「パッと見はスタイリッシュなZ33ロードスター・・・」中身は老舗が仕上げた420馬力の鈴鹿サーキットスペシャル!

鈴鹿スペシャルとして盛り込んだノウハウの数々

ワンオフロールケージでロードスターを安全に走らせる!

このZ33型フェアレディZは、かつて“エスプリ”が「鈴鹿サーキットを楽しみたい」というオーナーの依頼を受けて製作した1台。こう書くとよくあるサーキット仕様のチューンドと思うかもしれないが、少々趣を異にしている。それは、ベースモデルがクーペではなくロードスターというところが大きい。

一般的にオープンボディのクルマでサーキットを走ろうとした場合、安全上必ずロールケージが必要だ。鈴鹿サーキットも例外ではなく、ロールケージ未装着のオープンカーは走行禁止。とはいえ、Z33ロードスター用のロールケージなど存在しない(製作当時)。

そこで、エスプリはまずロールケージのワンオフ製作からスタート。剛性から視認性まで徹底追求し、専門メーカーのロールケージと比べてもまるで見劣りしない逸品を作り上げたのだ。

一方の心臓部は、ストリートでの扱いやすさを考慮し、オリジナルの高圧縮ピストンでハイコンプ化(11.5:1)した上でHKSのGTS7040スーパーチャージャーをインストール。F-CON Vプロによる綿密なマネージメントと組み合わせ、ハイレスポンスな420psを達成した。合わせてミッションも5速ATから6速MTへと積み換え、“操る楽しさ”を飛躍させている。

エキゾーストにはフロントパイプを含めてアミューズコーポレーションのR1チタンを装着。メイン60φ、テール115φという太さ、チタン特有の焼き入れが見せる存在感、そし何よりパワーを重視したセレクトだ

駆動系は、ニスモのGT LSDを装備するとともにデフオイルクーラーをセットして、ハイパワーを的確に路面へと伝達する策を講じている。

エスプリが得意とするGTウイングは、鈴鹿サーキットを走る上で必需品。翼端板やステーの空気抵抗まで配慮した設計で、中高速域のダウンフォースと整流効果を高める。Z33クーペ用のステーを改造することでロードスターにマッチングさせている。

決して派手ではないが、様々なノウハウが詰め込まれたZ33ロードスター。老舗らしい拘りを随所に見ることができる1台となっている。

●取材協力:エスプリ TEL:0593-70-8080

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エスプリ
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