「ボンネビルに魅了されて」フルチューンFC3Sで世界最速に挑んだ男の物語/エピローグ【DANDY×FC3S 最速王座・奪取計画 at 2009】 | web option(ウェブ オプション)

「ボンネビルに魅了されて」フルチューンFC3Sで世界最速に挑んだ男の物語/エピローグ【DANDY×FC3S 最速王座・奪取計画 at 2009】

その時、ドライバーは、チューナーは何を思ったのか?

 

最高速の魅力を2人の男が語る

 

●OWNER&DRIVER

常世田 徹【Toru Tokoyada】

 

ひとこと、楽しかった!! もうそれしかないですね。記録がどうのこうのという話の前に、まずマシンを手直ししている時、まったく知らないひとたちが力を貸してくれたことが素直に嬉しかった。中でもロールケージの補強を手伝ってくれたひとは、溶接を専門分野とする大学教授だったりして、勉強にもなりました。

 

それと、初めインスペクターにあれこれ言われたのは、「日本から来たオレらに対する嫌がらせ?」と思ってましたけど、アタックを重ねるうちに彼らの言っていることにも納得できるようになりました。「レース中、万がいちのことが起こっても、ドライバーが死なないようにレギュレーションがもうけられているんだな」と。口うるさく言われたのも、何より安全性を考えてのことだったんですね。

 

走りの方は、初め不安定なリヤの挙動にとまどいましたけど、アタックを繰り返すうちに対処できるようになったと思います。

 

ただ、最後のアタックでいきなりフロントが持っていかれたのは想定外というか、対処する余裕がまったくありませんでしたね。「なにかあったらパラシュートを」と思ってましたけど、ノブに手をかけるヒマさえなかったですから。一瞬のできごとで、「あ~ぁ、回っちゃった…」という感じ。

 

それでも、ボンネビルの醍醐味は十分に味わえました。200MPHで走っている時の昂揚した気分も、目の前に広がる雄大な景色も最高で、絶対に忘れられないですね。

 

最後にひとつ、いいですか? ダンディ(田中サンのことをそう呼ぶ)の作ったエンジンはホントに速かった!!

 

●TUNER

田中克典【Katsunori Tanaka】

 

2004年にZ33を走らせた時もそうだったけど、やっぱりマシンに対して何か言われるねぇ。しかも、今回は10数ヵ所も指摘されて、手直しに丸2日間でしょ? 作業内容的には過去にないくらいヘビーだったけど、「なにがなんでもスタートラインに並べてやる!」、そんな思いだったよ。

 

チューナーの立場からすると…まぁトラブルとか失敗談とかいろいろあるよね。たとえば、オイルクーラーのパンクは予想しなかったし、ウエイト積んだ時は、ボディが沈みこんだ分、車高を上げておけばプロペラシャフトとの干渉もなかったはずだし。

 

水温もそう。「FD3Sのウォーターポンプは8000rpmオーバーでキャビテーションを起こす」ってロータリー系ショップから聞いていたのに、いまいち信用してなかったりして。ちゃんと大径プーリーを組んで回転数を落としておけば、水温の心配をする必要もなかったよね。

 

その一方で、お客さんに頼まれてマシンをつくるから毎回車種が違うけど、これまでボンネビルで一度もエンジンブローしたことがないのよ。今回はFC3Sを走らせて、ロータリーは決して耐久性の低いエンジンじゃないってことも確信したし。

 

ココロの中には、まだ「レーシングビートの記録を抜きたい!!」という気持ちがあるんだ。冷静に考えて、このFC3Sでイケるのは間違いないとも思ってる。そこで知りたいのは「アクセルをキッチリ踏み切ってたらどうなってたか?」ってことだね。

 

今回はドライバーがよくガンバってくれた。記録はともかく、気持ち的にはすごく満足しているよ。

 

【関連リンク】
●「ボンネビルスピードウィークのすべて」フルチューンFC3Sで世界最速に挑んだ男の物語/予告編
https://option.tokyo/2019/09/14/36400/

 

●「レーシングビートRX-7を超えろ!」フルチューンFC3Sで世界最速に挑んだ男の物語/前編

https://option.tokyo/2019/09/15/36474/

 

●「200マイルオーバーの戦い」フルチューンFC3Sで世界最速に挑んだ男の物語/後編

https://option.tokyo/2019/09/16/36539/

 

●「ボンネビルに魅了されて」フルチューンFC3Sで世界最速に挑んだ男の物語/エピローグ
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