「現代版ハコスカの理想形、現る」L28改3.0Lソレックス仕様でもエアコン&パワステ装備で超快適!

L28改3.0LメカチューンをRB25の5速ミッションで回す!

快適性も追求したKGC10改GT-R仕様

富士精密工業、後のプリンス自動車が製作した初代スカイラインがデビューしたのは約60年前。現在の日産のラインナップの中で、最も歴史の長いモデルである。その存在感を一気に高めたのが、日産との合併後の1968年に発売された3代目、通称“ハコスカ”でお馴染みのC10系だ。

日本のモータースポーツ黎明期に、通算50勝を達成したGT-Rの伝説はあまりにも有名だが、4ドアのPGC10、2ドアのKPGC10を合わせても生産台数は約2000台。チューニングベースとして主流となったのは、L型エンジンを搭載する2000GTであった。ちなみに前期の4ドアセダンがGC10、後期で追加された2ドアハードトップがKGC10となる。

今回、スターロードが用意してくれたKGC10は、日常の足としても使える快適性を確保したネオ旧車チューンドだ。細部を見ていく。

エクステリアは、リヤに装着された小振りなウイングとフロントのチンスポ、そしてお約束のオーバーフェンダーに赤白のGT-Rバッジ、当時の走り屋たちが憧れる最強スタイルを構築した。

クロームメッキの輝きが工芸品の域に達している感じの美しいエンジンルーム。

光り輝く心臓部は芸術品のようだ。ソレックス44φキャブが装着されたL28改3.0Lはコストパフォーマンス重視の仕様で、89φピストン、I断面コンロッド、ビッグバルブ(IN&EX75度)等を組み込み、最高出力は300psに到達。タコ足はステンレス製48φのオリジナルだ。

マフラーはローダウン対応のスターロードオリジナルで武装。90φのシングルテールが男らしい。

シングルテールのオリジナルローダウンマフラーは、メンバー下の部分をデュアルパイプで避けるレイアウトで、ローダウン時の最低地上高を確保する設計となっている。

車高調はスターロードオリジナル。ちなみにデフは容量の大きいR200を換装している。ファイナル4.1だ。

サスペンションはキャンバー調整付きアッパーマウント装備のオリジナル車高調で、走行性能と快適性向上を狙ったセッティングとなっている。撮影時のスプリングレートはフロント8kg/mm、リヤ16kg/mmだ。リヤの調整式アームも必須装備。

ホイールはGLOWSTAで、タイヤにはRE-71R(F195/55-15 R225/50R15)を引っ張り気味に装着している。

旧車にベストマッチのメッシュデザインホイールは、ホイールはスターロードのグロースター(F9.0J+10 R10.0J-28)。装着時のバランスに拘って、他にはないメッシュの造形としている。タイヤにはRE-71R(F195/55-15 R225/50R15)を履く。

美しく仕上げられたインテリア。ミッションはRB25用の5速を流用している。
ステアリングはモモでシートにはレカロのスポーツスターを装備。メーターはデフィの電子式を奢る。

グリップが太い現代的なスポーツハンドルと、レカロの高級リクライニングバケットシートが違和感なく収まるインテリア。エアコンはスターロードオリジナルのR134タイプクーラーキットを導入。ステアリングには現行の電動式パワーステアリングを組み込み、操作性を向上させている。

この他、ボディ各部に遮音材を追加するなど、現代レベルの快適性向上術が図られている。「ハコスカの魅力はなんといってもそのスタイル。全てが曲線で構成されているんですよ。レストアには1年以上かけているので、当時の新車以上のクオリティと自信を持っています」とは、スターロードの井上代表。

単純に全盛期のチューンドを再現するのではなく、現行車との走りにも十分通用する高いクオリティを徹底追及したハコスカ。まさに最新の旧車と呼ぶに相応しい贅沢な1台だ。

●取材協力:スターロード 東京都江戸川区北小岩8-23-1 TEL:03-5668-5675

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