「博物館レベルの軍用車両で楽しむカーライフ!?」 1976年式VWミリタリートラックの衝撃

公開日 : 2020/06/28 15:00 最終更新日 : 2020/06/28 15:00

ジャーマングリーンを身にまとう軍用トラック

 

ミュージアムクラスの歴史的遺産

 
レトロ感溢れるこのクルマは、1976年式のフォルクスワーゲン・ミリタリートラック。いわゆる軍用車両だ。しかも、移動通信回線用の超絶マニアック仕様なのである。

 

簡単に言えば、中継基地の役目を担う車両なのだが、もちろん旧西ドイツ時代の産物。当然ながら、その特殊さゆえに生産台数は極めて少ない。そんな博物館級の個体が、日本のナンバープレートを掲げていること自体が奇跡と言っていいだろう。
 

 

売り物件として出てきたのは、当然ヨーロッパからだった。しかも、空冷VWのマニアからではなく軍モノ(軍事道具)コレクターからの放出だったそう。

 

肝心の車両はと言うと、実際に使用されていたにも関わらず、まるで当時の資料を元に新たに作ったかのような美しさを誇る。細部を見ていく。

 


 

ダッシュボード周辺の装備は、レギュラーモデルと変わりない。唯一目立つのはサイドブレーキレバー脇の救急箱と消火器。救急箱の中身も手つかずの状態で残っている。

 

 
電話回線を一本一本手作業で繋いでいたオペレーターの姿を想像してしまうリア室内。埋められた左リアサイドガラスには、外部との接続用ホールがひとつだけ設けられている。
 

 
自家用バスとなんら変わりない運転席周辺と比べて、小さな通信室のようなリアキャビン。ビハインドパネルの入り口付近にあるのは、ライフルホルダーだ…。
 

 
欠品といっても何が足りないのかも不明だが、恐らく当時のままの装備を完全に残していると思われる荷室。何度も言うようだが決してレプリカではない。
 

 
荷室に搭載されていた装備の中に電話機を発見。どうやら左のレバーを回転させ、自家発電させた上で会話する機器のようだ。つまりこれが、70年代中期の携帯電話の姿。
 

 
エンジンは1600ccのストックだが、プラグコードのみがハイテンション用に変更されている。実走行距離数は74000キロ。エンジンケースからのオイル漏れなどは一切ない。
 

 
ヘッドライトにボディカラー同色のカバーが装着できるようになっているが、実はこの装備、全てのウインドウにも装着可能だったりする。つまり、現場でその身を隠すためのアイテムというわけだ。

 

 
リヤのあおり左側にステンシル状のサインが入っている(フロントも同様)。所属部隊を示すものらしいが、数字の意味は不明。
 

 
あおりの左右には穴が設けられていて、あおりを開くとその穴がテールランプと重なるようになっている。あおりを開いた状態で走る時の事を考えたアイディアだ。しかも穴は貫通ではなく、ラバーで挟み込んだアクリル板仕上げなのだから恐れ入る。
 
現役時代にどういう使われ方をしていたかは知る由も無い。しかし、70年代の超レア軍用車両が、日本の公道でノンビリと余生を過ごす姿を想像すると、自然と笑みもこぼれるというものだ。