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MT＆AGSモデルだけが走りのベースマシンではない！
実力派ショップがCVTの可能性を追求
リーズナブルに楽しめるチューニングベースとして人気が高い36系アルト。しかし、昨今のMTモデル需要を受けて、トップグレードのアルトワークスみならず商用車であるアルトバンの中古相場も高騰している。そこで注目したいのが、気鋭ショップ“ラインナップ”の提案するCVTモデルのチューニングだ。
「元々、CVTモデルには目をつけていたんです。素性は良いですよ。ミニサーキットなら、タイム的にもMTやAGSモデルと対等に走れますね。アクセルとブレーキ、ステアリング操作に集中できるので初心者にもピッタリだと思うんです。手応えとしては、AGSモデルをイジり始めた初期段階より、CVTの方が今後の伸び代としては期待できると感じています」とは、ラインナップの松山代表。
カタログスペックでは49psを発揮させるR06A型エンジン。内部には一切手を入れず、得意のECUチューニングによって覚醒を狙う。
ECUチューンの方向性は、各種リミッターの引き上げはもちろん、ピークパワーの発生回転域を5000rpm付近にまで下げているのが特徴。パワーとトルクのピークをほぼ同タイミングに合わせることで、胸のすく加速感が持続するようにセッティングしている。
新たに開発した電装パーツのクイックワイヤーは、発電の負荷を軽減すると同時にコイルへの送電容量を増すことでパワーやトルクアップに効果が得られるアイテム。もちろんCVT用も用意されている。
なお、スポーツ走行する際に邪魔となる“ブレーキオーバーライド”と呼ばれる踏み間違い防止装置（アクセルとブレーキを同時に踏むとブレーキを優先して作動させるシステム）は解除済みだ。
室内は、カーペットやリヤシートなどを取り外しながらクスコの7点式ロールケージをセット。車両重量を約550kgまで絞り込み、軽さを武器にしたハンドリングマシンへと作り変えている。
シートは軽自動車やコンパクトカーをターゲットに開発されたブリッドのXERO VSを導入。「ホールド性は重要なので、シートは真っ先に交換したいアイテムですね」とのこと。
ボディパーツは既存品をそのまま利用できるため、まずはオリジナルのFRP製ボンネットを導入して軽量化を推進。
カーボン製のルーフスポイラーは、ランチア・デルタをモチーフにしたランナップのヒット商品。機能はもちろん、リアビューに精悍さをプラスする。
「もちろん“5速MT最高！”という気持ちもありますが、意外とCVTでも走りは楽しめるんですよ。タイムも悪くないですし。CVTで5速MTを撃墜できる仕様に仕上げていくつもりなので期待してください！」と松山さん。
2023年は、このCVT車を使って積極的にパーツ開発を行っていくと強く語ってくれたラインナップ。安価で手軽に遊べるチューニングベースを探しているクルマ好きは、その動向に注目だ。
●取材協力：ラインナップ(松山商会) 兵庫県姫路市花田町小川164-1 TEL：0790-251-1025
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