「D1GPスター選手の練習機は軽自動車!?」ローパワーでも侮れない楽しさとドリフト性能!

激安ベース車をDIYでFR化!

プロドリフターも認める軽自動車ドリフトの世界

ドリフトの定番ベース車として活躍したシルビアやツアラーといった車種が軒並み高騰。そんな流れを受けてか、軽自動車ベースのFRチューンドでドリフトを楽しむムーブメントが起きている。

その流れを推し進めている人物が、D1グランプリ&フォーミュラDで活躍するトップドリフターの末永直人選手。好奇心から4WDのアルトワークスを購入し、自らFR化して乗っているのだ。

購入価格は激安の一桁万円。購入後、フロントのドライブシャフトをカットし、センターデフを溶接ロックしてFR化を敢行した。肝となるリヤデフは、雪ドリ用に相性の良いATSの機械式1WAYをセット。車体価格よりもデフの方が高額になってしまっているが、ここは妥協できないポイントなのである。

エンジンは、HKSパワーフローを装着している以外ノーマルなのでパワーはカタログスペックの64ps程度と思われる。コストをかけなくても楽しめるのが軽自動車ドリフトの良いところだ。

さすがに純正シートではホールド性が低すぎたため、ブリッドのセミバケットシートに交換。同時にステアリングはナルディの小径タイプに変更してスポーツ走行に最適なドラポジを構築している。また、純正の電動パワステは操作フィールが良くないため、ヒューズを抜いてキャンセルしているのもポイントだ。

ローパワー車のため、タイヤのセットアップは重要だ。フロントはある程度グリップしてくれるようにポテンザRE01をセットし、リヤには屋外放置で硬化したスタッドレスに3.5キロのエアを入れたものを組み合わせる。

サスペンションは前後ともにノーマル。この車両の基本用途は雪ドリトレーニングだが、雪上では適度に抜けたショックの方がピーキーな挙動にならず扱いやすいそうだ。

タイヤさえ工夫してしまえば、ノーマルエンジンであっても問題なくドリフトが可能。このクラスのタイヤは数千円で購入可能なので、ランニングコストの面でもメリットは非常に大きい。

「軽自動車だと侮ってる人も多いですが、安く楽しくスキルアップできる存在として注目ですよ!」と末永選手。ドリフトの腕を磨くなら、これまで定番とされたFRマシンよりも積極的に選んでいきたい存在と言えるだろう。

PHOTO&REPORT:渡辺大輔

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