【編集長コラム】RX-8の5速ミッションがセブンを救う!?【RX-7 FD3S再生計画part.6】
公開日 : 2020/02/22 15:00 最終更新日 : 2020/02/22 15:00
この半年で自走不能1回、マイナートラブル数えきれず・・・
RX-8の5速ミッション移植で浮かれ気分
前回が2019年6月末だから、気がついたら半年ぶりとなってしまった不定期連載の編集長コラム。
相棒のFD3Sは、相変わらずトラブルが続出。この半年間で交換したのは、オルタネーター(リビルト:3万円)、エアコンコンプレッサー(リビルト:4万円)、クラッチのレリーズシリンダー、パワステポンプ(リビルト:1万5000円)&高圧側ホース類(新品:2万5000円)、イグニッションコイル×3(新品:7万円)&プラグコード(RE雨宮製:1万9800円)。軽く20万円である。
中でもタチが悪かったのがクラッチトラブル。クラッチホースの劣化によるオイル漏れに気づかず、ある日突然、信号待ちでクラッチペダルが戻ってこなくなった…。1速セルスタートで乗り切ろうとしたが、数回やったところでバッテリーもご臨終。愛機が鉄の塊になった瞬間である。牽引で事なきを得たが、この勢いだと1年後には補機類が全て新品になっているのではないかと恐ろしくなってしまうほどのトラブル発生率だ。
その他、怪しいポイントは山ほどあるが、走行に直接関わる部分ではミッションが深刻。というのも、2速と5速がとにかく入らない! オイル交換しても改善が見られず、嫌な予感しかしない…。そこで、程度の良い中古ミッションに積み換えてもらおうと、RE雨宮の雨さんにSOSを出したら「表にはあまり出してないけど、RX-8の5速を使ったミッションチューンをやってんだよ。試してみる? ちょっと高いけど」とのお言葉が。
RX-8のミッション移植は6速なら聞いたことがあるけれど、5速は初耳。「5速から5速ってあんまりメリットないような…」と、少しモヤモヤしつつそのまま入庫。
待つこと数日。RX-8の5速ミッションを加工流用したFD3Sが完成した。
はやる気持ちを抑えながら運転席に滑り込む。そしてエンジンをかけてシフトを1速に入れた瞬間、このミッションチューンの凄さが理解できた。信じられないくらいスムーズで、大げさではなく吸い込まれるようにギヤが入っていく。“ゴクン!”が“スコッ”になったイメージ。
ちなみに、RX-8の5速ミッションをケースごとRX-7に移植することはできない。ベルハウジングやリヤケースが異なる上に、車速を拾うドリブンギヤも無いからだ。つまりこの移植は、FD3Sのミッションを分解して内部にRX-8のギヤを組み込む(ギヤは共通だから強度が落ちることもない)という純正流用チューンなのだ。
「セブンのシンクロは2〜3速こそダブルコーンだけど、エイトは1〜3速がトリプルコーン。その差は大きいよ」と雨さん。なお、このメニューの予算はミッションオーバーホール&載せ換え工賃込みで19万5000円だが、FD3Sの新品ミッションが25万7070円(2020年2月現在)することを考えると、費用対効果は非常に高いと思う。
こうして完全復活したFD3S。ルンルン気分で帰路につこうとしていたボクに、かのリビングレジェンドはニヤニヤしながらこう呟いた。「ミッションの調子を見るのに若い衆に乗せたんだけどさ、セブンの魅力が全くないって言ってたよ。ピロはガタガタでサスもひどい。セブンじゃない何かだね、このクルマ!」。
“FD3Sじゃない何か”。哲学的な言葉にも聞こえるが、きっと最悪の個体ってことなのだろう。しかし、もう後戻りはできない。ここまできたら、ロータリーの神様に認めてもらえるようなFD3Sになるまで、サイフと相談しながらコツコツ育てて行こうと決意した次第です…。
●取材協力:RE雨宮 千葉県富里市七栄439-10 TEL:0476-90-0007
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