【編集長コラム】現役FD3Sオーナーがガチンコでショップデモカーに試乗してみた!

公開日 : 2019/06/27 14:30 最終更新日 : 2019/06/27 14:30

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パンスピードの最新デモカー(FD3S)に乗ってみた!

 

自分のセブンがいかにダメかに気付いた日

 

前回が2018年11月末だから、気がついたら半年ぶりとなってしまった不定期連載の編集長コラム。

 

「PPFのクラック問題」や「ヒーター効かない問題」はとりあえずスルーしてRX-7ライフを満喫中なのだが、とあるイベントでロータリーチューンの老舗であるパンスピードの佐藤メカから「ウチの試乗車に乗ってみない? 本当に良いデキになってるから」とありがたいお話を頂いた。

 

 

そんなわけで、早速、埼玉県蓮田市のパンスピードまで出向いて「突撃!隣のセブン」を敢行してまいりました!

 

 

パンスピードが保有するデモカーのなかで、この白いワイドボディ仕様のFD3Sは試乗車という位置付けだ。試乗車と言ってもフルタービン仕様のスペシャルなどではなく、レーシングドライバーにして足回りのスペシャリストである“木下みつひろ”氏を開発ドライバーとして招き、「速くて疲れないクルマ」をテーマに製作した最新のブーストアップ仕様となる。

 

 

エンジンは、自社開発の3ピースアペックスシールを使ってオーバーホールを行った13B-REWを搭載。タービンは純正ベースの常時ツイン仕様だ。パンスピードでは、かねてよりタービンの負担軽減やシーケンシャル制御の切り替わりで起こるトルク変動などを嫌い、常時ツインターボ化を推奨していた。

 

 

それに加えて、Vマウントや吸排気の最適化、F-CON Vプロによる綿密なエンジンマネージメントを行うことで、330ps〜340psのファインスペックを完成させている。

 

最高出力こそ大した数値ではないが、中間域の力強さは純正シーケンシャルツインターボでは不可能なほど強烈。自分のセブンは、TD06-25Gシングルターボ仕様で400psのパワーを発揮しているが「あれ?純正タービンってこんなに速かったっけ…」と驚いてしまったほど。

 

 

ゼロスタート時の推進力はシーケンシャルの方が上だとは思う。そして、高回転領域ではフルタービン仕様の方が遥かに刺激的だ。でも、ストリートで頻繁に使う2速〜3速あたりは常時ツインも十分に力強いし、シーケンシャル特有の谷間がないから乗りやすいのなんの。これはこれでアリだ。

 

 

そしてサスペンション。これまで、オーリンズやザックスなど世界のハイエンド車高調を試してきたパンスピードだったが「一般ユーザーがストリートで本当に良いと感じる足」を求めて、木下氏監修のもと、完全オリジナルの車高調を新開発。

 

 

バネがベステックスでレートが前後標準16キロ(フロントは試験的にスウィフトを採用していた)と聞いて、当初は「あ〜これは絶対に跳ねる足だ」などと負の感情を抱いていたが、乗ってみたら前後12キロの国産メーカー車高調を組んでいる自分のFD3Sより明らかに乗り心地が良いではないか…。路面の凹凸で跳ねることなく、しなやかに吸収するこのセットアップには恐ろしさを覚えるレベル。だからといってハンドルの応答性にダルさはなく、超リニア。なぜだ…。

 

 

この車高調には室内から減衰力を変更できるシステムが装着されていたので、最弱から最強まで色々と試してみたが、どの領域でもピョンピョン跳ねるような危なっかしさが顔を出すことはなかった。

 

なお、最近のFD3Sは18インチが主流(自分もそう)だが、パンスピードの試乗車は前後にディレッツァの17インチ(255/40の通し)を履いていたのもポイントだ。タイヤのエアボリュームの差はやはり乗り心地に直結するわけで、快適性等を求めるならばFD3Sには17インチがベターであることを改めて実感。

 

 

この乗り心地とハンドリングの良さについて質問してみると「ダンパーって色々な要素で変わるんだよ。例えばダンパーオイルって種類やグレードがたくさんあるんだけど、ウチは本当に良いもの(高い)を使っているし、バルブ形状も木下さんと相談しながら拘ったしね」とのこと。

 

 

続けて「ハンドリングに関しては、ダンパーのセットアップはもちろんウチでメニュー化している強化ウレタンブッシュ化が大きく影響しているかな。フロントとリヤアームの全ブッシュを交換しつつ、アーム自体はブラスト処理して亀裂等もチェックするというメニューね」と佐藤氏。

 

 

このウレタンブッシュはピロのようにボディに振動が伝わりにくいので快適性も高く、ゴムブッシュよりもヨレが少ないのであらゆるシチュエーションでしっかりとした接地感が生まれるという。しかし、まさかこれほどまでとは。というよりも、自分のFD3Sのブッシュ(純正)がヘタっていることを確信した瞬間でもある。

 

 

衝撃はまだ続く。スポーツ走行にかかせないLSDにはATSのカーボン(2way)が導入されていたが、停止状態からハンドルを切ってアクセルを開けるシーンでもいっさい“引きずり”がないではないか! 思わず、純正トルセンと勘違いしてしまいそうなほど自然な挙動なのだが、速度を上げてコーナリングしてみるとシッカリ効いている…。

 

この特性、カム角を浅くしてイニシャルトルクを高めに設定するというパンスピード&木下みつひろ氏が編み出したセットアップによる効果に他ならない。当然ながらカム角とイニシャルトルクのバランスは非常にシビアで、答えは“あってないようなもの”なのだが、この特性を一度でも体感すると「これが正解」と素直に感じてしまうから不思議。

 

 

ブレーキも木下プロデュースの新作パッドが与えれていたが、初期からガツンと効くタイプではなく、踏力でコントロールできる絶妙なフィールを実現。リヤを若干強めに設定しているのが特徴で、フルブレーキング時に過度なノーズダイブを発生させないようセッティング。FD3Sというスポーツカーで、どうすれば安全に速く走れるかを考え抜いた木下流の味付けというわけだ。

 

 

「このデモカーは、ピンポイントのチューニング&リフレッシュでここまで良くなるってことを伝えるための存在なんだよね。装着されているパーツは全て販売しているし。サーキットも速く走れて街中では超快適。ウチが長い時間をかけて辿り着いたスタイルだよ」と佐藤さん。

 

ベタ褒めしすぎて自分でも気持ち悪いが、FD3Sオーナーで各部のセットアップ等に悩んでいるユーザーがいたら、とりあえずパンスピードの試乗車に乗らせてもらうことをオススメする。このインプレッションに嘘偽りないことが、きっと分かるはずだから。

 

●取材協力:パンスピード 埼玉県蓮田市関山2-7-8 TEL:048-764-2040

 

【関連リンク】

パンスピード

http://www.panspeed.jp