「GT-Rを撃墜!?」老舗のランエボ8MRブーストアップ仕様が速すぎる!【OPTION back number】

公開日 : 2020/05/02 13:00 最終更新日 : 2020/05/02 13:00

例えハードなチューニングを行わなくても、意図的に抑え込まれたパワーを解放してやるだけで、十分過ぎるほどのパフォーマンスを発揮するランエボ。スペシャルパーツを一切使わないマシンメイクでありながら、サーキットで圧倒的な速さを見せつけるナギサオートのCT9Aは、まさにその好例だ。(OPTION誌2006年6月号)

 
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封印されたパワーを開放し、格上のマシンを追い回す!

 

純正タービンでセントラル1分23秒台をマーク!

 

関西最速との呼び名が高いシルバーのBNR34を擁し、サーキットでのタイムアタックを精力的に行っているナギサオートが初めて手がけたランエボ。それがここで紹介するCT9Aだ。

 

吸排気は、HKSパワーフロー、レーシングサクション、GTインタークーラー、トラストブローオフバルブという構成だ。

 

心臓部の4G63は、ポテンシャルを探る意味で吸排気とCPチューン、燃料系と冷却系の容量アップを図ったブーストアップ仕様に留めている。設定ブースト圧は1.8キロ、MAXパワーは約380psだ。

 

 

ちなみに、8MRの純正タービンは、タービンホイールにチタンアルミ合金を採用したTD05HRA-16G型。RSの5速MTモデルはリストラクター(吸気制限装置)が装着されるラリー競技を想定した設計のため、GSRやRSの6速MTモデルよりもトリムが小さく、タービン特性はその分、低速トルク型になっている。

 

 

インタークーラーには、フィン形状の見直しで冷却性能を維持しながら、従来品に対して10%の軽量化を達成したHKSのGTタイプを装着。オーバーハング部の軽量化によってハンドリング性能の向上にも貢献してくれる。

 

 

排気系は、オリジナルのフルチタンフロントパイプからタナベのウルトラメダリオンに繋がるレイアウト。ウルトラメダリオンは、内部構造の見直しと限りなくストレート形状とされたメインパイプによって、排気効率を徹底的に追求した逸品。サイレンサー部にはチタン材を採用するなど、軽さにも拘ったパーツだ。

 

 

駆動系チューンも抜かりなし。デフキャリアの後ろにセットされているのは、チルトンのデフオイルクーラー。奥に見えるのがオイルを循環させるためのポンプだ。これでデフオイルの油温上昇を防ぎ、サーキットの連続アタックでも安定したLSD(クスコRS)の効きをキープしている。

 

フロントサスペンション。

 

パワーユニット周りはかなりライトな仕様だが、その代わり足回りのメニューは見どころ満載だ。

 

サスペンションには、全長調整式のタナベサステックプロセブンに、走行状況に応じて自動的に減衰力を調整してくれるTEASをセット。サーキット走行を前提としているため、フロント16kg/mm、リヤ12kg/mmというバネレートを持った硬めのスプリングが組み合わされる。

 

リヤサスペンション。

 

ブレーキはフロントにブレンボF50キャリパー+Rddの335mmローター、リヤに純正キャリパー+Rddローターをセット。パッドは制動屋SPLを合わせる。

 

フロントアーム周り。

リヤアーム周り。

 

アーム類もコーナリング性能アップを狙って、オリジナルでフル武装。まずロワアームをフロント15mm、リヤ10mm延長してワイドトレッド化。純正フェンダーでもツメ折り加工さえ行えば 8Jオフセット+33前後のホイールまで装着可能だ。

 

さらにキャンバー角とトーの調整範囲を一気に拡大でき、ロールセンターアジャスト機構も盛り込まれるなど、サーキットユーザーをターゲットとした作りが、いかにもナギサオートらしい。

 

 

室内は、ダッシュパネル中央にマックスレーシングのマルチメーターをセットして車両情報を集中管理。追加メーターとして装着されるのは、ステアリングコラム上のアペックスブースト計くらい。ノーマルに最小限の手直しを加えただけのシンプルなメイキングだ。

 

 

ボディ補強は最低限で、セーフティ21ロールケージとNAMSがっちりサポート、オクヤマタワーバーが装着される程度。一方、シーウエストのカーボンボンネットやトランク、マルシェFRPリヤドアなど、ボディパネルの交換で軽量化が図られている。

 

 

シーウエストのフロントバンパーにカーボンカナードが組み合わされ、フェンダーは片側20mmワイドのHRS製を装着。そこに収まるホイールは軽さに定評があるSSRタイプRS(10.5J+15)で、265/35-18サイズのディレッツァスポーツZ1がセットされる。

 

 

リヤフェンダーは片側30mmワイドの設定。コンビネーションランプはLED化が図られたNAMSのオリジナルパーツで、被視認性の向上だけでなくドレスアップ効果も期待できる。

 

 

このチューンドの速さは相当なもので、ホームコースのセントラルサーキットを1分23秒台で周回し、フルチューンGT-Rすらも追いかけ回すほど。

 

パワーはそこそこに抑えて、足回りでタイムを稼ぐ。ランエボの資質の高さを理解し、各ファクターをバランス良く磨き上げた模範的なチューンドスペックだ。

 

●取材協力:ナギサオート 大阪府池田市住吉2-14-18 TEL:072-762-4198

 

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ナギサオート

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