甦れ第二世代GT-R! トップチューナーが提案するRB26DETT純正タービン完全再生プラン

公開日 : 2019/02/25 06:30 最終更新日 : 2019/02/25 06:30


第二世代GT-Rを蘇らせるタービンのプラスαリフレッシュ

 

“初期化”への高い意識を持ちながら独自のノウハウを盛り込む快適プラン

 

近年、人気が高まるとともに価格が高騰する第二世代GT-Rだが、高額なプライスタグを掲げたクルマを選びさえすれば万事安心か?というと、一概にそうとは限らない。

 

 

年式の下がっているクルマだけに、よほど大切に保管され、定期的なメンテナンスを受けてきたた車両でもない限り、手に入れたままトラブルフリーで乗り続けることは極めて困難と考えたほうがいい。

 

そんな中、ユーザーサイドに立ったリフレッシュ作業で定評を得ているのが福岡の老舗ショップ、ドリームファクトリーだ。

 

 

「正直、調子の悪いクルマは多いです。中でもタービンの状態はその状態の差が歴然。不調に至る主な要因は、経年劣化や走行距離はもちろんですが、さらにずさんなオイル管理やブーストコントローラーによる勢いまかせのブーストアップチューンなどですよね」と代表の飛田さん。

 

そんなドリームファクトリーでは、専用機材も完備しタービンオーバーホールを得意としている。とくに、その過程において重要な役割を果たしているのが、英国ターボテクニクス社のVSRバランサーだという。

 

 

導入当時はパワーチューン真っ盛りで、見様見まねのタービン加工(チューン)も多かったが、タービンの回転バランスの甘さから生じるトラブルも多かった。それが、このバランサーを導入することで、明確に数値化され改善、チューンの精度が飛躍的に向上。

 

パワーチューン全盛の90年代から2000年初頭の時代に、ドリームファクトリーがドラッグレースなどで活躍した影には改造タービンのバランス改良メニューの存在が大きかったというわけだ。

 

 

ちなみに、当時はパワー追求型のタービン加工メニューを施すことが多かったが、最近増えているのがノーマル+αのタービンアップグレード。オーバーホールを兼ねたタービンの高効率、高レスポンス化だという。

 

「例えば、第二世代GT-Rならセラミックタービン(とくにR33)の破損に対する危惧。新車の頃、軽くて吹け上がりが良いという触れ込みで採用されていましたが、実は強度に乏しく回転バランスも悪かった。そのため、ブースト圧1.1〜1.2キロ程度で破断するケースも多かったし、経年劣化による破損も増えています」とはやはり飛田さん。

 

 

そこでドリームファクトリーでは、オーバーホール時に、削り出しのメタル製ブレードなどへの変更を推奨しているという。これは、カスタム対応なので街乗り重視、高回転志向など、特性などに関しても好みに応じた方向で仕上げることができる。

 

走行中、いつもの回転域でブースト圧が立ち上がって来ない、トップエンドのパワー感に欠けるといった感覚があれば、タービンの劣化や破損が想定される。放置せずに…、いやいや先々のことを考えれば、不調が現れる前に考えて、実行して欲しいリフレッシュプランだ。

 

取材協力:ドリームファクトリー

 

フルオーバーホールで組み上げたばかりのRB26DETT。オリジナリティーを重視したいというオーナーの依頼に合わせ、変更点はハイカムを採用しフィールを高めた程度で、パワー追求型のチューニングは避けられている。

 

タービンは削り出しのドリームファクトリー流のカスタム仕様に変更。アクチュエーターも同じく、オリジナルの強化品としてメリハリのある過給特性を実現。ハウジングも純正の新品に一新しているため見た目も美しい。

 

左が純正タービン。右がドリームファクトリーのビレットブレード(削り出しパーツ)。中心部分の直径が小さくなっているのが見て取れるが、これはインペラの有効面積を広げ、充填効率を高めた結果の形状だ。

 

ブレードの形状は数種類用意。街乗りがメインなら低回転域からのフレキシブルな立ち上がりを目的に、ノーマルよりインペラの枚数を増やしたタイプをお勧めする。

 

こちらはBNR32同様、セラミックタービンを採用しているBCNR33。すでにほとんどの車両が、タービンのオーバーホール時期を迎えているので、リフレッシュの際にはブレードのメタル化を推奨。もちろん、タービンだけでなく、ホース類など周辺もできるだけ多くのショートパーツを新品に交換することが望ましい。

 

T88-34Dのフルチューンドラッグマシンのエンジン。ここまでの、いわゆる「カリカリ仕様」を見かけることは近年では少なくなったが、オファーがあればいつでも対応可能。

 

30年近くに渡り、ドリームファクトリーのタービンチューニングの開発現場を支えて来た、英国ターボテクニクス社製VSRバランサー。アンバランスの状態を特定し、数値化することで、トラブルの防止とハイパワー化を実現。

 

サンプル用のニスモタービンを使ってテストを再現してもらった。ユニットにタービンを固定後、エアを圧送し実走状態と同等の状況を作り、バランスを測定する。

 

手慣れた動きで作業を行うドリームファクトリー代表、飛田さん。これまで手掛けて来たタービンは数えきれないほど。壊れにくく速いクルマ作りに関するノウハウは膨大。

 

テスターによりアンバランスが認められた場合は、切削によりバランスを改善。ちなみに、削ることはあっても、肉盛りすることは無い。「そこまでバランスが狂っていたら、廃棄ですね」とは飛田さん。

 

パワー志向もレスポンス重視も! 多種多彩なタービンブレードの組み合わせ

ドリームファクトリーの工作室の奥には、数え切れないほどのタービン関連パーツがストックされている。ワンオフの削り出しだけでなく、時には純正他車種用の部品を組み合わせて新たな仕様のタービンに仕立てることもある。これらの作業を万全に行えるのも、タービンのバランスを計測できるVSRバランサーがあってこそ。