「そのRX-7は伝説と呼ばれた」RE雨宮GT300マシン完全解剖【Vol.02】エクステリア編

パイプフレーム化で真のレーシングフォルムを実現

資金力に限りのある完全なプライベートチームながら、16年に渡って国内最高峰のJGTC〜スーパーGTでメーカーワークス勢と真っ向勝負を繰り広げ、見事シリーズチャンピオン(2006年)にまで登り詰めた“RE雨宮レーシング”。そんな偉業を達成したRE雨宮GT300マシン(2007スペック)のメカニズムを改めて振り返っていきたいと思う。(RE雨宮レーシングより抜粋)

フロントバンパー

フロントバンパーとアンダーディフューザーは別体式となっている。装着するにあたり、まず最初にアンダーディフューザーを車体側に取り付ける(この状態で人が乗っても問題ない強度がある)。それからバンパーを固定するという、市販車とは逆パターンだ。

カナード

かつて、富士スピードウェイなどの高速サーキットでは外されていたカナード。研究を重ねてダウンフォースのセッティングに確実性が出てきたため、現在はどのサーキットでも同一タイプが装着されている。

フロントフェンダー

ヘッドライトユニットが一体となっているフロントフェンダー。HIDのバラストはボディ側に残り、フェンダーのライトからはバルブとウインカーのハーネスだけが出ている。このフェンダーの分割方法はRE雨宮が販売するAD-GTキットと同じだ。ライトのアクリルカバーも市販品と同一で、スリークライトキットにそのまま装着可能とのこと。

リヤフェンダー

ボンネット

セパン(マレーシア)など、真夏のレースではエンジンの熱を積極的に放出するためにボンネットダクトにリップ状のフィンが追加される。バンパーから流れてくる空気がフィンに当たると、エンジンルーム内に溜まっているヒートエアが一気に引っ張り出されるという仕組み。このフィンの効果は凄まじく、フロントのダウンフォースが変わってリヤウイングのセッティング変更が必要なほどだとか。

サイドステップ

リヤバンパー&テール

ドライカーボン製のリヤバンパーを外すと、中からは純正テールレンズが出てくる。レギュレーションで「純正を使う」という取り決めがあるからだ。内部はLED化されており、点灯させると現代風の輝きを放つ。

リヤハッチゲート

ウインドウは6mm厚のポリカーボネイト製で、ガラス製に比べて30パーセント以上の軽量化を達成。目立つ位置に貼られたOPTIONステッカーは、チーム監督である雨さんのご厚意によるもの。

リヤウイング&ガーニー

ウイングは3次元形状を採用。原則的にはウイングの角度と高さでダウンフォースをセットアップするが、それだけでは調整しきれないため、後端にガーニーフラップを装着する。以前はサイズが異なる3種類のタイプを使い分けていたが、カナード同様に現在は同一タイプを使い続けている。

フラットボトム

普段はそうそう公開されないGTカーのフロアセクション。排気温度の関係で、ミッション周辺だけはパネルが装着されていないものの、フロントアンダーからリヤのディフューザーまで、見事に下面はフラット形状となっている。この床面の作りが、レース中の安定感やラップタイムを大きく左右することは言うまでもない。

「そのRX-7は伝説と呼ばれた」RE雨宮GT300マシン完全解剖【Vol.01】ボディ編

キーワードで検索する

著者プロフィール

weboption 近影

weboption