あと1キロで時速320キロに到達! 世界一速いチューンド86の中身に迫る

公開日 : 2019/02/23 14:14 最終更新日 : 2021/08/21 15:18

空力改善とタイヤ径拡大で319.03キロに到達!

 

ランキング!位達成も寸止め状態で目標の200マイルに届かず

 

トップランカーとして、高速周回路へと通いチャレンジを続けるフェニックスパワーの86KOUKI。当初より、技術の証明となる最高速ステージにターゲットを定めて製作されたきたストリート仕様だ。

 

 

最初のチャレンジではウエストゲートの容量不足による熱ダレで308.47キロ。対策を施した2回目のチャレンジでは、313.68キロを記録。着実に記録を更新してはいるものの、百戦錬磨のフェニックスパワーをしてもいまだ200マイル突破を果たせずにいる。

 

 

目標まではわずか6キロあまり。しかしオーバー300キロの世界において、6キロはとてつもなく大きく分厚い壁である。なにしろ1.5kmもある長いストレートでアクセルを全開で踏み続けても、ジリジリと車速を稼いでいくという感じなのである。

 

 

果たして今回の挑戦では3度目の正直となるか、あるいは2度あることは3度あるとなってしまうのか!?

 

前回までの経験とデータを生かしてはいるが、フェニックスパワーの86に施された変更は実はそれほど多くはない。というのも、それで時速320キロに届くはずなのだ。

 

 

そう多くないとは言っても、必要と思われる変更は行っている。まずは空力で、イングス製のエアロキットはリヤバンパーの下部を大胆にカット。これは高速走行時のリヤバンパー内に走行風がたまって抵抗となる、パラシュート現象を防ぐのが目的だ。

 

そしてもうひとつが、タイヤサイズの変更。19インチには変わりはないが、リヤタイヤを265/30から235/40へと扁平率を変更。外径アップによる最高速の伸びを狙ったものだ。

 

 

「タイヤ外径アップのハイギヤード効果により、計算上ではエンジン回転7000rpmで最高速度は322キロとなります。あとは無事にエンジンがそこまで回ってくれるのを祈るしかないですね」と、フェニックスパワーの横山さんは語ってくれた。

 

コースチェックも兼ねた1本目の走行では、外気温が高いためかブーストが設定の1.7キロに対し1.5キロまでしか上がらないことが判明。そこでブースト圧のセットを変更して臨んだ2本目では、ブースト1.6キロで316.3キロをマーク、まずは自身の記録を更新する。

 

 

しかしこれでは満足できない横山さんは、3本目の走行を決意。「もう壊れてもいいから!」とさらに設定ブーストを上げた結果叩き出されたのが319.03キロ。

 

わずかに200マイルには届かなかったものの、3度目の挑戦の3本目のアタックで、これまでの記録を破りついに手に入れた86/BRZ最高速、日本一の座だ!

 

取材協力:フェニックスパワー

 

マーレー製カスタムピストンとマンリー製コンロッド、オリジナルロングストローククランクによる2.2L仕様に変更はなし。高出力対応のVABエアフロとオリジナルECUセッティングにより、全域エアフロ制御を実現している。ストリート仕様として万能といえる手法だ。

 

タービンはトラストのTD06-25G。1.7kg/cm2のブースト圧設定で550psオーバーでありながら、素早く立ち上がるブースト特性でストリートでも使いやすい。ブースト圧はEVC 6・IRで制御する。

 

インタークーラーは3層タイプで、80φパイピングと合わせて圧力損失を抑える仕様。ラジエターはノーマルで、エアコンも装備。エアロパーツはスーパー耐久でも実績のある、イングスの86後期用Nスペックを装着する。

 

ココがポイント

空力悪化の要因を切除!

リヤバンパーは、パラシュート現象の対策として下部を大胆にカット。純正スポイラーは高速安定性を確保する最後の砦として維持。排気系は前回から、メインパイプにサイレンサーを追加して大幅に音量を抑えている。

 

ココがポイント

タイヤ外径の拡大でギヤ比改善!!

タイヤは予定していた扁平率35ではなく40に変更。ノーマルミッションに3.58ファイナルとの組み合わせで、6速7000rpmで322キロとなる計算だ。タイヤハイトのアップに合わせて、車高も1cm+αアップとなった。

 

車検対応仕様での200マイル突破という基本コンセプトはしっかりとインテリアメイクにも貫かれていて、シート交換とブースト計追加以外はいたってノーマル。特別な軽量化なども一切施されていないのも驚きだ。

 

TUNER’S VOICE

フェニックスパワー 横山さん

「なんとか最速の座を獲得することはできましたけど、目標の200マイルにはわずかに届かなかったので、なんとも複雑な気持ちですね。机上の計算では6速7000rpmで320キロ超えでしたが、やはり空気の壁の力は想像以上だったようです。これ以上の記録を出す方法としてさらなるパワーアップが一番効果的でしょうが、600psオーバーとなるとエンジンブロックのクローズドデッキ化が不可欠。チューン費用もドーンとアップするので、なんとも悩ましいところですね」

 

ATTACK DRIVER’s VOICE

稲田大二郎

「空力で押さえつける要素が少ないからか、前回からアクセルを抜いたときのリヤ挙動に不安定なところがあるんだけど、今回はリヤバンパーカットの影響なのか微妙な振動成分が出ていた。アタックに関しては、気温や気圧のせいか1本目、2本目はブーストが想定の1.7キロまで上がらず、3本目でようやく決まったね。目標の200マイルにはわずかに届かなかったけど、これはすごい記録だと思うよ」

 

スペック
■エンジン:FA20改(設定ブースト圧1.7キロ 550ps)フェニックスパワー2.2Lキット、ターボ用80φマフラー、3層インタークーラー、80φパイピング、ECUセッティング/トラスト・TD06-25Gタービンキット(試作)/HKS カムシャフト/フルブラスト 80φスロットル/サード・900ccインジェクター/VABエアフロ
■ドライブトレイン:ATSカーボンツインクラッチ/3.58ファイナル
■フットワーク:アラゴスタTYPE-S(FR14kg/mm)/Biotブレンボキャリパーキット(F6ポット+380φ R4ポット+355φ)

■ホイール:ボルクレーシングG25(F8.5J×19 +45 R9.5J×19 +35)

■タイヤ:ミシュランパイロットスポーツ4S(235/40R19)
■エクステリア:イングスN-SPEC(フロントバンパー、サイドステップ、リヤバンパー、フロントフェンダー、エアロボンネット)/純正リヤスポイラー