「Z32に魅了された男の愛機」2台目で辿り着いた700馬力のフルチューンスペック!

VG30改3.1L+GT2530ツインターボ+NOSで700馬力!

本気のドラッグ仕様から、完全なストリートスペックへとリメイクされたZ32の登場だ。手がけたのは名門“トライアル”。400メートル特化型のフルチューンVG30DETTの戦闘力は健在で、今でも一線級のパフォーマンスを見せる。(OPTION誌2009年10月号)

ストリート仕様の名に恥じない内外装のメイキングも注目

この真紅のZ32は、トライアルのスタッフも認める熱狂的Zフリークというオーナーの愛機。取材車両を含め、これまで所有してきた歴代Zは全て2シーターということからも、その思い入れが伝わってくる。

ブーストアップにはじまるチューニングの目的は、ずばりストリートゼロヨンだったという。ただ、純正タービンのパワーにもすぐに慣れ、まずGT2530ツインへと仕様変更。

その後、東名89φピストンとH断面コンロッドによる3097ccへの排気量アップやカム交換(IN&EX260度8.8mmリフト)など、エンジン本体のチューニングに踏み込んでいくまで、それほど時間はかからなかった。

ちなみに、今の仕様でのパワー&トルクは最大ブースト圧1.4キロで600ps/60kgm。さらにNXシステム(ウエットショット)によるドーピングで100psを上乗せする。

元々、高回転域が苦手なVG30だけにレブリミットは7500rpmに抑えられているが、それを補っても余りある低中速トルクがチューンドVG30ならではの魅力。2500rpmも回っていれば、右足の動きに即応して蹴り出されるように加速していく。

インタークーラーはHKSの前置きタイプをチョイス。VG30DETTはノーマルでも吸排気系が左右独立となっているから、前置きインタークーラーもツインエントリー式とされている。

フロントバンパーはアブフラッグ製で、ヘッドライトの下にビルトインされたフォグランプが特徴的だ。

エキゾースト環境は、鏡面材とクロームメッキの組み合わせで究極の輝きを実現したZEES EXシステム。排気効率の向上はもちろん、4本出しの100φテールがリヤビューに迫力を与える。

トランク部に美しくマウントされたNXボトル。ちなみに噴射条件は、スイッチ切り替えによってスロットル全開時に自動噴射、またはプッシュボタン操作での手動噴射を選ぶことができる。

純正ミッションはトルクに耐えきれずに即ブローしてしまう。そこで純正ミッションを遥かに上回る専用設計の高剛性ケースを持ち、90kgmという許容伝達トルクを誇るHKS製6速ドグミッションを装備。

足回りは、ゼロヨン仕様からストリート仕様へとリセッティング。クァンタム車高調にフロント10kg/mm、リヤ7kg/mmのスウィフト製スプリングが組まれる。

ブレーキキャリパーはフロントにF50ブレンボ、リヤにロータスブレンボを装備し強化。ラインロックも導入されている。

室内も美しい仕上がりだ。運転席側のAピラー周辺にタコメーターとブースト計をセット。助手席の目の前には水温&油温計が並ぶ。その上のスイッチはネオン管とLED用。

赤い本革で張り替えられた内装トリムに合わせて、センターパネルもウォータープリントでコーディネイトされる。

シートはサポート性を重視して運転席、助手席ともレカロSP-Gに交換。また、この角度からだとリヤに組まれた5点式ロールバーも確認できる。

ボンネットはボーダー製で、上部に設けられた4つのアウトレットダクトからエンジンルーム内の熱気を効率よく抜くことができる。熱的に厳しいZ32のクーリング性能アップに貢献してくれるパーツだ。

ホイールはトライアルオリジナルのトライフォースゼルダマグナム。サイズはフロント8.0J+32、リヤ9.0J+38だ。これに組み合わされるのがフロント235/40-18のダンロップD01J、リヤ265/35-18のポテンザRE540S。

片側20mm近く叩き出されたリヤフェンダー。これはポジティブキャンバーが付いたリヤタイヤを収めるための策で、かつてのゼロヨン仕様の名残だ。

ストリートカーとしての優雅さと、ドラッグマシン特有の威圧感を併せ持つスーパーチューンド。その肢体からは「Zは速く、カッコ良くなければならない」そんなオーナーの想いがヒシヒシと伝わってくる。

●問い合わせ:トライアル 大阪府堺市美原区丹上87-1 TEL:072-362-7779

【関連リンク】
トライアル
https://www.trial.co.jp/

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