「D1GP史上最強のエビスマイスター誕生」2JZ搭載のS15シルビアを駆る小橋が強すぎる!

公開日 : 2020/08/29 05:30 最終更新日 : 2020/08/31 13:14


昨シーズンも合わせればエビス戦で4連勝という偉業!

 

ミッションとタービンの変更に加え、走らせ方を変えたのが大当たり

 

8月22日(土)・23日(日)に、福島県のエビスサーキットで開催されたD1グランプリシリーズ第2戦&第3戦。D1グランプリでは恒例となっている真夏のエビスでの2連戦は、ドライバーにとってもマシンにとっても過酷なことで知られるステージだ。

 

そんなエビス大会で連勝した小橋正典(コハシ マサノリ)選手は、一気にシリーズランキングの首位に躍り出ただけでなく、昨年も合わせると4連勝という偉業を達成!

 

初年度から開催され続けているエビス戦は、20年間で37回行われおり、通算勝利数では齋藤太吾選手と今村陽一選手の4回がトップだった。しかし、今回の結果によって小橋選手が5勝目を挙げたことで記録更新。D1史上最強のエビスマイスターが誕生したのである。

 

 

小橋選手は青森県出身の28歳で、父親が経営するモーターランドSPのスタッフとして働いている。2005年にエビスサーキットで開催されたD1グランプリシリーズを見て感動し、中学2年生の時にドリフトを開始、大会デビューはV-OPT企画の“いかす走り屋チーム天国”フレッシュマン戦だ。

 

そして同じくV-OPTの企画である“ドリフトスター誕生”でD1SLライセンスを取得。その後、2009年からはD1ストリートリーガルシリーズに参戦して、優勝1回、シリーズ最高3位の戦績を残し、D1GPライセンスを獲得。2013年からはD1グランプリシリーズにも出場するようになり、今やチャンピオン争いを繰り広げるトップドライバーにまで駆け上がったのである。

 

 

愛機S15シルビアのエンジンはSR20DETではなく2JZ-GTEで、HKSの3.4Lキットを軸にしたフルチューンスペックとなる。ラジエターはトランク部分に移設されているため、フロントのオーバーハング部にはインタークーラーとオイルクーラーくらいしかなく、インタークーラーのパイピングも最短距離で接続されている。

 

 

昨シーズンまではGCGのGTX3584タービンを使っていたが、今シーズンからはGTX3584RSに変更。「少しだけどピックアップが良くなった」と、その違いを実感しているそうだ。なお、制御はLINKのフューリーで、ブーストは1.8キロ時に推定850psを発揮。ピークパワーよりも扱いやすさを重視したセッティングにしている。

 

 

ミッションは、昨年までは軽量なGフォースを使っていたが、今シーズンからはホリンジャーの6速シーケンシャルに変更。チームメイトのS15シルビアと部品を共用できる上「3速と4速のギヤ比が離れているHパターンから、クロスしているギヤ比のIパターンのシーケンシャルになったことが速さに繋がりましたね」とメリットを教えてくれた。

 

なお、ミッション変更に伴う重量増加は他パートのシェイプアップで相殺し、車重は1220kgに抑えている。デフはSIKKYのクイックチェンジで、OS技研のスーパーロックLSDを組み込んでいる。

 

 

室内を覆うロールケージは、メインパイプこそ専門ショップに曲げてもらったものの、それ以外は小橋選手自身の手によるワンオフだ。軽さを重視してパイプの点数は最小限にしているそうだ。

 

ダッシュボードはS15純正をベースに肉抜き加工を施し、反射防止のバックスキン調生地でフィニッシュ。ハンドルはナルディのセミディープ330φ、シートはブリッドのジータIIIで、D1ストリートリーガル時代からこの組み合わせを愛用している。

 

 

車高調はテインのオーダーメイド品で、バネレートはフロント13kg/mmのリヤ5kg/mmの設定。運転席から減衰力調整可能となるEDFCも装備されており「単走の1本目と2本目の間にもイジるし、追走では対戦相手によっても変えることがありますね」と小橋選手。

 

ロアアームはカザマオートの25mm延長タイプを使用。切れ角アップの要となるナックルは「以前の仕様よりも切れるようにしてもらった」という、3UPのタイプ5を愛用している。

 

 

ホイールは前後ともSSRのGTX03。タイヤはリンロンのフラッシュAGTで、フロントに265/35-18、リヤは285/35-18を履く。

 

 

練習走行から好調な走りを連発していたが「去年とはセクター1の切れ目などが変わっていて、最初は得点が出なかったですね。その後でちょっと走らせ方を変えたら得点も出るようになったので、イケるかなという感触はありました」と小橋選手。

 

初日の単走決勝では、一本目こそ緊張しすぎて本来のパフォーマンスを発揮できなかったが、2本目で修正。見事な走りで追走トーナメントへの進出を決めた。

 

 

EBISU DRIFTの初日、シリーズ第2戦の決勝戦ではGRスープラを駆る齋藤太吾選手と対戦した小橋選手。齋藤選手が先行の1本目は、2コーナーでアウト側に齋藤選手が車体を流したタイミングを見逃さず、距離を詰めてアドバンテージを獲得。2本目もギリギリの接近戦となったが、終盤で小橋選手が逃げ切ったことで勝負あり。見事に優勝を決めた。

 

 

EBISU DRIFTの2日目、第3戦の決勝はまさかの師弟対決(末永選手)となり、ギャラリーを沸かせた。この両者の戦いは再戦までもつれこむ好勝負となったが、1本目に先行の末永選手が審判席前でアウトにはらみ、まさかのクラッシュ! この瞬間、第2戦に続いて小橋選手が栄光を手にしたのだ。

 

 

次なる舞台は、10月31日(土)・11月1日(日)のオートポリス戦だ。エビスで連勝した小橋選手だが、過去の戦歴を確認すると実は他のサーキットでは一勝も挙げていない。若手ドライバーの筆頭がどこまで戦果を稼げるのか、今後の戦いには注目だ。

 

TEXT&PHOTO:Daisuke YAMAMOTO

 

【関連サイト】

D1公式ウェブサイト

https://d1gp.co.jp