「全米のロータリー野郎たちが集結!」世界最大規模のREイベント『セブンストック2022』取材リポート Part.1

アメリカ中のロータリー使いが大集結!

毎年、アメリカのカリフォルニア州で開催されているマツダ車のビッグイベント『SEVENSTOCK(セブンストック)』。24回目を数えた2022年は、11月5日にフォンタナのオートクラブスピードウェイで開催された。アメリカでも大人気のFD3S型RX-7を筆頭に、歴代のマツダ車やロータリーエンジンにスワップされた他社製モデルなど、個性的なチューンドが多数参加。ピックアップした車両をレポートしていこう。

NAの13BにITB&スマートコイルで高回転化

車高とタイヤ・ホイール以外はわりとノーマル然としたFC3C型RX-7カブリオレ。だが、エンジンルームを覗き込むと、恐らくオーナー自身がガレージでコツコツと時間を掛けて作り込んできたであろう痕跡を見て取ることができる。

NAの13B型ロータリーエンジンには、プライマリーとセカンダリーの2系統のフューエルレールを備えたITB(独立スロットルボディ)を装着。燃圧を一定に保つレギュレーターも備わる。

さらに、イグニッションコイルにはAEMのハイアウトプット・スマートコイルを採用。CDI以上の点火エネルギー(最大103mJ)と、CDIよりも長いスパーク期間(最大2.9mS)を両立する。いずれも古典的手法ではあるが、愛車を速く、カッコ良くしたいという熱意が伝わってくるメイキングだ。

13B-REWターボをFC3Sにスワップ

1989年式のFC3SにFD3Sの13B-REWエンジンを搭載。ボルグワーナーのシングルターボやVマウントを採用するハイチューン仕様でありながら、ボルボのパーツを流用した電動パワステも装備する最先端ストリートゼロヨンスペックだ。

電動ファン付きのインタークーラーをトップマウントするシュラウドはオリジナル。スペースが空いたフロントバンパー開口部には、オイルクーラーやコンデンサーが取り付けられている。あえてPDMなどを使わず、手作業によるオリジナルの配電システムも構築し、イグニッションコイルとダッシュロガーはハルテックの製品でコンプリート。

V8スワップした漢のFC3S改タイムアタック仕様

ガムテープで固定されたフロントスポイラーを始め、継ぎ接ぎ感が逆に本物っぽい雰囲気を醸し出すFC3S。エンジンルームには、手っ取り早くパワーを絞り出せるアメリカンV8が搭載されている。

エンジン本体は古そうな印象だが、インジェクションとダイレクトイグニッションを採用しており、パワーはかなり出ていそう。ストラットタワーから前方に向かってチューブラーフレームを溶接するなど、美しさよりも速さを最優先にしたモディファイが印象的な一台だ。

セブン愛が過ぎてドキュメンタリーフィルムまで制作!

右ハンドルの日本仕様を個人輸入し、オーナー自らレストア&チューニングを進めた1995年式のFD3S。13B-REWのオーバーホールに始まり、ボルグワーナーのタービン、グレッディのVマウントインタークーラーキット、HKSのスーパーパワーフローやSQVなどを装着。

その過程を動画に撮ってYouTubeにアップするだけならよくある話だが、オーナーはアメリカにおけるRX-7チューニング業界の識者へのインタビューなども収めたドキュメンタリーまで制作。「Dreams of Hiroshima」のタイトルでIMDb(アメリカの動画配信サイト)から配信を行なっている。

RE雨宮、ロケバニ、マジックのミックスワイドボディ!

エアサスで車高を極限までローダウンした1993年式のFD3S。エクステリアは、RE雨宮(フロントバンパー)、TCPマジック(フロントフェンダー)、ロケットバニー(リヤフェンダー)を組み合わせてオリジナルのワイドボディを構築。

足元で存在感を主張するホイールは、深リムのボルクレーシングTE37V(F18×10.5J±0 R18×12J−33)だ。心臓部の13B-REWにもしっかりと手が入っており、最高出力は357hp(約361ps)を実現している。

C5コルベットにロータリーターボをスワップ!?

流麗なシルエットがFD3S型RX-7と似ていることから比較されることも多いC5型シボレー・コルベット。アメリカではRX-7にV8をスワップする例はよくあるのだが、こちらは逆にコルベットのボディにロータリーエンジンを換装している。

製作したのは4ローターAWDのRX-7でお馴染みの有名YouTuber“ロブ・ダーム”氏。「FD3SにV8を載せるなら、俺はその逆をやってやる!」とばかりに、13BにギャレットのGTX3584RSをマウントしたロータリーターボを搭載。チタンパイプを継いだオリジナルのインタークーラーパイピングや電子制御スロットル化など、様々なチューニングが実現されている。

PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI

Part.2に続く

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