「もしも4代目シビックにタイプRがあったら・・・」ホンダマニア垂涎のEF9究極形態がコレだ!

軽量ボディを武器に格上を撃墜するリトルモンスター

EK9やDC2の部品を駆使して戦闘力とメンテナンス性をアップ

「EF9シビックは、1010kgの軽量ボディを筆頭に、低重心ならではの高い旋回性能、前後ダブルウィッシュボーン式の優れた足回り設計、そしてリッター100psを誇るB16Aエンジンのパワーと、弱点がないと言い切れるクルマです」と語るのは、アスラン谷さん。

デビューから30年以上が経過し、ほぼレストアの領域に入っているEFシビックだが、EG6やEK9などの後継モデルの部品が流用できて、さらに多彩なアフターパーツが今なお存在すること。それらをうまく利用しながら仕上げられたのがこのEF9だ。

エンジンはDC2インテグラタイプRのB18Cに換装。戸田レーシングのハイコンプ鍛造ピストンを投入し、圧縮比は13:1にまで高められる。また、ハイカムも戸田レーシングの通称“Bカム(IN295度12mmリフト EX285度12mmリフト)”を選択し、ダイナパックで実測210psを絞り出している。

バルタイは、低速域からトルクが立ち上がるようセッティング。レブリミットは9000rpmだ。制御はEK9用のデスビを使っている関係で、EK9純正ECUベースのCPチューンとしている。

また、トランスミッションも純正部品が出ないので、EF9本来のワイヤー式からEK9用の油圧式に換装してリフレッシュ済みだ。部品に困らなくなるためメンテナンス面で有利な上に、ギヤ比の選択が可能になるのがメリットだ。

なお、このEF9では、Mファクトリー製の3-4-5速クロスミッションを装備。VTECと合わせて谷間のない加速フィールを実現する。ちなみに、5速9000rpmでも車速は180~190km/hとなってしまうため、高速走行はかなり辛いとのこと。

足回りは、ストリートとワインディングをメインターゲットに開発した、アスランのオリジナル車高調でセットアップ。各部にアライメント調整範囲を広げるパーツを組み込み、フロント4.5度&リヤ3度のネガティブキャンバーを与えて旋回性能を向上させている。

マフラーはアスランがワンオフ製作したチタン製。本来、EF9のマフラーは左出しレイアウトだが、大阪環状の全盛期に定番だったエイコーマフラーのスタイルを真似て製作したものだ。

室内はリヤシートを撤去した上で、アスランの10点式ロールケージが組み込まれる。現在の車重は950kgだが「EF9は走行会仕様で820kg、タイムアタックマシンだと700kgにまで軽量化しますから、普通ですね」とは谷さん。

この世代のクルマは純正部品が重たいので、軽量化しやすいこともメリットだ。ちなみに、カーボン製N1レース用の安全タンクカバーを装着しているが、このクルマはノーマルタンク仕様だ。

エクステリアは、アスランのフロントリップスポイラーやカーボンボンネット等を装備。オールドスクール的な雰囲気が魅力的だ。

フロントフェンダーは片側30mmワイドのファイブマート製を、さらにオフセット装着。8J+25というワイドリムのボルクレーシングTE37をセットする。リヤウイングもファイブマートのカーボン製だ。LSDにはATSのカーボンを奢る。

タイヤはアドバンA050をセレクト。フロントタイヤは205サイズか215サイズが一般的だが、このEF9では225/50R15を装備し、接地面積を広げることでグリップ力を高め、旋回性能を向上させている。

「以前はタイヤを滑らせて走るのがFF車の常識でしたが、現在は4輪をしっかり接地させるのがトレンドです。タイヤサイズやアライメントはその方向でセッティングしていますよ」。

後継モデルのパーツを流用しながらメイキングされたEF9。軽さと弾けるように吹け上がるVTECのコンビは強烈で、ステージ次第では格上を蹴散らせるほど。その仕上がりは、まさにタイプRそのものだ。

●取材協力:アスラン 大阪府堺市南区別所238-2 TEL:072-349-4880

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