「過激度はランエボ以上!?」新車価格は約130万円!ミラージュアスティRSが異次元すぎる!!【ManiaxCars】

公開日 : 2020/11/26 07:30 最終更新日 : 2020/11/26 21:45


ボディ補強しながら軽量化! 車重はわずか1030kg!

 

ランエボさえも凌駕する!? 高度で緻密なチューニング

 

1995年に登場した5代目CJ系ミラージュ。ボディ形状は3ドアハッチバックと2ドアクーペが存在し、それぞれに175psを誇るテンロクMIVECの4G92を搭載するサイボーグZRとアスティZRがスポーツ系トップモデルとして君臨し、その下にエアコンはマニュアル式、ホイールは鉄チンという廉価版のRXがラインナップされていた。

 

 

ここで紹介するのはそんなZR/RXから快適装備を省き、各部にチューニングを加えた競技ベースモデルのRS。それだけでもレアなのに、取材車両は今や探してもまずお目にかかれない希少な2ドアクーペのアスティRSなのである! 完全にツチノコ級だ。

 

 

まずヤバイのがエンジンチューンの内容。後に登場してくるEK9シビックタイプR(B16B VTEC/185ps)やN15パルサーVZ-R(SR16VE NEO VVL/175ps)、同N1(200ps)に比べてもまるで引けを取らないばかりか、「ライバル達に先んじてそこまでやってたの!?」と思うほどだったりする。

 

 

例を挙げると、吸気バルブをチタン製として慣性重量を20%軽減、高回転重視のプロフィールを持った専用カムシャフトや吸気抵抗を30%低減するストレート吸気ダクトの採用、大径ステンレス製EXマニと低排圧マフラーの導入、水冷式オイルクーラーの追加など。

 

こうした手直しによって175psという最高出力こそ変わらないものの、その発生回転数が7500rpmから7750rpmに向上。同時に3500~6000rpmのトルク特性も劇的に改善されるなど、戦闘力を大幅に高めているのだ。

 

 

さらに、軽量フライホイールに高圧着力クラッチカバー、摩材を見直したクラッチディスクの採用に始まって、ミッションアウトプットシャフトの材料強度アップ、5速ギヤ比を低めてのクロスレシオ化(0.767→0.820)と、駆動系のチューンも抜かりなし。

 

これだけでも相当スペシャルかつ変態的なモデルという事が分かるが、各部を見ていくとまだまだ凄い秘密が隠されていたりするのだ。

 

 

アスティRSならではのチューニングポイントはクルマ全般におよぶ。とりわけクルマの骨格であり、走りの性能を大きく左右するボディには、見るからに効きそうな補強が…。それがドア開口部のスポット溶接増し打ちだったり、フロントストラットタワーとバルクヘッドの間に装着されたガゼットプレートだったり、左右メインフレームをつなぐフロントエンドクロスバーだったりという具合だ。

 

 

その一方で、エアコンやパワーウインドウといった装備の省略、遮音材使用箇所の大幅な見直しなどによって軽量化を実現。車重はベースのアスティZRに対して40kg軽い1030kgまで絞り込まれているのだ(3ドアのサイボーグRSはさらに軽く1010kgしかない!)。これは86よりも200kg、コンパクトハッチのスイフトスポーツに比べても20kg下回っているのだから「もう絶対的に軽い!」という他にない。

 

 

ちなみにコクピットはCN/CP9Aに近く(ダッシュボードは共通)、マニュアル式エアコンとAM/FMチューナー付きカセットはメーカーオプション設定となる。

 

 

スピードメーターの左側にタコメーターが、右側に水温計と燃料計が並ぶレイアウトもCN/CP9Aと共通。1万rpmフルスケールで8200rpmからがレッドゾーンとなるタコメーターに注目だ。

 

 

ドアトリム中央のモケット部はシート生地と同様のデザイン。手巻き式のウインドウレギュレーターハンドルが競技ベース車両であることを強く感じさせてくれる。

 

 

薄いフロアマットが1枚敷かれているだけで、側面を覆うトリム類は一切省かれたラゲッジルーム。遮音材やアンダーコートなどの使用も必要最低限の箇所に限定され、装備の見直しと合わせて軽量化を徹底的に行なったことが伺える。

 

 

ホイールは標準装備のトピー製スチールでリム幅6J、タイヤサイズは195/55-15となる。この他、RSにはメーカーオプションで14インチ仕様(185/65-14)も用意。フロントブレーキキャリパーが2ポットからシングルポットに、ホイールPCDが114.3から100に変更されるなど、15インチ仕様との相違点が見られるのだ。

 

 

この他、燃料タンク内のリザーバーカップ形状を変更して強いコーナリングGを受けても安定した燃料供給が行えるとか、ステアリングギヤ比を速めてクイックなハンドリングを可能にしている(ロックtoロック2.9→2.6回転)とか、パワステポンプの流量特性を見直してステアリング操作に対する追従性を高め、フルードクーラーも標準装備しているとか、一言で手の入れ方が異常なのだ。

 

つまり、エンジン型式こそ同じ4G92MIVECを搭載していても、アスティRSはZR/RXとは全くの別物ということ。その内容を見れば、競技ベース車両というのはあくまでも建前で(実際、競技にも使われたが)、実は三菱が手がけたワークスチューニングカーそのものと考えたくなる。

 

 

ハイパフォーマンスにして激レア。ひとつ確実に言えるのは「天が二物を与えてしまった」がゆえに誕生した奇跡の1台、それがアスティRSだ。しかも、こんなに手間暇がかかっていながら、当時の新車価格はなんと140万円以下という超バーゲンプライス。25年くらい前は本当に良い時代だったんだな…と改めて思った次第だ。

 

■ミラージュアスティRS
車両型式:CJ4A
全長×全幅×全高:4230×1690×1365mm
ホイールベース:2415mm
トレッド(F/R):1460/1460mm
車両重量:1030kg
エンジン型式:4G92
エンジン形式:直4DOHC MIVEC
ボア×ストローク:φ81.0×77.5mm
排気量:1597cc 圧縮比:11.0:1
最高出力:175ps/7750rpm
最大トルク:17.0kgm/7000rpm
トランスミッション:5速MT
サスペンション形式(F/R):ストラット/マルチリンク
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤサイズ(FR):195/55-15

 

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)