「500馬力オーバーのディアマンテ、現る」飛び石の傷が戦いの激しさを物語るド根性セダン【OPTION back number】

こういうチューンドが生息しているから深夜の首都高は面白い。ベース車両の立ち位置を度外視した魔改造のモンスターマシン、レアな三菱ディアマンテをベースにしたアタック仕様の登場だ。(OPTION 2001年8月号より抜粋)

 

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FFで500馬力! 名将JUNの手で覚醒した本気のC1スペシャル!

 

駆動系パーツは全て消耗品なんです!?

 

FFで500psという驚異のスペックを誇るこのディアマンテ。飛び石により剥がれたバンパーの塗装が、このチューンドの戦歴を物語る。そもそもこのクルマが出た当時はバブル絶頂期で、各メーカーからハイエンドセダンが続々登場したタイミングでもある。オーナーはセルシオを買おうと思っていたそうだが、納車7ヶ月待ちと言われたため、即納可能だったディアマンテを選んだという。

 

スピードリミッター解除だけでもそこそこの速さはあったそうだが、湾岸でポルシェにぶち抜かれたことを機にチューニング熱が加速。すぐに名門JUNオートメカニックへと車両を持ち込み、ディアマンテのパワーアップを進めていったのだ。

 

 

とはいえ、ディアマンテ用のチューニングパーツなど皆無に等しく、さすがのJUNオートメカニックも初めは断ったという。しかし、他のショップでターボ化したものをセッティングするだけという約束でこのクルマを触ったところ、意外なほどチューニング適合度が高いことに気付き、そのままステップアップ。

 

ベースエンジンはV6で2972ccの6G72。これにGTOの91.6φ純正オーバーサイズピストンを組み込んで3005ccとし、カムも純正加工でハイリフトを製作した。ターボ化を前提にエンジンを強化したのである。

 

 

タービンはRHC6を組み込んだ300ps仕様からスタート。その後モアパワーを求めてK27、K27.2、K27MOJ、そしてついにレーシングタービン直系のK27−3476HHBに辿り着く。ブースト1.4キロで600ps仕様とのことだが、実用的なバランスを考えて常用はブースト圧1.2キロの500psに抑えて走っている。

 

 

インマニにずらりと並ぶ追加インジェクターがそのパワーを物語る。容量はメインは350cc×6、追加も350cc×6、さらに550ccが1本入る。コントロールはPFC F-CONでベースの燃調を制御し、レビックのプライマリーで追加6本を、セカンダリーで550ccインジェクターを制御。各バンクからEXマニを伸ばし、バランスパイプもあるためエンジンルームのスペースはいっぱいいっぱい。しかもこのEXマニ、かなりの頻度で割れてしまうという。

 

 

超ハイパワーユニットをギッチリ詰め込んだエンジンルームのため、ボンネットのダクトは必須パーツ。フロントバンパーから導入したエアを強制的に引き抜くのだ。

 

 

足回りもディアマンテ用のサスペンションパーツなど存在しないため、フロントのブレーキはGTO純正を流用。フロントのショックはケースを加工して賀集のシルビア用日光スペシャルを装備している。

 

 

リヤはTRDのサスペンションを加工装着。タイヤは前後に235サイズのポテンザRE711を組んでいる。

 

 

重厚なシートが高級車の面影を伝える。ミッションは3.0Lエンジン用にはオートマしか設定がなく、500psオーバーに耐えられるわけがない。そこで、2.5Lモデル用に設定されていた5速マニュアルを流用している。一時、軽量化のためにリヤシート等を外していた時期もあったが、首都高のバンピーな路面ではリヤが跳ねてしまうようになったため、元に戻したという経緯がある。

 

 

ここまでのエンジンパワーとなると強化部品がないだけに、全てが限界ギリギリのバランス。ドライブシャフトやLSD、クラッチなどの駆動系パーツに至っては、ほぼ消耗部品と化しているくらいだ。JUNオートメカニックでじっくりと熟成が進められているディアマンテ改。速さに貪欲なオーナーだけに、その限界はもっと引き上げられていくに違いない。

 

●取材協力:JUNオートメカニック 埼玉県入間市狭山ヶ原松原102-1  TEL:04-2934-5335 

 

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