「エコカー VS GT-R!?」R35をベンチマークに“ミライ/リーフ/プリウスPHV”の実力を数値化してみた! | web option(ウェブ オプション)

「エコカー VS GT-R!?」R35をベンチマークに“ミライ/リーフ/プリウスPHV”の実力を数値化してみた!

2019/07/18 06:30

GT-Rをベンチマークにエコカー3台の動力性能を検証

 

ワインディングとゼロヨンのタイムを計測!

 

走行性能に特化したGT-Rと、環境性能に特化したエコカー。相反する性能を最新技術で究極まで突き詰めたモデルが共存する今だからこそ、それぞれのパフォーマンスを比較してみたくなるというもの。GT-Rをベンチマークに、最先端エコカー3台のポテンシャルをガチンコ比較してみた。(OPTION 2017年9月より)

 

 

テストは日本自動車研究所・城里テストセンターを使用し、ゼロスタートから400メートルまでの到達時間(ゼロヨン)と、外周路を使ったタイムアタックの2項目。ドライバーはレーシングドライバーの飯田アキラ選手を起用。なお、ベンチマークに用意したR35GT-Rは2017年モデルのトラックエディション。最高出力は600ps、日産ワークスのニスモが手がけたスーパーGT直系の走りを体感できるプレミアムモデルだ。

 

●トヨタ MIRAI (JPD10)

 

 

燃料電池の未来カー

 

最高出力:154ps/最大トルク:34.2kgm/車両重量:1850kg/航続距離(JC08):約650km

 

まず、トヨタのMIRAI。水素と酸素の化学反応によって生み出される電気を使って、駆動用モーターを動かすシステムを搭載。トヨタの革新技術で開発された量産型燃料電池(トヨタFCスタック)は、ガソリン並みの扱いやすさとガソリンとは比較にならない環境性能を実現している。航続距離も満充填で650kmとスペック的には実用性が認められるが、水素ステーションの設置(インフラ整備)が進んでいないため、現段階での普及は難しいかもしれない。

 

 

アタックした飯田選手は「ガソリン車とも電気自動車とも違う燃料電池車ですが、これは意外と速い感じがしますね。加速性も予想以上。エコモードでもパフォーマンスの片鱗は十分体感できますが、パワーモードにすれば加速性は体感でもしっかりと差が出ています。しかし、やっぱり重量感があるのと、重心が高いためハンドリングは今ひとつ。乗っている感覚がハイエースに近いかも…」とインプレッション。

 

計測結果

ワインディング:40秒000

0-400m加速: 17秒297

 

 

●日産 LEAF(AZE0)

 

 

ゼロエミッションの電気自動車

 

最高出力:109ps/最大トルク:25.9kgm/車両重量:1460kg/航続距離(JC08):280km

 

続いては、日産のリーフ(2016年モデル)。ハイブリッド全盛の市場にエコカーの新たな選択肢として、日産が2010年に投入したゼロエミッションモデルだ。ガソリンを使用しないEVの駆動力は、フロントに配置されたモーターのみ。排気ガスを一切排出しない環境性能をアピールし、新時代の乗り物として注目を集めた。2016年のマイチェンで航続距離が従来の200kmから280kmへと向上、2017年10月のモデルチェンジで400kmまで伸び、そして2019年1月に登場した大容量バッテリー仕様で570kmに到達。まだまだエコカーの主役はハイブリッドだが、インフラ整備が進めばハイブリッドの牙城を切り崩す日が来るかも!

 

 

飯田選手は「トルクが内燃機の比ではない電気自動車だから、加速ではかなり強力に引っ張って行ってくれる感覚。でも、重量感がハンパないから高速コーナーでいきなり全開にすると、挙動が乱れそうで正直コワいくらい。ハンドリングや運動性能云々のクルマじゃないから、ココを求める我々がおかしいのかもしれないけど。ならばと、快適性を考えるとポテンシャルは高い。特にエンジン音も排気音もないから、乗っていて物足りないくらい静かですし」とインプレッション。

 

計測結果

ワインディング:41秒363

0-400m加速: 17秒924

 

 

●トヨタ PRIUS PHV(ZVW52)

 

 

盤石のプラグインハイブリッド

 

最高出力:98ps/最大トルク:14.5kgm/車両重量:1550kg/燃料消費量(JC08モード):37.2km/L(ハイブリッド時)、68.2km(EV時)

 

そして、今やエコカーの代名詞とも呼べるプリウスを、充電式のプラグインハイブリッドとして進化させたPHVモデル。駆動方式は発電も行うガソリンエンジンとモーターの2刀流。モーターでの駆動を主体としたエコモードのほか、ガソリンエンジンとモーターを併用するパワーモードも搭載。また加速時はモーターとともにジェネレーターが発生するトルクも駆動力にプラスするため、モーター2個分の加速性能を味わうことができる。EVとしての航続距離は従来モデルの2倍に向上され、満充電で68.2kmを記録する。

 

 

飯田選手は「加速感はあまりないけど、メーターを見ると意外と速い。やはり重さが気になるけど、ハンドリングはシッカリしている。一番ネックだと思ったのは、エコモードとパワーモードの境目がよく分からなかったこと。途中から充電量が足りなくなったのか、ガソリンエンジンへの依存度が高かったことも原因かもしれない。ココ一発で加速できないのは寂しい。でも、プラグインの実用的メリットは大きい。電源ステーションがなくても、ガソリンを給油すれば走れますからね。売れる理由が分かります」と評価。

 

計測結果

ワインディング:41秒006

0-400m加速: 17秒858

 

 

●飯田アキラの総評

 

 

エコカー同士で比べると、数字上ではMIRAIが速いですね。でも、体感はどれも似たような雰囲気。重いけどトルクが分厚い。何より、普段エコカーを乗り比べることなんてあまりしないから、本当に良い経験になりました。もちろんガソリンエンジンのクルマと燃料電池車は全く別物だけど、使い勝手だったり快適性だったりを考えると、エコカーも悪くないですね。MIRAIなんてすごく先進的だし、プリウスは経済性とのバランスが良い。セカンドカーとして僕も欲しいくらい。

 

 

そして、こういうクルマ達があるからこそ、GT-Rのような動力性能に特化したスポーツカーが輝いて見えるんだとも思う。どちらも自動車工学の最先端、いつかは両方が組み合わさったエコスポーツが日本に誕生するかもしれませんね。