「E36型M3はちょっと大きなハチロク!?」サスチューニングでビーエムは大化けする!

公開日 : 2020/05/25 15:00 最終更新日 : 2020/05/26 13:52

国産チューナーが本気でBMWをイジるとこうなる

 

ちょっと大きな“ハチロク”はスライドしながらも前に出る!

 

BMWのレース部門M社がチューニングを手がけ、当時、直6エンジンを搭載する世界屈指のFRスポーツカーと言われたE36M3。すでに3世代前のモデルになるが、その存在感は未だ色褪せてはいない。

 

そんなM3のポテンシャルをさらに高めるべく、足回りを徹底的に煮詰めたのがこのマシンだ。

 

 

面白いのはダンパーで、フロントにトキコ製AE92ショート、リヤにビルズ製ハチロク用改ロングストロークを装着。AE92ショートと言えば、かつてカートリッジ式に流用されまくった定番ダンパーで、オーナーにしてチューナーのベースM間野代表いわく「伸び側と縮み側のバランスが最高! これは名作と言ってもいいと思うよ」とのこと。

 

 

そこに組み合わされるスプリングはアイバッハ製で、フロント16kg/mm、リヤプライマリー20kg/mm+メイン20kg/mmとなる。また、フロントはブッシュ強化と偏芯によるミドルキャスター化、リヤは調整式ピロアームの導入も行われる。スタビライザーは前後arc製だ。

 

M3を含むE36は、ストロークに対するリヤサスのキャンバー&トー変化が大きいため、足回りは硬めてストロークを規制する方向でセッティングするのが一般的。サーキットを速く走ろうと思うなら、なおさらだ。

 

 

ところが、このM3では動かす方向へと振られている。というのも「踏める足であることは当たり前。その先にある、アクセルを踏むことも戻すこともできない領域…つまり、ゼロカウンターでのドリフト状態に入った時の接地感やコントロール性を重視してるからなんですよ」とのこと。

 

足を動かすということは、本来のメカニカルグリップを高めるということに他ならないわけだ。

 

 

ブレーキはキャリパー、ローターともにノーマルでパッドのみIDI製の試作品に交換。「サーモペイントでローター温度をチェックしてるけど、袖ヶ浦で400度くらい。前後のバランスも良いから、連続周回でなければパッド交換だけで十分」と間野代表。

 

ホイールは25mm厚の変換スペーサーによってPCDを120から114.3に変更した上で、前後に9Jオフセット+40のボルクレーシングCE28をセットしている。

 

 

タイヤに関しては、一般的に「E36に装着できるタイヤは前後235幅が限界」と言われているが、フェンダーツメ折りにフロント4度、リヤ2度半というネガティブキャンバーを付けることで、255/40-17サイズのディレッツァZ1スタースペックを投入している。

 

間野代表いわく「履きたいサイズを収めるためにキャンバー角を決めれば良いんです。走るクルマでもシャコタン、ツライチが基本ですからね」とのこと。

 

 

ダッシュボード周りは基本的にノーマルで、追加メーターは水温計が装着されるくらい。ナルディクラシックは「これじゃなきゃダメ!!」という間野代表の強い拘りでチョイス。

 

 

ベース車は、たまたま革内装にウッドパネルを装備する当時のフルオプション仕様だったようだが、運転席はBRIDEジータに交換。シートベルトは、サーキット走行時にHANSを使用するためシンプソン製5点式が装着される。

 

 

ベースは3.2Lエンジンを搭載するM3Cだが、初期モデルのみドアパネルがアルミ製だったとか。インナーに確認できるリベットがその証。これは知らなかった!

 

 

エンジンは吸排気系、CPまで含めてフルノーマル。「パワーは十分だしレスポンスも良いから、ハードなエンジンチューンは考えてない。現状でも、ちょっと大きなハチロクって感じでヒラヒラ走ってくれますよ」。

 

 

エアロはボメックス製を装着。意外と知られてないみたいだが、ちゃんとE36用がラインナップされてるのだ。リヤバンパーのサイドダクトはフェンダー内のエア抜き用としてしっかり機能。ディフューザー形状とされたアンダー部も高速域でダウンフォースを発生する。

 

理詰めで仕上げられた至宝のサスチューン。その切れ味は間野代表の言葉を借りるなら「大きなハチロク」そのものだ。

(ベースMは現在閉店しています。)