「FRカローラ最終型のディーゼル搭載モデル」リッター20キロは固い元祖エコカーか!?【ManiaxCars】

公開日 : 2020/07/20 16:00 最終更新日 : 2020/07/20 16:00


2000rpm以下のトルク感がハンパなし!

 

カローラ初の4速AT搭載がこのモデル

 

4ドアセダンとしては最後のFRモデルとなった70系カローラ。1979年に発売され、上は1.6L直4DOHCの2T-G型を載せるスポーツグレード1600GTから、下は1.3L直4OHVの4K-U型を搭載するSTD(スタンダード)まで、トヨタの屋台骨を支えるモデルとして一大ラインアップを誇った。

 

丸型4灯ヘッドライトの前期型に対して、81年に実施されたマイナーチェンジ後の後期型は角型2灯ヘッドライトを採用。翌82年2月に追加されたのが、ここで紹介するディーゼルSEになる。

 

SEは、スポーツグレードのGTを除くと70系カローラの最上級グレードで、そこに1.8Lディーゼル直4SOHCの1C型を搭載。CE70という車両型式を持つこのモデルは大衆セダン初のディーゼルモデルと言われるが、それ以上にディーゼルSEは、カローラとして初めて4速ATを搭載した(当時ガソリンエンジン車はまだ3速AT)モデルとしてエポックメイキングだったことは、意外と知られてない事実かもしれない。

 

 

インマニ直付けの巨大なエアクリーナーボックスが目を引くエンジンルーム。1.8Lから始まり、2.0Lの2C、2.2Lの3C…と徐々に排気量を拡大して、商用車を中心に数多くの車種に搭載されたディーゼルエンジンの名機だ。

 

 

燃料供給はカム駆動によるプランジャー式ポンプで行われる。

 

 

パッと見ただけではガソリン車と見分けがつかず、ディーゼル車であることを示すのはトランクリッド左側に装着された控えめな“DIESEL”エンブレムのみ。日本男児たる者、そんな大和撫子的なつつましさにやっぱりグッとくるわけで、変態グルマ好きな視点からすると、たったエンブレムひとつでしか差別化を図ってないところに極度の興奮を覚えずにはいられない。早速、ディテールをチェックしていこう。

 

 

時代を感じさせるグリップ部の細いステアリングホイール。最上級グレードだけあって、ダッシュパネルやATセレクターレバー、サイドブレーキはウッド調となる。フロアマットは車名ロゴ入りの純正品。

 

 

6000rpmフルスケールで5000rpmからレッドゾーンとなるタコメーターがディーゼル車ならでは。メーターパネル内にはデジタル式時計も付く。

 

 

センターコンソールは上からリヤデフォッガー&パーキングランプスイッチ、AMラジオチューナー、エアコン吹き出し口、エアコン操作パネル&シガーソケット、灰皿、1DINオーディオスペース&小物入れ。カセットデッキはナショナル製だ。

 

 

座り心地がよく、座面の高さ調整も可能な運転席。パワーアシストなしのステアリングを操作するため、必然的にドライビングポジションはアップライト気味になる。

 

 

後席は前後方向、天地方向ともに余裕があって、大人2人がゆったり乗れる。クッションはソフトで座り心地も快適だ。

 

 

簡易的なマットが敷かれるだけで、左右のトリムなどは省かれたトランクルーム。最上級グレードといっても、基本は大衆セダンだということを思い知らされる瞬間だ。もちろん、容量は十分に実用的。

 

 

当時の純正オプションと思われるドアバイザー。今どきは半透明の樹脂製がほとんどだけど、ピカピカのステンレス製というところが80年代らしい。見た目の高級感アップだけでなく、雨の日の換気などに役立つ機能性も併せ持つ。

 

 

センターキャップに“T”マークが入った純正13インチスチールホイール。メッキリムが最上級グレードの足元をきらびやかに演出する。いやはや、よくこの状態で残ってたとつくづく思う。そこに組み合わされるタイヤは165/70R13サイズのナンカンエコネックスNA-1だ。

 

それではお待ちかねの試乗タイムだ。運転席に座った感じは当たり前だが、普通に70系カローラ。が、タコメーターを見て異変に気付く。6000rpmフルスケールで5000rpmからがレッドゾーン!? 高回転型エンジンを載せたスポーツモデルの逆パターンというのは、なかなか新鮮だ。

 

イグニッションオンでグローランプが消えるのを待ち、エンジン始動。さすが40年近くも前のディーゼル、アイドリング時の音も振動も盛大だ。

 

セレクターレバーをDレンジに入れて発進。アクセルペダルを軽く踏み込んだくらいの領域、1500~2000rpmのトルク感がものすごい。しかも、それがジワッとにじみ出るように立ち上がるから、クルマがギクシャクした動きを見せることもない。いやいや、これは思ってた以上によく走る! しかし、エンジンが気持ちよく回ってくれるのは2500rpmまで。そこから上は「あれ?」っと思うほど、あからさまに伸びが鈍る。

 

 

ちなみに、カタログ燃費は60km/h定地走行(古い、笑)で4速AT車26.0km/L、5速MT車30.0km/Lだから、実燃費で20km/L以上は固いのではないかと思う。だとしたら、カローラディーゼルSEは立派なエコカーだ!

 

■SPECIFICATIONS

車両型式:CE70

全長×全幅×全高:4225×1610×1385mm

ホイールベース:2400mm

トレッド(F/R):1325/1335mm

車両重量:980kg

エンジン型式:1C

エンジン形式:直4SOHC

ボア×ストローク:φ83.0×85.0mm

排気量:1839cc 圧縮比:23.0:1

最高出力:65ps/4500rpm

最大トルク:11.5kgm/3000rpm

トランスミッション:4速AT

サスペンション形式(F/R):ストラット/リジッド

ブレーキ(F/R):ディスク/ドラム

タイヤサイズ:FR165SR13

 

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

 

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