「アメリカの博物館が日本の改造車文化を大真面目に特集!?」ドリフト仕様から街道レーサーまで・・・Part.1

ピーターセン自動車博物館レポートPart.1

定番車両からまさかの街道レーサーまで幅広いラインナップ

ロサンゼルスにある自動車博物館、ピーターセン・オートモーティブ・ミュージアムで、日本車を扱った特別展『ザ・ルーツ・オブ・ものづくり』が催された。

自動車に関する日本のものづくり精神に迫る内容で、アメリカに輸入された初期の日本車など貴重なクルマの数々を展示。一方でチューニングやドリフトなど、日本のカスタム文化もフィーチャーされ、クルマを通じた日米の関わりが多角的に紹介されていたのだ。

1973 日産スカイライン 2000GT-X

アメリカにはR34型以前の日産スカイラインは正規輸入されていなかったため、今なお羨望の的となっている。こちらの73年式のケンメリは、アメリカの個人オーナーが日本から輸入した車両だ。

日本の“Shakotan stance”と“Kaido style”でカスタマイズされていること、ケンメリという通称がアメリカ人カップルの“Ken and Mery”に由来することなどが、パネルで大マジメに紹介されていた。ちなみに、オーナーの趣味でエンジンがRB26に換装されており、イザナミホイール製のリバーサイド・スーパーリバーを装着する。

1974 マツダRX-3

レーシングマシンにインスパイアされたカスタマイズは日米共通のスタイル。こちらはカリフォルニア州のDNAガレージが、かつて片山義美選手がドライブしたワークススタイルをベースに製作した1台。カラーリングやワイドフェンダー、カスタムロールケージなどでワークススタイルを表現。エンジンは20B型3ローターに換装され、400psを誇る。

1990 ホンダシビックSi

アメリカの若い世代で流行しているカスタムスタイルのひとつとして、内外装や灯火類を日本仕様に変更する“JDM(ジャパニーズ・ドメスティック・マーケット)”も紹介。

そのサンプルとして展示されたシビックは、チューニングカー専門誌スーパーストリートの編集者だったジョナサン・ウォンさんの所有車だ。現在のトレンドのはしりとも言える1台で、エンジンはB16Aに換装、無限のエキゾーストやSSRホイールを備える。レアなロケットバニーのEFシビック用ボディキットも装着。

1991 トヨタクレスタ

80年代のスーパーシルエットにインスパイアされた街道レーサースタイルは、アメリカ人にとってアメージングなジャパンカルチャーだ。

こちらのクレスタはアメリカの個人オーナーが日本から輸入した車体をベースにカスタムしたもので、福岡仕様の延長ボンネットやワイドボディ、チンスポ、オイルクーラーなどを再現。ホイールはSSRのフォーミュラメッシュ。

1993 トヨタスープラ

モディファイのベースとして極めて人気の高い日本車としてJZA80型スープラも展示。こちらはフロリダ州のタイタンモータースポーツが製作したドラッグレーサーで、アメリカのトップチューナーや部品メーカーなどのアフター業界が日本車に注ぐ熱量の高さが紹介されている。

1998 ホンダシビック ドラッグスター

史上初めて、FWD(前輪駆動車)でクォーターマイル9秒切りを成し遂げた、ステファン・パパダキス選手のシビックドラッグレーサー。当時は13秒台が限界と言われていたFWDで8秒台を成し遂げた偉業が讃えられている。エンジンはH22A1型2.2L直4ターボで、最高出力は650psを誇る。

2014 サイオン tCフォーミュラドリフト

日本発祥のカルチャーとしてドリフトも紹介。アメリカでフォーミュラ・ドリフトが創設された2003年を皮切りに、モータースポーツとしてすっかり市民権を得るまでを短く紹介したパネルが展示されていた。

この車両は、2015年のフォーミュラDチャンピオンであるサイオンtC。レイアウトをFRに変更し、800ps以上を発揮する2AR-FE型2.7L直4ターボを搭載。それまでV8搭載車が席巻していたシリーズにおいて、4気筒搭載車で初のチャンピオンに輝いた名チューンドだ。

「4ローターは当たり前、驚異の6ローター仕様も見参!」海外のチューンドロータリーが異次元すぎる件

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