「EGシビックのFRドリフト仕様は夢がありすぎる!」心臓部はS2000で足回りはシルビア!?【OPTION back number】

公開日 : 2020/06/24 06:30 最終更新日 : 2020/06/24 06:30


もはやシビックなのはエクステリアのみか!?

 

プライベーターが作り上げた驚異のEG4シビックFR仕様

 

リヤタイヤから白煙を巻き上げながら、華麗なドリフトを繰り出すEGシビック。おかしい、明らかにおかしい…。そう、このシビックはFF駆動のドリ車ではなく、正真正銘のFR駆動仕様なのだ。

 

 

前代未聞のFRシビックを作り上げたのは、プロショップではなく何と群馬県のプライベーター。過去にはコルサやプラッツのFRドリフト仕様も製作した実績があり、ドリフト業界では“異色マシン製造機”として広く知られる存在だ。

 

 

「このFRシビックは後輩のクルマなんですが『ちゃんとドリフトしたい』ということだったので、エンジンから足回りまでシルビアのパーツを移植して仕上げました。エンジンは縦置きのF20Cにして、元々のB型エンジンに近いフィーリングで走れるようにしたのもポイントですね。トラクションも良くかかるし、ハイバランスなドリ車だと思いますよ」とは製作者。

 

 

エンジンルームから見ていく。心臓部はS2000のF20Cユニットを換装。もちろん無加工とはいかず、自作エンジンマウントを介してF20CとS13サスメンバーを合体。さらに鉄骨でフレームを製作し、サスメンバーごとボディに溶接固定している。

 

なお、エンジン搭載位置は、ボンネットやバルクヘッド、オイルパンとの位置関係を考慮して決定。サスメンバーは後方寄りに取り付け、テンションロッドで前側に引っ張ることでタイロッドの逆間接を防止するなど、ドリフターならではの工夫も盛り込まれる。

 

 

排気系パートも一筋縄ではいかなかったポイントの一つ。どうやってもEXマニがステアリングラックと干渉するため、パイプを切った貼ったしながら形状を最適化していったという。ちなみに、EXマニの下に確認できるピンク色の物体は自作のエンジンメンバーだ。

 

 

ステアリングはシャフトからラックまでS13用を使うが、パワステ機構はS13が油圧式なのに対してAP1はパワステポンプレスの電動式。そこで、オルタネーターの下側スペースにS13用ポンプを組み込んで油圧化している。電動ファンは他車種の純正品(おそらくプリメーラ用)だ。

 

 

ミッションはエンジン同様にAP1純正の6速を選択。それに伴い、センタートンネルはAP1のものを丸ごと移植し、切り取ったシビックのフロアパネルをその後方に溶接することで、ミッションとプロペラシャフトが通るスペースを確保した。

 

その他、操作系ではペダル類やマスターバックはEGシビック用をそのまま使い、サイドブレーキはS13用に変更。なお、グローブボックスに固定されているコントロールパネルはヒーター用だ。

 

 

ハーネスやコンピュータ、メーターやスタートスイッチなどもAP1純正をフル移植。燃料ポンプやインジェクターまでAP1用を移植することで、制御系のエラーを回避している点も見逃せない。

 

 

サスメンバーをS13用としている事からも分かるように、フロントサスはダブルウィッシュボーン式からストラット式へとスイッチ。車高調はテインだ。

 

 

当然ながら、EGシビックとS13シルビアではトレッド幅が大きく異なる。EGシビックのストラットアッパーを基準に車高調を組むとネガティブキャンバーが付き過ぎてしまうため、車高調のロアブラケットを長穴加工してキャンバーを無理やり起こしている。

 

 

リヤサスも、干渉する部分のボディ側をカットした上でデフケースごとS13サスメンバーを合体。プロペラシャフトはAP1とS13のニコイチで「さすがに折れたらヤバいので、プロショップで製作してもらいました」とのこと。ドライブシャフトはHCR32純正を流用している。

 

 

ホイールはフロントが15インチのロンシャンXR4(7.0J)、リヤがRSワタナベの8スポーク(7.0J)だ。LSDはニスモの2ウェイを奢る。なお、前後タイヤ位置は純正フェンダーアーチに合わせて設定したため、ホイールベースはシビックと同一だ。

 

 

生粋のプライベーターがアイディアを振り絞りながら創出した超大作。サーキット専用と割り切っているからこその大胆仕様と言えるが、こういう仰天チューンドが生息しているからドリフトシーンは面白いのだ。(OPTION2誌2013年9月号より抜粋)