稀有なポルシェ911(993)NAメカフルチューン仕様! ハイコンプ6スロにNOSまで搭載するサーキット/ゼロヨンのリバーシブルマシン! | web option(ウェブ オプション)

稀有なポルシェ911(993)NAメカフルチューン仕様! ハイコンプ6スロにNOSまで搭載するサーキット/ゼロヨンのリバーシブルマシン!

ハイカム、ハイコンプ、6連スロットル…Vプロ制御のNAメカチューン仕様

 

NOSドライショットも装備! ここ一発で60psを上乗せ!

 

「ホントはMT仕様が欲しかったんですけど、妻も運転するので渋々ティプトロ仕様を選んだんですよ。それが、新車で買ってから15年、ゼロヨンをやりたい! と思ったことをキッカケに、こんな仕様になってしまいました」とオーナーは笑う。

 

 

チューニングの第一歩は、タイプ964用5速MTへの換装だった。当時、タイプ993用6速MTは高価で手が出なかったそうだけど、とりあえずパワー系チューンをスタートするための下地は整った。

 

ゼロヨンでタイムを狙うとなれば絶対的なパワーが必要になる。そこで、スロットルをインフィニティ用90φに交換、サージタンクもワンオフ製作して、いつでもボルトオンターボチューンが進められるようスタンバイ。

 

 

ところが、仲間に誘われてエントリーしたサーキット走行会でその魅力にハマり「パワーと同時にレスポンスも追求したい」と、エンジンチューンの方向性がNAメカチューンへと大幅に軌道修正されることになった。

 

 

腰下には、ノーマルと同じボア径100φのアメリカJE製鍛造ピストン、キャレロH断面コンロッド、バランス取りが施された純正クランクシャフトが組まれ、レース用パーツメーカーのアメリカCMW製削り出しシリンダーヘッドをセット。燃焼室やポートの形状がノーマルとは大きくことなり、バルブ径もノーマルのIN49φ/EX44φに対して、54φ/45φと拡大されている。

 

それにあわせて、バルブもCMW製チタンに交換。カムはアメリカウェブカム製でIN296度/EX286度という作用角を持ち、同時にソリッドリフター化も図られている。

 

これで圧縮比は11.3から12.3までアップ。さらに、レスポンスを追求してTMW製6連スロットルが装着されているのだ。ちなみに、エンジンパーツのほとんどはアメリカ製だけど、いずれもオーナー自らが個人で手配、輸入したモノとのこと。

 

 

TMW製6連スロットルに付属するスロポジセンサーの信号とエンジン回転数で基本的な燃調マップを構築し、その右側にある圧力センサーで補正をかける。「ハイカムを組んで負圧が出にくいNAチューンでは、Dジェトロ式よりもスピードスロットル式のほうがよりキメ細かくセッティングできるからね」と、エンジンチューンを手がけたグローバル永井さん。

 

ちなみに、レスポンスの徹底追求もこのポルシェのテーマ。そのため、エアコンコンプレッサーやパワステ用オイルポンプは撤去され(パワステはMR-S純正電動式を流用)、フリクションロスの低減も図られている。レブリミットは7400rpm(ノーマル6800rpm)だ。

 

 

「制御はVプロが担当。燃調はスピードスロットル制御を基本に、インマニ圧力で補正を入れてるよ。それと、点火系はSR20DET(S15)用コイルを使ってダイレクトイグニッション化。ただ、タイプ964/993はクランク角センサーに定番のGT-R用を流用しなくても点火時期を制御できるんだよね」と永井さん。

 

 

なお、チューンドポルシェとしては非常に珍しいアプローチがNOSの装備だ。各インテークポートにノズルを配したウェットショット方式で、車速80km/h、エンジン回転数3500rpm以上、アクセルスイッチ全開…という3つの条件がそろったときに60psを上乗せし、ピークパワーは370psに達するという。

 

 

排気パートも独特だ。EXマニ&マフラーはフルチタン製のワンオフ品。パイプ径は45φで、通常は片バンク3気筒ずつ集合して左右出しとなるところ、トルクアップを狙って6→1タイプとしているのだ。バンパー下にのぞく集合部が、ひと味ちがう911であることをアピールする。

 

 

また、エンジンチューンに合わせてミッションもホリンジャー製6速ドグを導入。クラッチにはOS技研ツインプレートが組み合わされている。

 

 

足まわりはエナペタル特注ダンパーにスウィフト製スプリングという組みあわせ。バネレートはフロント14kg/mm、リヤ18kg/mmとなる。また、ブレーキはキャリパー、ローターともにノーマルのまま、パッドのみルービックス製に交換。オーナーいわく「これで問題なくサーキットを連続周回できるよ」とのこと。

 

 

コクピットはグローバル永井さんの力作。5連メーター中央のタコメーターをデフィ製115φに交換し、アルミでワンオフ製作されたセンターコンソールにはサード製油温計や各種スイッチが装着される。また、サイトウロールケージ製7点式ロールケージは993サンルーフ付き用のラインアップがなかったため、964サンルーフ付き用を加工流用しようと思ったら、なんと無加工で取りつけできたとか。

 

この仕様で、鈴鹿でのサーキット走行とセントラルでのゼロヨンを満喫してるというオーナー。しかも、サーキットではミシュランパイロットスポーツCUP、ゼロヨンではミッキートンプソン…と、リヤタイヤを履き替えるだけで2ステージをこなしている“リバーシブルマシン”なのだ。

 

取材協力:グローバル

TEXT:Kentaro HIROSHIMA/PHOTO:Katsuyoshi KOBAYASHI