化系チューンド

ボールベアリング式ハイフロータービンで低中速域の大幅なレスポンスアップを実現

リニアなエンジン特性と接地感抜群の足回り

ノーマルに対して『走る、曲がる、止まる』という性能をワンランク引きあげる。それがRX-7チューンに対する“パンスピード”の基本スタンスだ。

オリジナルのGT2010エアロキットをまとったFD3Sは、そうしたパンスピードの狙いを具現化したチューンドと言える。

まず「走る」部分。エンジン本体はノーマルのまま、オーストラリアGCG社と共同開発した純正改ハイフロータービンを装着。EXハウジングこそノーマルだが、コンプレッサーハウジング&ホイールのサイズアップを行い、それに合わせてEXホイールの形状も変更されている。最大の特徴はエンジンのピックアップ向上を狙って、軸受けにボールベアリングを採用したことだ。

このタービンの効果は絶大。まず4000rpm以下のトルクが向上していて、ノーマルより遥かに乗りやすい。それ以上の領域では、アクセルを踏み直した時のブースト圧の立ち上がりが鋭くなっており、踏んだ分だけリニアに加速してくれるのだ。

出力は最大ブースト圧1.0キロ時に380ps/40kgmを発生。夏場のサーキット走行でもその性能を安定発揮させ、しかも安心して踏めるように、Vマウントされるオリジナル真鍮3層ラジエター&3層インタークーラー、ツイン装着されるHPIオイルクーラーなど、冷却系の強化も抜かりなし。

エンジン制御はF-CON Vプロが担当。32×32という領域がこまかく区切られたマップによって、燃調&点火時期のセッティングを綿密に行うことで、ハイフロータービンの性能を最大限に引き出し、右足の動きに即応する鋭いレスポンスも実現している。

そして排気系は、フロントパイプにRE雨宮パワーエキスパンダー、マフラーにパンスピードオリジナルチタンを装着して排気抵抗を低減。ロータリーらしい高周波サウンドを聴かせてくれるのも魅力だ。

続いて「曲がる」については、オーリンズベースのオリジナル車高調がポイント。それも減衰力変更というレベルではなく、狙った特性を実現するため、内部構造を全面的に見直すというほどのチカラの入れようだ。さらに、前後ともアーム類はピロボール化を図って、サスストローク時の無駄な動きを抑えると同時にフリクションも低減。

サーキットメインのセッティングだが、不快なゴツゴツ感は皆無。路面が荒れていても接地感は十分で、ブレーキング時に不安定な挙動を見せることはなく、パワーをかけていった際のトラクションも抜群。元々コーナリング性能が高いRX-7だが、そこに大きな安心感をプラスしてくれる足回りだ。

また「止まる」に関しては、車重に対して十分な制動性能を持ち、前後バランスにも優れているという理由から、キャリパー、ローターともにノーマルを使用。パッドをPFC製に、ホースをオリジナルステンメッシュに交換するに留まっている。

「あとは冷却用のダクトを装着すれば、サーキットでの連続周回にも対応できます。タイムが頭打ちになって、そこからさらにタイムを詰めたい…ということでもなければ、ウチではキャリパーやローターを交換することはありませんよ」とパンスピード佐藤さん。

続けて「もしRX-7が7型に進化していたら、きっとこんなクルマになったんじゃないかな…そんな思いをカタチにしたのが、この仕様なんです」。屈指のロータリーチューナーとして名を馳すパンスピードらしいチューニングコンセプトである。

SPECIFICATIONS
■エンジン:13B-REW改/パンスピード&GCG純正改ボールベアリング式ハイフロータービン/純正アクチュエーター/3ピースアペックスシール/ブリッツ改パンスピード3層インタークーラーVマウント、パイピング(IN/EX70φ)/RE雨宮80φパワーエキスパンダー/パンスピードチタンマフラー(メイン80φ)/強化燃料ポンプ/SaRDレギュレーター/850ccプライマリーインジェクター/F-CON Vプロ/パンスピード真ちゅう3層ラジエター/HPIオイルクーラー×2 ■駆動系:OS技研メタルツインプレートクラッチ/3速クロスMT/スーパーロックLSD(2WAY)/ファイナル4.3 ■サスペンション&ブレーキ:オーリンズ改パンスピード車高調、ハイパコスプリング(FR16kg/mm)/Fパンスピード調整式スタビライザー/FRピロボール式アーム/PFCパッド/パンスピードステンメッシュホース ■ホイール&タイヤ:ボルクレーシングCE28N(F9.5J+40 R9.5J+22)、ディレッツァZ1スタースペック(255/40-17) ■インテリア:レカロSP-G/モモステアリング/ブリッツメーター(水温/ブースト) ■エクステリア:パンスピードGT2010エアロキット、リヤダブルウイング

●取材協力:パンスピード 埼玉県蓮田市関山2-7-8 TEL:048-764-2040

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