「このMR-Sは刺激的すぎる!」860キロの軽量ボディに4スロ仕様の2ZZエンジンを搭載!

公開日 : 2020/04/25 11:00 最終更新日 : 2020/04/25 11:00

リヤバルクヘッドを大加工、背中越しのファンネルが圧巻!

 

パワー感、レスポンス、サウンド…全てが刺激度満点

 

今時のコンパクトカーよりも軽い1トン以下の車重でリヤミッドシップという、走りを大いに期待させてくれるパッケージング。スポーティカーとしての高い資質をMR-Sに見出し、そのチューニングに力を入れているのが“テクノプロ・スピリッツ”だ。

 

 

今回取材したのは、1ZZ-FEに代えて2ZZ-GEが載せられた同社のデモカー。エンジン本体や排気系はそのまま、スロットルをシングルから4連へと変更したのだ。「以前からやってみたかったんだ。ただ、フロントエンジンのクルマと違って、4スロにするのがメチャ大変!」。そうスピリッツ熊倉代表が語るように、作業は難航を極めた。

 

というのも、エンジンが横置き搭載されるMR-Sでは吸気系がリヤバルクヘッド側に位置していて、そのままでは4スロとファンネルを収めるスペースがない。きっと多くのショップやユーザーが望みながら、これまでカタチにできなかった最大の理由はそこにある。

 

 

そんな常識を覆すため、テクノプロスピリッツではなんとリヤバルクヘッドを大胆にカット。モノコック自体に手を入れるという荒技で“夢の4スロ”を実現してしまったのである。フルバケットシートの50cmほど後方に、ムキ出しのファンネルが構えるレイアウトは衝撃的だ。

 

 

スロットルボディはAE111純正を流用。インマニをワンオフ製作してヘッドに組み合わせている。4スロ上部はクリアのアクリル板で覆われ、その上にハードトップを装着。リヤウインドウ越しに4スロの存在が分かるよう、見た目にも拘っているのだ。

 

 

エンジン本体は基本的にノーマルだけど、4-2-1タイプのエキマニやフロントパイプ、リヤマフラーはテクノプロ・スピリッツのオリジナル品が装着される。また、エンジン&ミッションマウントもオリジナルに交換。TRD製よりブッシュ硬度が高く、サーキット走行に適した設計とされている。

 

制御系はVVTL-iのコントロールも可能なパワーFCが担当。ノーマルのエアフロ信号線にスロポジセンサーの0-5ボルト電圧を入力し、開度ごとの吸気量を踏まえた燃調マップの作り込みを始め、マップスケールの変更や各種補正を駆使することで、スロットル(α-N)制御を実現しているのだ。

 

 

また、足回りはオリジナルセッティングが施されたオーリンズPCV。スプリングはスポーツラジアルタイヤでのテスト用として、フロントにハイパコ製5kg/mm、リヤにスウィフト製12kg/mmが組まれる。

 

 

ブレーキは、フロントがダストブーツ付きのアルコン製ストリート用4ポットキャリパー+Fポン用φ281ローター+PFCパッド+ステンメッシュホースで構成されるオリジナルキットを装着。リヤは現状、PFCパッドのみの装着だけど、FD3S用φ310ローターを流用できるキットを開発中だ。

 

 

運転席に収まってみると、サーキット仕様らしい眺め。タコメーターは、純正クラスターにピッタリ収まるφ115、1万1000rpmフルスケールのデフィリンクメーターを装着している。

 

試乗させてもらって、まず驚いたのは扱いやすさ。アイドリングは安定してるし、2000~3000rpmあたりのトルク感も抜群。いじわるなアクセル操作をしても至ってスムーズに、かつ右足のわずかな動きにもピタリとエンジン回転が追従するのだ。

 

それと、運転席の直後でムキ出しのファンネルが空気を吸って、そこにハードトップでの反響音も加わるから吸気音はかなり大きめ。3000rpmを超えると助手席との会話も難しく、タコメーター読み5000rpm手前でVVTL-iがハイカムに切り替わると、澄んだハイトーンへと音色が変化しながらレブ8500rpmまで一気に吹け上がっていく。刺激的で、とにかく快感だ。

 

 

ベース車両はパワーウインドウレスでエアコンもオプション設定だった廉価グレードのBエディション。車重はカタログ値970kgだが、パワステやABSユニット、運転席エアバッグを取り外し、カーボン製フロントフードやエンジンフードを導入。

 

さらに、各種ブラケットの穴開け加工など徹底的に軽量化を行なった結果、ノーマル比100kg以上減となる実測860kgを達成している。

 

 

これに中間トルクが向上したエンジン特性&210psに達するピークパワー、C1モータースポーツ6速フルクロスMT、ZZT231用4.5ファイナルによるローギヤード化…などの相乗効果によって、まさに弾けるような走りを楽しませてくれるのだ。

 

熊倉氏いわく「趣味で作ったからキット化は全く考えてない。でも、どうしても4スロにしたい!ってオーナーがいれば対応するよ」とのことだから、興味のあるMR-Sオーナーは問い合わせてほしい。

 

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

 

●取材協力:テクノプロ・スピリッツ 埼玉県川越市小中居945-1 TEL:049-235-4886

 

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