「HKSのRB26DETTコンプリートエンジンが想像以上に凄かった件」第二世代GT-Rオーナー必見!

公開日 : 2020/03/22 13:00 最終更新日 : 2020/03/22 13:00


HKSのレーシングテクノロジーを結集して作り上げる2.8Lユニット

 

『ハイレスポンス』と『ステップ2』の2モデルを用意!

 

東京オートサロン2020でHKSが発表した、RB26DETTコンプリートエンジンの詳細がついに明らかになった。

 

コンプリートエンジンは『ハイレスポンス』と『ステップ2』の2種類を設定。いずれも受注生産品となっており、排気量は2.8L化される。

 

2.8Lへの排気量アップを前提としたこのコンプリートエンジン、興味深いのは、800馬力クラスを狙える『ステップ2』と、ストリート向けの『ハイレスポンス』という2モデルが用意されていること。

 

コンプリートエンジンを証明するプレートが与えられる。

 

どちらのモデルも、ヘッドやN1ブロック等のパーツ類は全て新品が使用され、ボア×ストロークや圧縮比などの基本スペックはイコール。許容回転数も両モデル共に9000rpmの設定だ。ただし、エンジンの性格、つまり過渡特性はまるで異なる。

 

HKS・第2開発部の高橋さん。

 

「どちらも、ヘッドにはハイカムや強化バルブスプリングを組み込み、燃焼室のマシニング加工やポート研磨が施されます。ただし、パワーの要となる腰下のピストンやクランクは、それぞれのターゲットに応じて最適なものを採用しました」とは、HKS第2開発部の高橋さん。

 

高出力対応の『ステップ2』にはその名前の通り、HKSの2.8Lステップ2キットが組み込まれるのに対し、『ハイレスポンス』では、新設計の軽量ピストンや、カウンターウエイトを限界まで削り込んだクランクシャフトを採用。より俊敏な吹け上がりが堪能できる仕様となる。

 

コンセプトが近い『ステップZERO』用(上)と、『ハイレスポンス』用(下)の比較。

 

「キモとなるのは、やはりクランクシャフトですね。レスポンスを追求したクランクは『ステップZERО用(上)』がありますが、それをそのまま使うのでは進化がない。そこで、ハイレスポンス用は設計を見直し、ステップZEROと同等の軽さをキープしたまま、さらなる強度アップを実現しました。そのため、許容回転数もステップZEROの8000rpmから1000rpm上乗せできたんです」。

 

コンロッドはH断面形状を採用。

 

H断面コンロッドは従来品(ステップ2)と同形状だが、ピン径を21mmから22mmと太くすることで、高負荷に耐えられる設計としている。

 

ピストンは削り出しの鍛造品で、高剛性軽量タイプとなる。

 

ピストンも、ハイレスポンス仕様には軽量かつ高強度な専用品を採用。高温での強度に優れるジュラルミンA2618材から削り出した逸品だ。ステップ2用が約400gなのに対し、このピストンは324gまで重量を追い込んでいる。

 

HKSのデモカーにはステップ2仕様が搭載され、タービンはGTIII-5Rで、1000㎰オーバーを睨んだスペックとなる。

 

また、想定タービンに関しても「ステップ2はビッグシングルタービン仕様が前提です。対するハイレスポンスは、GTⅢ-SSツインなど小径タービンの組み合わせを想定しています」とのこと。

 

高回転、高負荷時でも確実な点火を実現するべく、イグニッションコイルも強化品へと変更される。

純正クランク角センサーを撤去し、クランク軸上に専用センサーを設けることでより正確なピックアップ信号をECUへと伝達する。

 

さらに『ハイレスポンス』では、点火コイルやクランクセンサーといった電装パーツまで強化。アクセルワークに対するパワー追従性をさらに高めているのだ。

 

燃焼室の容積合わせ(NC加工)やポートの段付き修正が施される。RB26はノッキングが出やすいため、敢えてスキッシュエリアは残したまま、燃焼効率を考えて最適な形状にしている。

 

当然ながら、長年のテストで浮き彫りになったRB26のウィークポイントもきっちり対策される。

 

「RB26は1番シリンダーの温度が特に上がりやすくノッキングも出やすいので、各部に独自の対策を施しています。このコンプリートエンジンはHKSレーシングのメカニックが1基ずつ丁寧に、室温20度のエンジン室で組み上げるのですが、精度はメーカー以上ですよ」。

 

かつてOPTION誌が企画した0-300km/hチャレンジで、17秒64を記録したBCNR33デモカー『T-002』。これを現代へと蘇らせた新生バージョンにも2.8Lのコンプリートエンジンが搭載された。

 

気になるプライスは『ステップ2』が375万円、『ハイレスポンス』が570万円(予価/今夏発売予定)となる。

 

無論、簡単に手が届く金額ではない。しかし、この時代にRB26エンジンチューンの最強スペックが誕生し、それが一般販売されるというのは、実に夢のある話だと思う。「いつかはあのエンジンを…」と、妄想するだけでも胸が高まるというものだ。

 

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