時速330キロオーバーを達成した伝説の第二世代GT-R! その製作者が語るRB26最高速チューニングの極意 | web option(ウェブ オプション)

時速330キロオーバーを達成した伝説の第二世代GT-R! その製作者が語るRB26最高速チューニングの極意

最高出力1000馬力! レブリミット9000rpmの高回転型ユニット

 

「300km/hなど通過点、問題はそこから先の領域だ」ガレージ八幡・森田

 

「RB26は、ポン付けタービン+ハイカムで300キロを楽に超えるんよ」。数々のGT-R最高速スペックをOPTION誌の最高速テストに送り込んできたチューナー、ガレージ八幡の森田代表が語り出す。

 

 

続けて「タービンのお勧めはトラストのT517Z。GT-SSも乗りやすいんやけど、トップエンドの伸びはT517Zの方が一枚も二枚も上手やから。あと、EXサイズは中速域を生かす意味で8㎠がベスト。10㎠はデカすぎる。ハイカムは東名ポンカムがエエよ。市販されているハイカムの中で、最もリフト量が大きい(9.15mm)からね」。

 

用意されているエンジンパーツの選択肢は他に類を見ないほど幅広いRB26だが、最高速という特化したステージを前提とするなら、パーツチョイスは限られてくるのである。

 

なお、仕様ごとによる具体的なターゲットスピードについては、選択した補機パーツやセッティングによって上下するものの、ブーストアップ仕様で280キロ、ポン付けタービン仕様で310キロという値が現実的な線とのこと。また、最高速に極めて重要とされるギヤ比に関しても、BCNR33純正5速+3.5ファイナルの組み合わせが最強である事は間違いないが、レブリミットの設定値と高回転域のパワー追従性能次第では、ストック状態でも十分イケるそうだ。

 

 

パワートレイン以外のパートについては「サスは有名メーカーの製品であれば吊るしで問題ない。エアロは特に必要性を感じんけど、ウイングだけは欲しいね。有ると無しでは超高速域での接地性(リヤ)が全然違うから。あとはブレーキ。最低でも大径ローター+パッド交換はした方がエエかな」とのこと。

 

 

そして話は、200マイルの領域へ。「320キロオーバーを狙うとなると、メイキングは必然的にドラッグ仕様と同じになってくる。空力があまり良くないから、とにかく馬力で引っ張って行く感じ。OPTIONの最高速テストで333キロ出したBNR32なんか、まさにソレやもん」。

 

 

そう、実のところ200マイルオーバーを達成したブルーのBNR32は、ガレージ八幡が製作したドラッグ仕様だったりする。スペックは過激の一言で、9000rpmまでキッチリと回せるよう、腰下はストロークを変えずに86.5φピストン&強化コンロッドを組んだ2.7Lとし、そこにT88-38GK+NOSをセット。最大ブースト2.4キロ時に1000ps+αを出力させるというモンスターだ。

 

 

「あの時は8400rpmまでしかアタッカーが踏まんかったみたいやけど、レブまで回せば350キロ近くまで伸びてたはず…。第二世代って、まだまだイケるんよ。360キロオーバーだって夢じゃないとオレは思っとるしね。まっ、見とってよ」。

 

頂点を目指した第二世代GT-Rの戦い、そして最高速を知り尽くしたトップチューナーの挑戦はまだまだ終わらない、というわけだ。

 

PHOTO:Katsuyoshi KOBAYASHI

 

OPTION誌の最高速テスト(2011年9月号)で333.8km/hという記録をマークしたBNR32。1000psのパワーユニットにトラスト6速ドグミッション+3.5ファイナルを組み合わせ、計算上レブ9000rpmまで回れば350km/h付近まで伸びる性能を保持していた。なお、リヤにはGTウイングが装備されているが「ウイングレスだと300km/hオーバーからの予期せぬブレーキング時に、リヤがブレイクしちゃうんよ。多少、最高速が落ちたとしても付けるべき!」とは森田代表。

 

ストロークアップは高回転域での伸びが鈍る。それを嫌って東名86.5φピストン&H断面コンロッドがチョイスされた2.7LのRB26ユニット。ヘッドにはIN280度、EX290度というカムが組まれ、トップエンド7000rpm以降で T88-38GKの本領を発揮させる。今時では珍しい高回転・高出力型のエンジンだ。

 

センタートンネル上にはアテーサE-TSの油圧コントロール用レバーを装備。ドスコイ曰く「最高速では駆動抵抗を減らしながら直進安定性を高めるため、フロントにかかるイニシャルトルクを6kg辺りにセットするのがベストかな」とのこと。

 

ホイール&タイヤは前後10.5J+15のボルクレーシングTE37に265/35-18サイズのハンコックヴェンタスTDという組み合わせ。Sタイヤを選択した理由はブレーキング時の絶対的なグリップ力と安定感にある。サスはアペックスN1ダンパーの吊るしだ。

 

ガレージ八幡流 最高速仕様の心得

最高速を好むユーザーに向けてガレージ八幡が用意しているのが、純正クランクに東名パワード製86.5φ鍛造ピストン&H断面コンロッドを組みあわせたこの2.7L仕様だ。これは333km/hを達成したBNR32同様のスペックである。「ブースト1.7キロ以上かけんならコンロッドは純正でもOK。そうすればヘッド回りまで入れても工賃込み100万円チョイで完成するからお勧めやね」。

 

300km/h入門仕様にベストとドスコイが太鼓判を押すトラスト製T517Zタービンキット。純正EXマニ対応のポン付けシステムだ。ちなみにRB26用には、8㎠と10㎠のEX側サイズが用意されているが、「中低速を活かす意味で8㎠がエエよ」とのこと。

 

RB26は構造上、ヘッドに上がったオイルがオイルパンに落ちにくい上、ブローバイのガス圧が非常に高い。そのため、高回転までガンガン回す最高速仕様の場合はオイルキャッチタンクを装着して、オイルがシリンダーに流れ込まないようにすることは必須だ。

 

ビッグシングル装着車でブーストを2キロ以上かける場合に有効なガレージ八幡オリジナルの「最強トランジスタ」。1本しかないコイルのアース線を1コイル=1アースとすることで通電時間を長く確保し、高回転&高ブースト域での失火をシャットアウトするアイテムだ。

 

取材協力:ガレージ八幡