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「RE雨宮スーパーG(FD3S)」2000年代最強最速のチューンドロータリーを振り返る

すべてのロータリーユーザーを魅了した伝説のFD3Sレコードブレイカー

 

2000年代最強最速のチューンドロータリー

 

2000年代のタイムアタック全盛期において、GT-Rをはじめとするライバル勢を寄せ付けない速さをみせた伝説のロータリーチューンド「RE雨宮スーパーG 2000」。

 

 

筑波サーキット・コース2000で56秒8を叩き出したのをはじめ、富士スピードウェイや鈴鹿サーキットなど、全国の主要サーキットで軒並みコースレコードを塗り替えるなど、その強さは圧倒的。当時、筑波サーキットを舞台に開催されていたOPTION誌のスーパーラップや、OPTION2誌のスプリントレースでも無敵の速さを誇った。

 

 

このチューンドに憧れてFD3Sを購入したユーザーも決して少なくないと思うが、スーパーGは漠然と「FD3S=最強のコーナリングマシン」というイメージをエンドユーザーに植え付けた存在であり、RE雨宮というチューニングショップの技術力の高さを世界中に示したマスターピースでもある。

 

 

とはいえ、このマシンをはじめて見る人も多いと思うので、そのスペックを紹介していくと、まず心臓部の13B-REWは独自のサイドポート拡大加工が施され、そこにオリジナルのEXマニを介してTD07-25Gタービンをセット。最高出力は約500psを発生させていた。

 

 

制御はF-CON Vプロ。綿密なマネージメントによって3500rpm〜8300rpmと幅広いトルクバンドを確保した他、ヒューランドの6速シーケンシャルミッションを組み合わせることで、どの領域からでもストレスなく加速体制に入れる扱いやすさまで手に入れている。

 

また、このマシンを語る上で重要なのが、ワンラップのアタックだけでなく周回レースでも強さを発揮するという点。

 

 

熱に厳しいロータリーで安定したラップを刻むために、コア幅のおなじ3層ラジエターと3層インタークーラーをピッタリ重ねるようにマウント。走行風をスムーズに抜けるようにして冷却効率をアップするなど、スーパーGTを戦い抜いたRE雨宮ならではのレーシングテクノロジーを惜しみなく投入していた。

 

 

ボディワークについても同様で、徹底した軽量化により車重は1050kgに抑え込みつつ、フルスポット増しやワンオフロールケージの組み込みによりパワーをロスなく受け止めるシャーシを構築している。

 

 

コクピットのメイキングもスパルタンの一言だ。ワンオフのダッシュボードには計器類がズラリと並ぶ。中央の液晶パネルはモーテック製で、各温度やエンジン開度、前後Gなどのデータを計測することが可能。

 

 

一方、重要な足まわりに関しては、長い時間をかけて熟成させたクァンタムベースのオリジナル車高調にスウィフトスプリング(F16kg/mm R18kg/mm)の組み合わせとなる。低い車高からガチガチな乗り心地を想像してしまうが、意外なほどにしなやかな乗り味。コースに応じた細かいセッティングは、車高や空気圧、そして当時としては珍しい調整式スタビライザーのレート変更にて行われていた。

 

 

撮影時のタイヤはアドバンA050であったが、56秒を記録したときは一世代前のA048Mだった。ホイールも現在はエンケイの17インチだが当時はリーガマスターである。なお、17インチを選択した理由は「当時は17インチがセブンの運動性能を最大レベルで発揮できるサイズだった」とRE雨宮の雨さん。ブレーキはブレンボキャリパーにプロジェクトμのスリットローターを組み合わせ、バランサーにより前後の効きを細かく調整することが可能だ。

 

現在のタイムアタックマシンのお手本的存在であることはもちろん、その妥協のない作り込みを改めて見てみると、ようやく時代が雨さんに追いついてきたと言っても決して間違いではないことに気づくはずだ。