「このK11マーチ、やばすぎる!」4スロ&ハイコンプ仕様のGA16DEに換装して異次元の走りを実現!【OPTION back number】

公開日 : 2020/03/20 05:30 最終更新日 : 2020/03/20 05:30


公認車検も取得済み。K11チューンの可能性を広げる換装術

 

軽量ボディで排気量300ccの差はデカイ!

 

ボンネットの下に収まるのは見慣れたCG13DEではなく、B13/14サニーやN14/15パルサーに搭載されてたGA16DE。年式によってスペックは若干異なるが、110~120ps/14.8~15.0kgmを誇るテンロクDOHCエンジンだ。

 

すでにK11マーチをベースに4台、同じ仕様を製作したマルホランド倉本代表いわく、「CG13でパワーを求めるとハイチューンになるので、どうしても耐久性が犠牲になりがち。サーキット専用ならともかく、ストリートメインで乗りやすさまで考えると排気量アップに勝るモノはないですよね。で、サイズ的にGA16DEならイケるんじゃないかと思ったんです」とのこと。

 

 

K11のエンジンルームにGA16DEはギリギリ…というか、シリンダーブロックが干渉するため、運転席側のメインフレーム加工が必要になる。取材車両はオーナーの意向でエアコン&パワステが残されてるから、街乗りも快適だ。

 

もちろん、エンジンスワップしただけで、ハイ完成…というワケでなく、本体もきっちりチューニング。まず腰下はピストン交換が行われ、圧縮比が11.5まで高められている。

 

 

他車種のピストンを流用するのはマルホランドの得意とするところで、ダイハツパイザーに搭載されるHD-EP型エンジンの純正品を使ってハイコンプ化。ボア径はGA16と同じφ76で、シリンダーブロックはホーニングのみ行われる。また、カムのハイリフト化に合わせて彫られたバルブリセスは倉本さん自らが手がけたものだ。

 

一方、ヘッドには作用角264~272度でリフト量を高めた純正加工カムと強化バルブスプリングをセット。加工によって小さくなったカムのベースサークルに合わせて、バルブもステムの長いものに交換されている。

 

 

吸気系ではインマニやリンケージをワンオフ製作してロードスター用φ45 4連スロットルをセット。「始めはバイクのCBR900用を使ったんですが、ハーフ領域の調整がどうにも上手くいかなかったんでこの仕様になりました」と倉本代表。インジェクターは240ccだ。また、排気系はワンオフφ38等長EXマニ+オリジナルマフラーという組み合わせだ。

 

 

点火系はS15用クランク角センサーを流用してダイレクトイグニッション化が図られ、高回転域でも確実なスパークを実現。燃調とともにEMS単体でのフルコン制御とされる。

 

そんなNAチューンが施されたGA16DEは160psを発揮。軽量化で車重が900kg台前半に抑えられたK11には十分なスペックだ。

 

 

足回りはRG車高調に前後10kg/mmのスウィフト製スプリングを装着。サーキット走行まで見据えたバネレート選択だが、街乗りでの乗り心地にも不満はない。

 

 

また、フロントブレーキは中期型以降にボルトオン装着可能なR33純正ブレンボ4ポットキャリパー+R32用270mmローターで強化。銘柄が限定されるが、14インチホイールを装着できるのがポイントだ。

 

 

リヤサスはアッパー&ロワ、ラテラルの各リンクをピロ調整式に交換することでスムーズなストロークを実現。いずれもマルホランドのオリジナルパーツだが、すでに絶版とのこと。

 

 

5ナンバー枠に収まる片側50mmワイドのオーバーフェンダーを装着してトレッドを拡幅。ホイールは前後7.0Jオフセット±0のボルクレーシングTE37で、185/60R14サイズのアドバンネオバが組み合わされる。取材日はあいにくの雨で1~2速はホイールスピンしっぱなしだったが、機械式LSDのおかげで安定した挙動を見せてくれた。

 

 

メインメーターは、各種車両情報を一括表示できるレーステクノロジー社のDASH2データディスプレイに交換。ハーネス製作によるカプラーオン設計のため、純正メーターに戻すこともできる。

 

「クルマが軽く、GA16がもともとトルク型ということもあって、そんなにエンジンを回す必要はありません。ですから常用7000rpm、レブリミットは7500rpmに設定してますよ」と倉本代表。

 

その言葉の意味は、試乗してすぐに理解できた。アイドリング回転でクラッチを繋げばスルスルと走り出す。そしてアクセルペダルを踏み込めば、4スロならではの豪快な吸気音を放ちながら、パワーの盛り上がりとともにスムーズに7000rpm+αまで吹け上がるNAチューンらしいフィーリングもちゃんと持ち併せているのだ。

 

 

そんなエンジン特性を引き出すのが、EK10マーチRやB12サニー1600VRなどに搭載されたRS5F31V型クロスミッション。5速を巡航ギヤと割り切って1~4速を近づけたレシオは、低中速コーナーが続くワインディングにドンピシャで走る楽しさを倍増させてくれる。

 

確かにCG13のままでもチューニング次第で160psは可能だし、常用9000~9500rpmの走りも刺激的。ただ、高回転高出力型になるのは必然で、オイシイ領域を使って走るにはそれなりの腕も求められる。それに対してGA16は、実用域での乗りやすさ=実質的な速さの面で明らかに一枚上手。CG13でフルチューンを考えているなら…エンジン換装も検討してみる価値は大いにアリだ。(OPTION誌2010年12月号より抜粋)

 

TEXT:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)/PHOTO:宮門秀行(Hideyuki MIYAKADO)

●取材協力:マルホランド