「車重1140kgを実現した超軽量JZX100マークII!」高橋和己は1年かけて仕上げたマシンでD1グランプリ初優勝を狙う! | web option(ウェブ オプション)

「車重1140kgを実現した超軽量JZX100マークII!」高橋和己は1年かけて仕上げたマシンでD1グランプリ初優勝を狙う!

3.6Lの2JZエンジンにEFR9174タービンを組み合わせて850psを発揮!

 

乗りやすさを重視したセットアップで成績向上!

 

ドリフト走行時のカッコよさや美しさが争われるD1グランプリシリーズで徐々に頭角を現し、今シーズンは開幕戦から4戦連続でポイントを獲得。第4戦終了時のドライバーズランキングで8位につけている若手有望株が高橋和己選手だ。

 

彼の愛機となるJZX100マークIIは、2018年の開幕戦から投入され、2017年まで使っていたマシンよりも大幅な軽量化が実施された。徹底的な肉抜きや軽いパーツが組み合わされて完成したマシンは、純正比で約300kg、2017年マシンより100kgも軽い1140kgを実現しているのだ!

 

2018年シーズンは「前のと同じJZX100マークIIとは思えないほど動きが違う」と、その特性の違いに苦しんだものの、1発の快走を目指した仕様から乗りやすさを重視した仕様へとセットアップを煮詰めてきたことで成績も向上してきた。

 

2019年シーズンからは車両重量によってタイヤ幅に制限が設けられるルールが導入されたものの「車重を増して幅の広いタイヤを履くよりも、軽いままで多少幅の狭いタイヤを履いたほうがいい」と、車重をキープしたままタイヤ幅制限を受けることを選択した。

 

そしてこのチョイスが功を奏したのか、2019年は開幕戦から好調をキープ。毎戦ポイントを獲得し、第4戦では4位と、表彰台まであと一歩という成績を残している。

 

 

 

現在は28歳になる高橋和己(タカハシ カズミ)選手は、2016年にD1グランプリシリーズに初参戦。D1ライツシリーズの前身であるD1ストリートリーガルシリーズでテクニックを磨いたからか、初参戦ながらポイントを獲得する活躍を決め、以降はシーズンを終えるごとに成績を向上させている。

 

 

2018年の開幕戦舞洲からデビューしたJZX100マークII。投入当初は「車重がかるくてぜんぜん動きがちがうし、20インチとか試してたんですけど、それがぜんぜんハマらなくて…」とセットアップを煮詰めるのに時間かかってしまったが、乗りやすさを重視する方向にした結果、成績も向上していった。

 

フロント、サイド、リヤ、ボンネットはオリジンラボのレーシングラインで、前後のフェンダーはTMSのオリジナルを装着。ドライカーボン化はルーフのみとなっているものの、ドアやトランクはFRP製に交換されたうえで徹底的な肉抜きが施されている。

 

 

エンジンは東名パワードの3.6Lキットで排気量アップされた2JZ-GTE。これにボルグワーナーのEFR9174タービンを装着。LINKフルコンで制御されており、ブーストは1.6〜1.8キロを使い、推定850psを発揮している。ハイブースト&ハイパワーという方向性ではなく、下からトルクが発揮されるようなセッティングになっており、ミスでギヤが落とせなかった場合でもそのまま走りきれるような仕上がり。組み合わされるクラッチはORCの1000Fで、ミッションはホリンジャーのRD6シーケンシャルだ。

 

 

ラジエター以外の、インタークーラー、オイルクーラー、パワステクーラーは、コアサポートの内側となるようにまとめられ、飛び石等でコアが傷つかないように対策が施されている。

 

 

「レスポンスを重視したかった」ということで、配管類は極力短くなるようにレイアウトされ、サージタンクもワンオフされた。スロットルはレクサスのRC FやLCの純正品が流用されている。

 

 

「ドライサンプは構造がややこしいのと、間違えるとすぐ壊れるし、逆に重たくなったりする」と、ウェットサンプを維持。しかし、エンジンは可能な限り下方になるようにマウントしてあり、純正比で2〜30mmほど下げられているという。

 

 

メンバーは純正をベースに、ファイナルギヤの変更が容易なSIKKYのクイックチェンジデフを装着するために大加工。「クイックチェンジデフのストックのデフロックでもいいけど、ウェットのときは機械式がいい」ということで、OS技研の機械式LSDが組み込まれている。

 

 

今シーズンからフォーミュラドリフトジャパンで活躍する山下広一選手にスポッターをしてもらうことになり、アドバイスが受けやすいってことと、バンプ&リバンプともに調整できるという理由からJICの別タンク式車高調に変更。バネレートはフロントが26kg/mmで、リヤは5kg/mmの設定だ。

 

ナックルはTMSのオリジナルで、タイロッドエンドはハリヤー純正を流用。ロアアームは純正をベースに延長加工してあり、テンションロッドも加工したうえで補強が入れられている。

 

 

あまりにも薄いローターのせいなのか「ブレーキ入れるとペダルがブルブルする」というものの、ブレーキキャリパー&ブレーキローターは軽さを重視してウィルウッド製をチョイス。JZX100用はラインナップにないため、ベルハウジングとキャリパーブラケットをワンオフして装着している。リヤ側はツインキャリパーになっており、前側につく2ポットのキャリパーがフットブレーキ用で、後ろ側の4ポットのキャリパーがサイドブレーキ用となっている。

 

 

 

映り込みを排除するためブラックで統一された車内。コンピューターはリンクだが、見やすさを重視してディスプレイはモーテックをチョイス。運転席のシートはブリッドのプロフェイスで、助手席側はジータIII。ハンドルの横に出ているのはブレーキバランスの調整ダイヤルだ。

 

 

「重量物はなるべく中央に」と、2017年仕様のマシンよりもさらに中央化が進められており、リヤシート部分に燃料タンクを、リヤサスタワーの間にラジエターを配置。また、助手席の後部のフロアに消化器、さらに後ろにウォータースプレー用のタンクが設置されている。

 

 

軽くするために配線類も余分なものはすべてポイ! リレーボックスすら撤去しており、代わりにブレーカースイッチを設置している。ちなみに緑色のものがドイツのメーカーE-T-A社製のブレーカースイッチで、ちょっと前のレース等ではよく使われていた実績があるそうだ。

 

 

「風圧でめくれるのもイヤだし、アルミ板のリベット固定じゃダサい!」と、ポリカーボネイトウインドウの固定には、シフトノブを作ったときの端材のジュラコンを削り出して固定パーツをワンオフしていた。

 

 

 

昨シーズンはトーヨータイヤのプロクセスR888RDを前後に履いていたが、価格やサイズを考慮して、今シーズンはドライ路面であればリヤにレイダンタイヤを履くようになった。フロントはトーヨータイヤのプロクセスR888RD(255/35-18)で、リヤはレイダンのレヴィマックスR33(265/35-18)だ。

 

 

2017年のマシンだけでなく、このマシンもイチから製作に携わり、チームではチーフメカニックとして高橋選手をサポートしている濱詰メカ。「ドリ車は走りもクルマも魅せられるようにしないと!」とそのこだわりはハンパなく「リーガルのときからクルマを見てもらってるんですけど、キレイに作ってあるクルマはやっぱりテンション上がりますよね!」と高橋選手も全幅の信頼を置いている。

 

 

先日開催されたHOKKAIDO DRIFTでは、両日ともに追走進出したものの、初日の第3戦では中村直樹選手に、2日目の第4戦では藤野秀之選手に敗退した高橋選手。「どっちも先行時のミスで負けてるので、そのあたりの甘さをキッチリ詰めることと、相手が相手だったにしても、タイヤを温存するような組み立てを余裕を持ってできるようになれば、自然と初優勝が見えてくるのかな〜と思ってます」と振り返る。

 

次は8月24日(土)・25日(日)に、福島県の二本松市にあるエビスサーキットにて開催されるEBISU DRIFT。「初優勝も狙ってはいるんですけど、個人的には師弟関係でもある北岡さんと対戦して勝ちたいと思ってますね」と意気込む。EBISU DRIFTで行われる第5戦&第6戦で、北岡選手との対決は見られるのか、そして初優勝を達成できるのか、これからのD1グランプリシリーズを担う若手選手の活躍に注目したいところだ。

 

TEXT&PHOTO:Daisuke YAMAMOTO

 

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