「初代ギャランVR-4のスパルタンモデル“VR-4RS”」装備の簡略化で40kgのウエイトダウンを達成!【ManiaxCars】 | web option(ウェブ オプション)

「初代ギャランVR-4のスパルタンモデル“VR-4RS”」装備の簡略化で40kgのウエイトダウンを達成!【ManiaxCars】

競技ユーザー向けに100台限定で販売されたVR-4Rの軽量バージョン

 

運転の楽しさを倍増させる、走りに特化したモディファイを実施

 

1987年にデビューしたギャランVR-4は当初から、三菱がグループA(ベースは年間2500台以上が生産される市販車)に移行したWRCへの参戦を目的に開発された。4バルブDOHC化を図った上にターボを組み合わせた4G63を初めて搭載したモデルで、ビスカス式センターデフを持つフルタイム4WDで駆動。さらに4WSやABSなど、当時の最新デバイスも満載していた。

 

同時に、競技ユーザー向けのVR-4Rが100台限定で登場。ここで紹介するVR-4RSは、一説にそのVR-4Rをベースに生み出されたと言われている。発売は1988年だ。

 

 

VR-4との大きな違いは、各装備を省略して軽量化を実現していること。パワーウインドウや集中ドアロック、アンダーコート、ABSといったアイテムを取り外し、エアコンもオプション設定。車重は、4WSなしの前期型でVR-4の1340kgに対してVR-4RSが1300kg、今回取材した4WS付きの後期型では1410kgに対して1370kgと、それぞれ40kg軽く仕上がる。ちなみに、車両型式は4WSなしがE38A、4WS付きがE39Aとなる。

 

 

4バルブDOHC化が図られた4G63ターボを初めて搭載したギャランVR-4。1987年のデビュー当時、2.0Lターボとして国内屈指を誇った205ps/30.0kgmというスペックは、まず1989年のマイナーチェンジで220ps/30.0kgmにアップ。翌1990年のマイナーチェンジでは、タービンの仕様変更に始まり、インタークーラーの大型化やインテーク&マフラーメインパイプ径のアップ、エンジン本体ではバルブ径拡大といった大幅な見直しによって240ps/31.0kgmまで向上した。取材車両はエアクリーナーとカムシャフトが交換され、トラストeマネージで制御する。

 

 

サイドバーをまたいでクルマに乗り込む。着座位置が低く、身体をがっちりサポートしてくれるフルバケと、ディープコーンタイプのOMP製ステアリングが織り成すドライビングポジションはやたらと戦闘的で、思わずニヤリ…。いやでも走る気にさせてくれる雰囲気が、VR-4RSのイメージにピタリと重なる。

 

 

メータークラスターに収まるのはウルトラ製タコメーターとデジタルスピードメーター、HKS製ブースト計の3つ。ウインカー指示方向や各種ワーニングランプも機能するように手直しされている。

 

 

また、センタークラスターには上段にアナログ式の油温/油圧/排気温計が、下段にデジタル式の水温/A/F/電圧計が並べられる。その上に確認できるトラストプロフェックBでブースト圧をコントロール。

 

エンジンはカム交換されているが、低中速トルクが犠牲になっている印象はまるでない。3000rpmあたりからアクセルペダルを踏み込んだ時の、力強く前に出て行く感覚は4G63以外の何物でもなく、4000rpmを超えてから鋭さを増す吹け上がりとパワーの盛り上がり方は、作用角が拡大されたカムの恩恵に尽きる。少なくとも、初期の4G63で言われた高回転域の重さは払拭されている。

 

それ以上に感心したのがハンドリング。JIC製車高調でロール剛性を高め、ノーマル比2インチアップとなるホイール&タイヤの装着により絶対的なグリップ性能の向上も図られている。

 

 

さらに、アンダーステアを誘発する4WSも完全にキャンセル。オーナーの大島さんいわく「4WSが装着されていない車両でも、実はステアリング操作に対して後輪がフラフラと動きます。それが強いアンダーステアの原因になっているんですよ」とのこと。

 

ネガをひとつずつ潰していくことで、ドライバーの意思通り、機敏に鼻先が向きを変えてくれるコーナリングマシンが完成。もうひとつ付け加えておくと、CT/CZ系ランサーエボリューションより小回りが利き、全幅も狭いため、取り回しもはるかに楽だったりする。

 

フルオリジナルで乗り続けるのもクルマの楽しみ方のひとつだが、ノーマルでは不満に感じる箇所を手直しして、オーナーの好みに仕上げるのも、もちろんあり。それも、VR-4RSのように走りの性能を突き詰めたクルマであれば、なおさらだ。

 

■SPECIFICATIONS

車両型式:E39A

全長×全幅×全高:4560×1695×1440mm

ホイールベース:2600mm

トレッド(F/R):1460/1450mm

車両重量:1370kg

エンジン型式:4G63

エンジン形式:直4DOHC+ターボ

ボア×ストローク:φ85.0×88.0mm

排気量:1997cc

圧縮比:7.8:1

最高出力:240ps/6000rpm

最大トルク:31.0kgm/3500rpm

トランスミッション:5速MT

サスペンション形式:Fストラット/Rダブルウィッシュボーン

ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク/Rディスク

タイヤサイズ:FR195/60R15

 

PHOTO:岩島浩樹(Hiroki IWASHIMA)/TEXT:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

 

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