「贅を尽くした超美麗S2000」宝石のような輝きを放つレフトハンダーのターボ仕様

公開日 : 2020/07/19 05:30 最終更新日 : 2020/07/19 05:30


吟味されたパーツによる極上のカスタム

 

美と力を併せ持つワイドボディシルエット

 

千葉県鎌ケ谷市にあるUSDMショップ『X-point Import(クロスポイント・インポート)』が手掛けたS2000は、日本人ビルダーの手による作品でありながら、海の向こうアメリカ西海岸のカスタムトレンドをプンプンと漂わせる。

 

 

S2000のオーナーであるノリさんは、以前からUSDMやアメリカ流のカスタマイズを愛好するプライベートビルダーだ。かつては日米両国にメンバーがいたクラブで中心的な役割を果たしたこともあり、当時からアメリカに向けられたアンテナの立ち方はハンパではなかった。

 

 

そんなノリさんが、クロスポイント・インポートの代表である千葉雅嗣さんと出会ったのは、かれこれ20年近く前のこと。千葉さんも幅広い分野でUSカルチャーの洗礼を受けたカーガイだったためすぐに意気投合し、今では何から何までお任せできる関係が出来上がっていると言う。

 

 

プロジェクトの発端は今から2年前、クロスポイントがエアロブランドのモードパルファムからS2000用ワイドボディキットのデモカー製作を依頼されたのがきっかけ。その話を聞いたノリさんが、「せっかくなら面白い事をやろう!」と左ハンドルの北米仕様をベースにすることを発案し、エンジンルームに至るまで徹底して作り込むことになったのである。

 

 

ノーマルでも242psを誇るF22C型VTECは、ターボ化によるドーピングを決意。その瞬間から、様々な大改造が必要となるのは自明の理だが、そこはアメリカ製パーツの情報に明るいご両名。SEMAにも数多くの作品を出展して話題となっているカリフォルニアのファブリケーター『シーピー・レース』が、F22C型用タービン前置きキットを発売している事をキャッチしていた。

 

 

シーピー・レースの500hpターボキットは、ステンレス製ターボマニホールド、プレシジョンのビレットジャーナルベアリング内蔵タービン、カスタムインタークーラーなどのコンポーネンツを含むオールインワンパッケージだ。

 

 

インストールにあたっては、タービンのコンプレッサーハウジングや純正のインマニにはクローム処理が施され、ボディと同じヌーベルブルー・パールで塗装されたエンジンベイに妖しい色気を解き放つ。

 

 

ターボで吸気量が増えるのに合わせて燃料供給システムも最適化し、純正の電子スロットルを含む高度なエンジン制御にはAEMのフルコンを使用。

 

 

さらに、ブレーキとクラッチのマスターシリンダーはライワイヤーのキットに交換され、マスターバッグやABSユニットのないすっきりした見た目を実現している。

 

 

インタークーラーを設置するため移動させざるを得ないラジエターは、これまたカリフォルニアの有力ビルダーであるライワイヤーがCSFとコラボして商品化したタックドラジエターを用意。これはラジエターの天地がどちら向きでも使えるフリッパブル・デザインを採用しており、水の出入口はエンジンルームの左右どちらでも都合のいい方に合わせられる優れものだ。

 

 

そしてボディには、プロジェクトの発端であり、現在はアメリカにも輸出されているモードパルファムのワイドボディキット“PHANTOM GA-MU”で迫力のワイドスタンスを構築。リヤにはエクシードのトランクスポイラーが装着されている。

 

 

ホイールはアメリカのVIPモジュラー製鍛造3ピースのFX12(F9.5J×18±0 R10.5J×18+5)を装着。ラグジュアリー志向のデザインでありながら、ホンダ渾身のFRスポーツにもハマる現実は新鮮という他ない。

 

タイヤもハイグリップ一辺倒ではない自由の国アメリカでプロモーションに心血を注ぐトーヨータイヤからプロクセスR1R(F255/35R18 R265/35R18)をチョイス。むっちりした厚みを残して車高もほどほどな感じがアメリカのストリート流だ。

 

 

サスペンションは日本のエクシードが展開するSSD車高調、ブレーキはストップテックのビッグキャリパーキットを装着。

 

 

室内も美しい仕上がりだ。ステアリングはサンフランシスコ生まれのレナウン、シートは低い着座位置を実現するブリッドのフルバケットを備える。

 

 

メータークラスターに収まるのはAimのダッシュロガーで、キーオン時のオープニング画面にはノリさんが以前所属したチームのディストラクションとクロスポイントのダブルネームロゴが表示される。

 

 

オーナーのノリさんとビルダーのクロスポイント千葉さんが、頭の先から足の先までアメリカを意識してありったけの技を注ぎ込んだS2000。「カッコ良いものはカッコ良い」というフリースタイルな考え方が、既存の価値観にとらわれない孤高の1台を生み出してしまった。

 

PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI