「86&BRZの弱点を知り尽くした名医の処方箋」ユーザー目線の低価格&高品質パーツには注目だ!

公開日 : 2019/12/30 06:30 最終更新日 : 2020/01/06 16:07

エンジン&駆動系のトラブルを未然に防ぐノウハウを蓄積!

 

純正パーツ流用でリーズナブルなチューンとリフレッシュを実現

 

走行10万kmを超える車両も増えてきた86&BRZユーザー、特にハードなスポーツ走行も楽しむサーキット派は、そろそろエンジンや駆動系のオーバーホールを考える時期のはずだ。

 
86&BRZは発売当初からメーカー側が「どんどんチューニングして走りを楽しんでください!」と言うほどの力の入れようだったが、過給機チューンなどハードなカスタマイズはさすがに想定外だったのだろう。

 

ハイグリップタイヤでサーキットを走ると、高速コーナーで突然重ステ症状を発するパワステのように、想定外の状況に悲鳴をあげる純正部品は少なくない。これは対策された後期用パワステコンピューターのデータでコーディングし直すと解消するが、知らないままだと致命的なトラブルとなり得る。このようなノウハウがスポーツ走行を行なう86&BRZには必要なのだ。
 

 

最近エンジンをオーバーホールしたクルマドーBRZのケースで言うと、9万km近い状態で購入した中古車両をベースにトラストのターボキットを組み、サーキットを中心に約1万kmを走行。エンジン出力は補正なしのダイナパック計測で305馬力。途中、バルブスプリングのリコールが出たが「交換作業はエンジンを降ろさないとできないから」ということで、オーバーホールのタイミングと合わせて効率良く作業している。

 

 

その際に純正ピストンも交換しているが、同時にWRX・S4搭載のFA20Tエンジンのコンロッドを流用。見た目にはNA用とほぼ同じで微妙に肉厚が変わってる程度なのだが「1本7000円の強化部品と考えるとやっといて損はない」と言う、保険的な意味でもコスパの良いオススメチューンだ。

 

 

ちなみに、10万km(ターボ化してからは1万km)走行時にオーバーホールした純正ピストンは、ほぼ理想的な状態を維持していた。その要因は「モチュールのオイルが高性能だから」と山田代表は分析する。ピストンとシリンダーのクリアランスが広めに設計されているエンジンゆえに、オイルの性能が耐久性を大きく左右するということから、厳選したのがこの銘柄だという。

 

 

さらにマニュアル派は注意したいのが、激しいシフトワークによるミッションへのダメージだ。ターボチューンした車両においてもシンクロやギアそのものの耐久性に問題はないが、ベアリングは消耗部品。ブローしたユーザー車から降ろしたミッションは、ベアリングの外輪が粉砕してケース内にローラーが散乱していたという。ヘタってクリアランスが大きくなり、アイドリング時にカタカタと異音がするようになったら交換時期の目安となる。この症状を放置しておくとベアリングのカラーが割れて、ミッションブローの原因になってしまう事も。

 

 

ところが、このベアリングはミッションの釜に圧入された状態でしか購入できない。ブローしてしまうと30万円はするミッション交換と比べたら安上がりでも、ベアリング交換のためだけに5万円の部品代は少々高過ぎる。

 

しかし山田代表は考えた。「このベアリングってアノ車種と同じだ!」と。その車種ならベアリングだけの注文が可能なので部品代は圧倒的に格安。早い段階でのリフレッシュが後々の出費を抑えるのは分かっていても、なかなか踏ん切りがつかないユーザーにとって、この発見はかなりのメリットだろう。

 

 

小型デフケースによるデフオイル量の少なさも86/BRZの弱点。タイムアップを狙ってLSDを効かせたハードな走行をするには、発熱量を抑えるためにトラストの大容量デフカバーが欠かせない。

 

 

最近のヒット作は“超微細研磨処理”を施したピニオンギアとリングギアで、ギアの歯当たりを改善してデフの負担を減らしてブローするリスクを低減。クルマドーではデフケースの郵送で、ギアの取り付けとバックラッシュ調整するサービスを行なっている(価格は要問い合わせ)。

 

 
ターボチューンによるパワーアップが負担をかける駆動系はデフだけではない。NAゆえにやや細めのドライブシャフトには、シャフト径を太くベアリングも大径化したクルマドーオリジナルの強化ドラシャ(4万9800円)で対策。これはタイムアタックのみならず、ドリフトユーザーにもオススメだ。
 
もちろん、これらは一部のサーキットユーザーだけのトラブルかもしれないが、あらゆる経験を重ねたデモカーだからこそ知りうる情報でもある。市販パーツのボルトオン仕様でナンバー付きのクルマドーBRZは、ユーザーに近い目線でトラブルシューティングを続けていく。
 

●取材協力:クルマドーカスタムファクトリー 岩手県奥州市水沢区佐倉河字前田13 TEL:0197-25-7895

 

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