「車いす女子の相棒はクロカンジムニー!」街乗りの域を超えたオフロード爆走仕様に迫る

鳩山や冨士ヶ嶺のトライアルにも挑戦中!

手動操作でもクルマの楽しみは変わらない

茂原ツインサーキット(千葉県)で開催された“ジムニースーパーラップ2021”。その参加者の中から数台をピックアップすべく、主催の“レインボーオート”横尾代表に相談したところ、「ぜひ!」と紹介してくれたのが聖美さん。

早速ゼッケンを頼りにマシンを探してみると、何とそこにいたのはご覧の通り車いすのお嬢さんだったのだ。聞けば、今回が初のサーキット走行とのこと。

愛車のJB23は、1年前に購入した8型のクロスアドベンチャー。当初はJB64かJB74を新車で購入しようと思っていたそうだが、納車に1年と聞いてガッカリしていたところにたまたま見つけたのが極上中古車のこのJB23だった。

「クロカン系のクルマに乗せてもらった時に、車高の高いクルマも良いなぁと思ってワゴンRから買い換えました。当初はカスタムする予定はなかったのですが、雑誌を見てオフロードの世界を知り私もやってみたいと思い、今では鳩山や冨士ヶ嶺のコースでトライアルを楽しんでます」というから驚いてしまう。

チューニングは、オフロードコースで知り合ったジムニーショップ“B-STYLE”に基本的にお任せ。今回のサーキット走行でもオフロード仕様のままで、足回りはB-STYLEのサスキットにより2インチアップとなっている。小型化された前後バンパーもドレスアップではなく、オフロードでのロードクリアランスを増やすために変更したものだ。

タイヤはオフロード用のヨコハマジオランダーMT(FR6.50R16)。トランスファーにはダウンギヤが組み込まれ、ローギヤード化が図られている。

「ほとんど何もやってませんよ」という通り、エンジンルームはほぼストック状態。ブーストアップもしておらず、アーシングケーブルのアイスワイヤーと帯電防止ワッシャーのアイスキーによるファインチューンが施されている。

操作系は、聖美さんの身体に合わせて両手のみで操作できるようにリメイク。体力に勝る健常者の男子でもハードなオフロード走行を、手動操作でこなしているのだ。手動(アクセル/ブレーキ)装置に装着されているスイッチは、電磁式のデフロック。

「10年前のケガで諦めていたところに連れて行ってくれるのがジムニーなんです。私にとってこのクルマは身体の一部のような存在なんですよ」と明るい笑顔で締めくくってくれた聖美さん。

サーキット走行は初体験とのことだったが、コース上ではそんな事を微塵も感じさせないほどアグレッシブに走り回っていたのが印象的。ちなみに、メインのオフロード走行の様子は友人のユーチューバー“月桂樹京一”氏のチャンネルでチェックできるというから、興味のある人はぜひ!

PHOTO&TEXT:川崎英俊
●取材協力:レインボーオート 千葉県柏市酒井根688-2 TEL:04-7176-8207

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