Z34にR35GT-R以上の「楽しさ」を与える調律師のチューニングメソッド

公開日 : 2019/03/18 11:00 最終更新日 : 2019/03/18 11:00


吟味されたツールによる無駄のないZ34チューニングアプローチ

 

調律師の美学

 

Z34のデリバリー直後から、グラマラスな肢体の奥に秘められたチューニングの可能性を、独自の理論で追い続けているMCR。

 

 

その手法の中核を成すのは、チューナー小林真一が自ら“最高傑作”と太鼓判を押すCRIMSONエキゾーストシステム、およびスワットROMというふたつの武器である。そう、MCRの伝家の宝刀とも言うべきメニューにより、VQ37VHRは生まれ変わるというわけだ。

 

 

まずエキゾーストに関しては、純正比マイナス9.0kg(純正19.4kg→CRIMSON10.6kg)を達成した高耐熱チタン合金モデルの『ファーストクラス』を投入。フルストレート構造とグラスウールをほとんど使用しない革新的サイレンサーのタッグは、全域での出力アップはもとより圧倒的な耐久性の確保にも成功している。

 

 

そして、その上流部に“究極の音色”を産み出すべく、集合部までの距離を長くしたEXマニと専用設計のスポーツキャタライザー、そしてフルチタン製センターパイプ(60.5φ×2→76.3φ)をセット。

 

 

このオリジナルのステンレス等長EXマニは、集合部内側の溶接&形状にこだわりながら集合位置自体も純正より後方へとオフセットした逸品だ。出力的にはこのシステムだけで30ps以上もアップするというから驚かされるのだが、それ以上に高回転領域で響き渡る高周波サウンドこそ、MCRエキゾーストチューニングの魅力と言えよう。

 

「EXマニが全てだね。集合位置を研究して、パワーアップさせながら雑音のない透き通るような高音を追求したんだ。チューニングカーにとって、音って重要だからさ」。

 

 

そんなエキゾースト環境の見直しによるパフォーマンスアップを、さらに飛躍させてくれるのがスワットROMだ。レブリミットを8500rpm(常用8300rpm)までアップさせた上、燃調&点火時期プログラム、さらには可変バルタイや電子制御ストッロルまでも最適化。こうして真のポテンシャルを解放したVQ37は、ダイナパック上で純正から50ps近いエクストラパワーを発揮し、ひとたびアクセルを踏み込めば胸のすくチューンドパワーをトップエンドまで体感できる快感ユニットへと昇華するのだ。

 

 

次に足回り。サスペンションにはMCRが長い時間をかけて開発したオリジナル車高調を装備する。異音の発生を嫌いアッパーマウントを強化ブッシュとし、バネレートはスポーツ走行を視野に入れフロント14kg、リヤ12kg(標準F14kg R12kg)をセット。アーム関連はフロントに調整式アッパーアームを、リヤにキャンバーアームを導入している程度だ。

 

 

スポーツ走行にかかせないLSDには、信頼性と安定性の観点からニスモ GT L.S.D.Rroカーボンをチョイス。その効果を安定発揮させるべく、リヤバンパーサイドにはARC製デフオイルクーラーが装備される。

 

 

美しいホイールは、アドバンRS-D(10J+35)でタイヤにはネオバAD08の275/35サイズを通しで履く。ブレーキは現在大ブレイク中のエンドレス製モノブロックキャリパーシステムだが、このブームに火をつけたのは、他でもないMCR自身だ。

 

 

また、シートには高いホールド性を誇るブリッド製のセミバケ(ドライバーズ:CUGA/ナビ:VORGA)がセットされているのだが、「クルマを操作するのはあくまでドライバー。だからこそ限界領域でも身体が動かないホールド性の高さを持つバケットシートって重要なんだよ」と重要性を語る。

 

 

一方のエクステリアは、主要パーツはニスモで統一。サーキットで真価を発揮するノーマルバンパー対応のカーボンカナードはMCRオリジナルだ。なお、ヘッドライトには華やかさを求めてポジション連動のエンジェルリング&LEDラインをインストールしている。

 

 

「パワー系も足回りもエクステリアもシンプルなメニューだけど、ちゃんと考えながらイジってやればこれだけでZ34は生まれ変わる。それを伝えたくて製作したデモカーだよ。もちろん絶対的な速さではR35GT-Rの方が上だけど、あらゆるシーンでストレスなく楽しむという意味では、コイツの方が遥かに上だね」。

 

真の意味での調律を標榜するパーツチョイス、整合性高い必然のチューニングメニュー。MCRがトップチューナーたる所以は、まさにここにあるのだろう。

 

●取材協力:エムシーアール TEL:04-7199-2845

PHOTO:Katsuyoshi KOBAYASHI

 

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