長いレストア期間を経て「現代版、羊の皮を被った狼」へと進化した2代目スカイラインの雄姿

公開日 : 2020/06/04 06:30 最終更新日 : 2020/06/04 06:30

まさに“羊の皮を被った狼”

 

SR20DET搭載のGT-Bはスカイライン神話を復活させる

 

スカイラインGT-Bといえば、グロリアと並んで日産と合併する前のプリンス自動車を代表するモデルだ。

 

 

第1回日本グランプリ(1963年)で10位と惨敗したプリンスが、4気筒モデルのノーズを200mm延長し、グロリア用の6気筒エンジン(G7)を搭載することでリベンジを果たしたというのは、あまりにも有名な話だ。

 

 

その結果、第2回日本グランプリでは総合優勝こそ逃したものの、ポルシェを相手に壮烈なバトルを繰り広げ“羊の皮を被った狼”という言葉を生み出した。

 

 

当初はレースのホモロゲーションをクリアするための超限定生産予定だったが、想像以上に反響が大きく、日産と合併後のマイナーチェンジで急きょ通常ラインナップに加えられたという経緯を持つ。

 

 

そして、6気筒翌モデルの中でも、ウエーバー製3連キャブレターを備えた上位モデルがGT-B。日本の自動車史の中でスカイラインの地位を不動のものにし、後のGT-R(ハコスカ・ケンメリ)への布石となった。

 

そうした様々な逸話を持つ2代目スカイラインを、何と15年近くかけてフルレストア、現代に通じる動力性能を持たせるべくSR20DETを換装したというのが、今回の取材車両だ。

 

 

オーナーが細かな部品まで妥協無く仕上げながら、構想を何度も練り直したという力作。そのコンセプトは、オリジナルの外観を当時の姿で残した“現代版、羊の皮を被った狼”に他ならない。

 

 

絶対的な速さを狙っているわけではないが、チューニングカー乗りが不満なく乗れる動力性能は絶対条件。そこでS13シルビア用のSR20DETをスワップ。タービンもパルサーGTi-Rの加工モデル(TD06とのハイブリット)に変更して約320psを発生させている。なお、サージタンクもパルサー用を奢っている。

 

 

合わせてミッションも、シンクロ性能がしっかりとしたS13シルビア純正5速を流用。もちろんボルトオンというわけにはいかず、フロアトンネルを大幅に作り直しての搭載だ。

 

 

ショックアブソーバーは他車種の車外品を流用し、前後ともブレーキはディスク化。フロントのブレーキは14インチのホイールに収めるために、エンドレスのマイクロ6をチョイスしている。

 

 

外観はノーマル風に”というコンセプトから、オイルクーラーはナンバープレートの背後に、インタークーラーも隠すようレイアウトしている。

 

 

マフラー、燃料タンクなど手に入らない部品は全てワンオフ。特に燃料タンクは市販の安全タンクではイメージに合わないと、イチから製作したスペシャルを積んでいる。

 

 

室内は当時のイメージを残す。メーターパネルなどにはカーボンでアクセントを入れるなどの小技も効かせている。ステアリングはナルディクラシックだ。

 

 

シートは表皮をレザーで張り替えたヘッドレストレスのコブラを2脚装備する。今時のバケットシートと比べるとホールド性は低いが、どうしても譲れないポイントだったそう。

 

 

見た目はクラシックだが、中身は現代のスポーツモデルにも負けないハイスペック仕様。まさに、スカイラインGT-Bのキャラクター性をリスペクトしたネオ旧車チューンドだ。