「メカドルR珍道中」13年落ち走行14万キロのR35GT-Rをプロショップで点検!

350万円&走行14万キロでも機関良好だった事実!

 

初期型特有の駆動系不具合のみで、メカドルもコンディションの良さにご満悦

 
オプション誌3月号からスタートしたメカドルR珍道中。これまでメカドルRは、イベント会場までの移動がメインの街乗り仕様だったんだけど、今後はサーキット走行も検討しているということで、まずはプロショップで健康診断を受けることに。13年落ちで走行14万キロの初期型R35GT-Rの状態やいかに!?

 

●舞台はHKSテクニカルファクトリー

 

ディーラーのような店舗が特徴のHKSテクニカルファクトリー。HKSのアンテナショップとしてチューニング業界を支え続けている老舗だ。

 
車両チェックに協力してくれたのは、埼玉県は戸田市に店舗を構えるHKSテクニカルファクトリー。HKSのアンテナショップとして、チューニング業界では常に最先端を走り続けている老舗ショップだ。
 

富士スピードウェイでのラジアルタイヤ最速記録を持つカミカゼR。HKSテクニカルファクトリーが製作したスーパーチューンドだ。

 
HKSテクニカルファクトリーは、富士スピードウェイでのラジアル最速ラップ記録を持つカミカゼRを製作した実績を持ち、歴代GT-Rのチューニングにかけては無類の強さを誇ることでも有名だ。今回は、同社が第2世代GT-R(R32/R33/R34)向けに展開している“コンディション診断メニュー”をベースに、R35用へとアレンジ(R35GT-R用のコンディション診断メニューは行なっていない)してもらった。
 

●エンジンのコンプレッションチェックはラクラク合格!

 

 

さすがに走行14万キロだと「重大な問題が発生したらどうしよう…」と不安になるわけだが、診断の結果は全く問題なし。前オーナーの扱いが良かったのか、健康そのものだった。

 

結果に驚くメカドルだったが、HKSテクニカルファクトリーの菊池代表いわく「走行距離よりも、その距離のうちどれだけの時間を全開にしていたかの方が重要ですね。とはいっても、R35に搭載されているVR38はすごく丈夫なので、走行20万キロという車両も見たことありますが、大きな不具合はなかったですよ」とのこと。距離よりもどう使ってきたかが重要というわけだ。

 

プラグホールに測定器具を取り付け、各気等ごとの圧縮圧力を測定する。

 

サージタンクやコイル、プラグといったパーツを外してコンプレッションチェックも実行。全室11.0kPaで揃っていたので問題なしのお墨付きをいただいた。

 

プラグの状態は良好。エンジンはノーマルなのでこのまま使用して問題なさそうだ。

 

プラグは交換された形跡あり。そして外したプラグも電極部分はやや焼け気味だったものの、ガイシ部分は焼けが見られなかったため、まだしばらくは使えそうとのこと。

 

●駆動系はフライホイールハウジングにガタつきあり!

 

 

平成7年式の初期型R35GT-Rということで、真っ先にチェックされたのはフライホイールハウジングのベアリングだ。ここは日産が対策品を出しているくらい有名なトラブルポイントで、例外に漏れずメカドルRもガタつきが発生していた。

 

走行中に左の足元から振動や異音が発生する場合は危険信号。ハウジング内部ベアリングのガタが原因なのだが、これはインプットシャフトベアリングのアウターレースが回転してしまうことに起因する現象だ。

 

このガタはプロペラシャフトを上下にゆすることで状態が分かる。すぐに交換しなければいけないほどではなかったが、ガタが大きくなると最悪クランクシャフトを押してしまい、エンジンのメタルにダメージを与えることもあるそうだ。

 

2007〜2009年モデルの弱点とも言えるフライホイールハウジング。対策品はベアリング部にスナップリングが追加され、スラスト方向への動きを規制するよう改善されている。

 

フライホイールハウジングのベアリングは単品での部品購入ができないので、写真のパーツ一式でのアッセンブリー交換となる。これだけでも約12万円。工賃も高くなってしまう部分だ。

 

複雑な機構のGR6ミッションは何かとトラブルが多いポイントだ。

 

メカニズムの複雑さが災いしてか何かとトラブルが多いGR6ミッションもチェック。幸いメカドルRはシフトソレノイドに鉄粉が溜まっている程度で、HKSテクニカルファクトリー定番の“オイルパン&シフトソレノイドの洗浄、およびギヤセレクターの回転を防止するキャップの取り付け”を行えば問題ないそうだ。

 

一方、メカドルが気にしているギヤの繋がりの悪さに関しては、ミッションECUの調整でかなり改善されるようで、完璧なシームレスを求めるなら高年式ECUへの交換という手がベストとのこと。

 

●足回りはローター交換必須だが、他はそのままでもOK!

 

 

そして、サーキットを走る上で重要な足回りだ。ヘタっていてもおかしくない部分だが、前オーナーの保管状態が良かったのかブーツやブッシュ類の劣化はあったものの、目立った破損箇所はなかった。

 

足回りはブッシュ等に劣化は見られたが、大きな問題はなし。

 

サスペンションブッシュやブーツ類の状態は良好とのことで「すべての新品に交換すれば効果は体感できると思いますが、急ぎでやる必要もないと思いますよ」と菊池さん。

 

純正ローターはドリルドタイプでクラックが入りやすいため、劣化した場合は市販のスリットタイプに交換した方が無難だ。

 

足回りで問題視されたのはブレーキローターだった。厚さを測定するまでもなく、パッドが当たる面と1mmほどの段差ができてしまっていた。純正ではホール周辺にクラックが入ることがあるため、HKSテクニカルファクトリーでは、社外のスリットローターへの交換をオススメしているそうだ。

 

サーキット走行に向けてのアドバイスをくれる菊池代表。

 

最後に、メカドルRの今後の方向性について助言を求めると、「サーキットを走るならバケットシートとレーシングハーネスの装着は当然として、オイルクーラーへの導風とミッションオイルクーラーの導入も行いたいですね。GT-Rはミッションの油温がすぐに上がってしまいますから」と菊池代表。サーキットに行っても、クーリングラップばかりでは面白くない。今後メカドルRは、ヒート対策を中心にチューニングしていくことになるわけだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こうして終了したメカドルRの健康診断。初期型特有の不具合箇所はあったものの、重大なトラブルもなくコンディションは良好! 年式が古くてもR35GT-Rは頑丈ってことが判明したわけだ。なお、今回の点検の模様はOPTION本誌にも掲載されているので、興味のある方はチェックしていただきたい。

 

●取材協力:HKSテクニカルファクトリー 埼玉県戸田市美女木5-2-8 TEL:048-421-0508

 

【関連リンク】

HKSテクニカルファクトリー

https://www.hks-tf.co.jp