「JZA80スープラNAモデルの過給機チューンを検証」ターボとスーパーチャージャー、どちらが上だ!?

公開日 : 2020/05/09 13:00 最終更新日 : 2020/05/09 13:00

ターボ対スーチャー! エスプリ作の異なる過給機仕様を比較

 

同じ400ps仕様でもそのフィーリングはまるで別物

 

過給機チューンの双璧を成すスーパーチャージャーとターボチャージャー。これまで日本のチューニング界では、ターボチャージャーが圧倒的にメジャーな存在ではあったものの、90年代終わり頃からスーパーチャージャーの躍進が目立つようになってきた。

 

スーパーチャージャー仕様のエンジンルーム。

ターボ仕様のエンジンルーム。

 

そこで気になるのがそれぞれの速さの特性の違い。それを検証するため、エスプリが手がけたJZA80NAベースのボルトオンスーパーチャージャー仕様とターボ仕様の2台を用意。エンジンスペックからコストパフォーマンス、動力性能まで比較していく。なおいずれも腰下およびヘッドは基本的にノーマルのままだ。

 

2台のJZA80のうち、黒い方がHKSのGTS8550遠心式スーパーチャージャーを、シルバーの方がHKSのGT3037プロSタービンを装着した仕様。両者に共通するテーマは「手軽に装着でき、ノーマル225psの2JZ-GEで400psオーバーを実現する」ということ。そのため、エンジン本体(前期型VVT-iレス)は腰下、ヘッドともにフルノーマルとされている。

 

GTS8550スーパーチャージャー。

 

まずはスーパーチャージャー仕様から。専用ブラケットを介してシリンダーブロック右側にHKSのGTS8550が装着される。プーリー径によって許容馬力は250〜500ps。また、メーカー推奨の許容回転数は11〜12万回転だが、エスプリでは14万rpmまで回して耐久性のテストを行っている。

 

 
パワー特性は、最大ブースト圧1.1キロで446.3ps(緑線)、最大トルクは50.0kgm(青線)。グラフはキレイな右肩上がりを描き、エンジン回転数の上昇に伴ってブースト圧が高まる=パワーが追従することが分かる。トルク特性も実にフラットだ。
 

GT3037プロSタービン。

 

続いて、軸受けにボールベアリングを採用したアクチュエーター式のHKS GT3037プロS仕様。

 

タービンは専用EXマニを介して装着。低中回転域でのトルク特性に優れ、高回転域におけるパワーの伸びも鋭いなど、2JZ-GEと好マッチングを見せる。許容馬力は350〜500ps。ただし、ターボ仕様のヘッドガスケットのみHKSメタル1.6mm厚に変更され、圧縮比をノーマルの10.0から9.7にダウン。常用1.4〜1.5キロというブースト圧を実現し、安全マージンを確保している。

 

 

GT3037プロSターボ仕様の特性は、ブースト1.2キロで447.8ps(緑線)、最大トルク55.3kgm(青線)。グラフの傾きが中間域から急激に大きくなることからわかるのは、ある回転域を境にブースト圧が立ち上がり、同時にパワー&トルクが大きく盛り上がるということだ。

 

ちなみに、中間域にグラフの谷があるのは唐突にトルクが出るのを抑えるため、点火時期を遅らせているから。

 

 

なお、スーパーチャージャー仕様、ターボ仕様どちらも制御はHKSのF-CON Vプロで行なっている。

 

スーパーチャージャー仕様のJZA80。

 

実際に試乗比較してみると、その違いは歴然。スーパーチャージャー仕様は、右足の動きに対して間髪入れずスッとクルマが前に出る。その感覚はレスポンスが良いというより、過給機の存在を全く感じさせないほど自然という方が正しい。

 

それでいながら、スーパーチャージャー仕様でよく言われる排気量がアップしたような、エンジン回転の上昇が鈍く感じられるようなこともない。

 

ターボ仕様のJZA80。

 
一方のターボ仕様は、スーパーチャージャー仕様に比べるとワンテンポ遅れてトルクが立ち上がるが、そこからの伸びが強烈。スムーズというよりは、レブリミット目がけてグングンと加速していくもの。少なくとも体感的な速さでは、ターボの圧勝だ。
 

それから、どの回転域でもアクセル操作に対するトルクの立ち上がり方が変わらないスーパーチャージャー仕様に対して、ターボ仕様はそれが回転域によって変わってくる。過給を待たなければならない2700rpmから加速していく50-100km/hよりも、すでにパワーバンドに入った4200rpmから加速していく100-150km/hの方が、ターボ仕様は明らかにパワフルだし、エンジンレスポンスにも優れている。

 

 

ちなみに、導入コストの面においてはスーパーチャージャー仕様が有利。スーパーチャージャー仕様は専用データ入りF-CON iSをセットにして、取り付け工賃込み(エスプリ限定)で80万円〜120万円(車両の状態による)。ボルトオンターボキットだと、取り付け工賃込みで100万円〜ということだった。

 

スーパーチャージャー仕様の方が価格の面で優れているのは、排気系に手を加える必要が無いから。400ps程度の仕様であれば、触媒まで純正で問題ないという。

 

 

ピークパワーが同じでも、乗り手にそれほど速さを感じさせないスーパーチャージャー仕様と、必要以上に速さを演出するターボ仕様。400~450psくらいで乗るなら、後は好みや求めるフィーリングがチョイスの決め手になるだろう。
 

取材協力:エスプリ 三重県鈴鹿市住吉3-19-1 TEL:0593-70-8080

 

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エスプリ

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