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公認車検取得まで含めて約300万円で完結するFD3S改NA3ローター換装プランを考える

実測290psを誇る圧縮10.0のハイコンプ3ローターNAをRX-7に積むメリットとは?

 

ミッド搭載で実現する高いシャーシバランスも魅力

 

ロータリーチューンに拘るショップとして知られる「RSパンテーラ」。代表の佐藤さんは、理論派でいて探求心旺盛なチューナーだ。また、その土地柄“富士スピードウェイ”をホームコースにしているため、長時間全開走行を続けるチューニングカーと向き合いその対策には多くの経験を持つ。

 

 

当然、得意車種として扱ってきたFD3Sでも様々な仕様を作り試してきたが、ハイチューンロータリーでの連続周回はキビしく、真夏の富士の走行枠を全開で走りきれるチューンドは未だに達成しきれていないという。

 

 

「水温計・油温計を見ながらハラハラしながら走って、時には諦めてピットに戻る。これって実はすごくストレスが溜まるんですよね」とは佐藤さん。

 

そんな中、長年構想してきた『全開で走り続けること』を楽しむためのチューニングプランが、ユーノスコスモ用の3ローターエンジンをFD3Sのフロントミッドに換装する仕様。

 

 

この仕様なら、2ローターエンジンの弱点である低回転域のトルク不足は補われるし、高回転までリニアに伸びるパワー特性はドライバーにとって扱いやすさに繋がる。もちろん、ターボチューンに比べると発熱・蓄熱が圧倒的に少ないため安心して全開で走り続けることが可能だ。

 

しかし、安易に3ローターを積んでRX-7が本来持つ高いバランスを崩すことはしたくないし、車検が取れないサーキット専用車としたのではユーザーが自由に乗れるチューニングカーではなくなってしまう。

 

 

そこで色々と条件を設定し、完全なコンプリート仕様として完成させたのがNA3ローター搭載仕様というわけだ。しかも、ただターボパーツを撤去した20Bを搭載するのではなく、RX-8の高圧縮ローターなどを使ってNAに最適化した実測290ps仕様のエンジンを、である。その完成度は想定を上回るもので、とにかく走ることが楽しいFD3Sに仕上げることができたそうだ。

 

 

現在では3ローター化のノウハウも蓄積され、かなりシステマチックに作業を進められるところまできている。コンプリート価格は公認車検取得費用込みで約300万円(ベースエンジン込み)。

 

13B-REW特有のモーターのように伸びるパワーフィールよりも、レシプロのように低中速域からトルクが湧き上がる20Bに魅力を感じるオーナーは問い合わせてみてはいかがだろうか。

 

取材協力:RSパンテーラ

 

スペック

■20B換装290ps(フロントミッド搭載・最大トルク27kgm) Neoサイドポート加工/RX-8用ローター重量合わせ加工(圧縮10.0:1)/オリジナルサクション/専用エキマニ/オフセットインマニ/フロントパイプ/マフラー/オリジナルカッパーミックスクラッチ/HKS F-CON Vプロ 他

 

横方向から見ると、エンジンが完全にオーバーハング内に収められていることがよく分かる。車検証を見ると車重が1280kg、その前後振り分けはフロント630kg/リヤ650kgと、わずかにリヤ寄りになっている。これは偶然などではなく、トラクション性能を考慮したRSパンテーラの狙いの配分だ。

 

エンジンを後方に大きく移設するため、ミッション位置の移動(シフト位置は前方に移設)はもちろん、インマニはオフセットさせ前方に移動させるなど大きな手間がかけられている。また、エキマニは高効率なものをステアリングシャフトを避けながら製作している。曲げ材ではなくモナカ製法の薄厚材を使っているのも拘りだ。

 

エンジンマネージメントはF-CON Vプロ(3.3)。ダイノパックを備えるRSパンテーラで納得のいくまで現車合わせのセットアップを重ねる。

 

マフラーはNA3ローターの特性に合わせてワンオフ。ストリート仕様としての性能を持たせるため大きめのサイレンサーを使用している。

 

パワーグラフを比較すると3000rpmより下の領域で20B-NAのほうが上回っているのがわかる。2500rpm付近でなんと5kgm以上のトルク差があるのだ。また、20Bのグラフは角度が一定でトルク変動も少なく2500rpmから9000rpmまで安定している。ここが乗りやすさのポイントで、特性の変動が一定のためドライバーが意図したパワーを引き出しやすいのだ。乗りやすさは楽しさにも速さにも繋がり、ドライビングも安定する。