「あの頃の三菱は熱かった・・・」究極の快適性を追求したデボネアV・3000DOHCロイヤルエクストラに遭遇!【ManiaxCars】

公開日 : 2020/10/15 13:00 最終更新日 : 2020/10/15 14:17


本革シート標準装備の最上級グレード!

 

見た目からは想像出来ないパワフルな走りも魅力

 

2代目デボネアと言えば、過去にも何度か取り上げたことのある車種だ。2000スーパーサルーンスーパーチャージャーに始まり、販社スペシャルのリムジンアメリカンスタイル、ベンコラ標準の廉価グレード3000LGと、どれも現存台数は激少と思われるが、その捕獲リストに新たな1台が加わることになった。それが3000DOHCロイヤルエクストラだ。

 

 

S10系デボネアVの登場は1986年8月だが、1989年10月のマイナーチェンジで3.0L・V6である6G72型のDOHC版を三菱車として初搭載。当初200psだった最高出力は、1991年5月の改良で210psに向上した。

 

普通に考えたらスポーツユニットであるはずの6G72型DOHC仕様を、GTOでもパジェロでもディアマンテでもなく、デボネアVに載せてしまう辺りに三菱の心意気が見て取れる。

 

そんな210ps仕様の6G72を搭載する最終型には4つのグレードがラインナップされたが、取材車両はその頂点に君臨するロイヤルエクストラ。おそらく、三菱関連会社の重役たちが後席でふんぞり返るために用意されたグレードだ。

 

 

サイクロンというサブネームが与えられた6G72型エンジン。DOHC仕様は電子制御可変吸気システム(MVIC)の採用やハイオクガソリン化に伴う圧縮比アップ(8.9→10.0:1)などによって、SOHC仕様をパワーで55ps、トルクで3.5kgm上回る210ps/27.5kgmを発揮。ロイヤルエクストラの他、ロイヤル、スーパーエクシード、アクアスキュータムにも搭載された。

 

 

独特なパイプレイアウトとされたマフラー。右側のメインサイレンサーから前方に向かってスペアタイヤの窪みを迂回するようにエキゾーストパイプが伸び、左側にテールエンドが配置される。

 

 

そもそもDOHC仕様の6G72型を搭載する4モデルはABSや15インチホイール専用サスペンション、キーレスエントリーが標準装備され、エンジンとミッションも統合制御されるなど、6G72型SOHC版や2.0Lの6G71型搭載グレードとは明確な差別化が図られてる。

 

その上でロイヤルエクストラは、他グレードではオプション設定すらされない本革の4ウェイパワーシートが採用されるなど、デボネアVシリーズの中でも別格の存在になってるのだ。

 

 

ロイヤル系とアクアスキュータムは後席にもパワーシートを装備。前方へのスライドと連動して背もたれがリクライニングする。また、センターアームレストにはオーディオとエアコンの操作スイッチも内蔵される。

 

 

本革シートともう一つ、ロイヤルエクストラのみに与えられた装備が電子制御サスペンション(ECS)。走行状況に応じてダンパー減衰力を2段階、車高を3段階で自動調整する他、乗車人数などに関わらず車高を一定に保つオートレベライザーも搭載される。さらに、マニュアル操作でダンパー減衰力や車高を任意に設定することも可能だ。

 

 

ロイヤル系のダッシュボードには本革調の質感を持つベネランインパネパッドが採用される。ステアリングホイールのセンターパッド部に設けられたスイッチはオーディオ用だ。メーターはスピードメーターとタコメーターを中心に、右側に水温計と燃料計、左側に電圧計を配置。その下はエアコンの稼働状態を示すエアフローインジケーター。

 

唯一、残念なのはミッションがフロア4速ATのみで前席セパレートシートしか選べないこと。受注生産でも良いから、三菱にはぜひ本革シートのベンコラ6人乗り仕様もラインナップに加えてほしかったと、心の底から思えて仕方ない。

 

 

…と、ないものねだりはそれくらいにして試乗に出かける。走り出した瞬間から、やたらとフロントヘビー感を覚えるのはグレードを問わないデボネアVの乗り味。街乗りで常用する2000~3000rpmのトルク感は、同じ6G72型でもDOHC仕様がSOHC仕様を上回っているから、1.6トンを超える車重でもストレスなく加速してくれる。

 

アクセルペダルを奥まで踏み込むと、4000rpmから明確にパワーを高めながら6500rpmまでスムーズかつ豪快に吹け上がる。垢抜けない見てくれと、想像の遥かに上を行く動力性能のギャップ萌え。フラッグシップセダンとは思えないような暴力的な加速感には、もう笑うしかなった。

 

■SPECIFICATIONS
車両型式:S12A
全長×全幅×全高:4865×1725×1425mm
ホイールベース:2735mm
トレッド(F/R):1455/1420mm
車両重量:1650kg
エンジン型式:6G72
エンジン形式:V6DOHC
ボア×ストローク:91.1φ×76.0mm
排気量:2972cc 圧縮比:10.0:1
最高出力:210ps/6000rpm
最大トルク:27.5kgm/3000rpm
トランスミッション:4速AT
サスペンション形式(F/R):ストラット/3リンクトーションアクスル
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤサイズ:FR205/65R15

 

●TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)