打倒新型! 田中ミノル先生によるスイスポ(ZC31S&ZC32S)駆動系チューンの極意 「LSDが全てを変えるんです!」

公開日 : 2019/02/15 11:00 最終更新日 : 2019/02/15 11:00


TMスクエア流の旧型スイスポ進化論!

 

理想的なLSDの投入でスイスポは生まれ変わる

 

スイフト乗りでその名を知らなければモグリと言われるであろうパーツブランドの「TMスクエア」。そのスイフトユーザーから愛される数々のアイテムをプロデュースするのは、同社の代表で元レーシングドライバーの田中ミノル氏。コンパクトスポーツの楽しさをよりイージーに体験するために、レーシングテイストを注入した拘りの機能パーツをリリースし続けている。

 

そのラインアップはエンジンパーツからサスペンション、エアロパーツまで多岐に渡るが、ここでは駆動系に焦点を絞って攻略ポイントを紹介していくことにしよう。

 

 

「スイフトスポーツの駆動系は、他社のコンパクトカーと比較してもよくできています。このクラスとしてはシフトフィールもいいですし、パワーを上げていってもクラッチの耐久性は十分。唯一の弱点といえるのが、エンジン&ミッションマウントではないでしょうか?」と田中ミノル氏は解説してくれた。

 

とくにZC31Sでは、経年劣化によってマウントに亀裂が入っていることが多いので注意。シフトフィールがおかしくなってきたようなら、マウント類をチェックしてみたほうがいい。またZC32Sは6速MT化でミッションが重くて動きやすいので、強化タイプのマウントが有効だという。

 

 

ほかにもNAらしいシャープなレスポンスを楽しむには、軽量フライホイールがお勧め。M16Aエンジンはクランクウェイトが十分にあるので、かなり軽量化しても異音等が発生しづらいのが特徴だ。

 

また、田中ミノル氏がその効果を力説しているのがLSD。「多くの人はLSD=トラクションパーツと認識していますが、それじゃ高いパーツ代の数万円分くらいの恩恵しか得られないと思ってください。FF車の場合、LSDは強力なコーナリングパーツとなりうる。具体的にはLSDをうまく使って“トルクベクタリング”効果を引き出すことで、キャタピラ車のように一気にクルマの向きを変えることができるのです」。

 

 

そのためにLSDに求められる特性は、作動がピーキーでなく扱いやすく、チャタリングが発生しないこと。そうした要素を満たした理想のLSDが、TMスクエアの「デュアルコアLSD」だ。ZC32S用で多くのオーナーから絶賛を浴び、しばらくしてZC31S用もリリースされたという経緯がある。

 

効果は絶大で、LSDの追加だけでベストラップが2秒もアップした例もあるほど。スイフトで速く走りたいなら、LSDの有効活用は不可欠な要素と言えるのだ。

 

取材協力:ミノルインターナショナル

 

強化エンジンマウント(ZC31S用)

強化エンジンマウント(ZC32S用)

ノーマルよりも硬度を高めたゴムの採用で、エンジン&ミッションの不要な動きを抑え、ソリッドナシフトフィールを実現。その反面振動や異音がそのままボディを通じて伝わるので、ストリート仕様のZC31Sではリヤ側のみ、ZC32Sではリヤとレフトの2ヵ所交換を推奨している。ZC31Sでは経年劣化によるマウントの劣化も多いので、シフトの入りが悪くなってきたと感じるならまずチェックしておきたい部分だ。

 

クラッチカバー&クラッチディスク

純正同様の扱いやすさと、チューニングに対応する十分な圧着力の両立を目指して開発されたのがこのクラッチカバー&ディスク。ZC31SとZC32Sではクラッチのレリーズ機構が異なるため、特性を考慮した車種別専用設計を採用しているのも大きな特徴だ。ZC31S用は圧着力20%アップの約150ps対応、ZC32S用は圧着力40%アップの約180ps対応となっている。ともにクラッチディスクには波形ディスクスプリングを装着している。

 

軽量フライホイール

NAエンジンの醍醐味であるアクセル操作と直結するシャープなエンジンレスポンスを可能にするのが、軽量タイプのフライホイール。徹底的なテストを重ねてメリットとデメリットを検証した結果、ノーマル(7.32kg)の半分以下の重量となる3.28kgの設定となっている。素材は粘りがあって強度に優れるSCM435クロムモリブデン鋼で、マシニング加工によって徹底的にぜい肉をそぎ落とされた造形美も魅力となっている。

 

強化ドライブシャフト

ハイグリップタイヤの装着や車高ダウン、ネガティブキャンバー設定による負荷の増加で、コーナリング時の“底付き”現象によりトラブルを発生することのあるZC31Sのドライブシャフト。純正パーツ+αの価格で強化も図れる補修パーツとして開発されたのが、この強化ドライブシャフトだ。太いシャフトだけでなく、サイズアップのアウターケースとトリポートタイプのインナージョイントの採用で、トータルに強度を向上させている。

 

デュアルコアLSD(ZC31S用)

デュアルコアLSD(ZC32S用)

「LSDはトラクションパーツではなくコーナリングパーツである」というコンセプトのもと、OS技研のデュアルコアLSDをベースにスイフトスポーツ専用にセットアップした機械式LSD。サイドギヤがスライドする独自の機構により、コントローラブルかつ強力にマシンを曲げることができる。ZC32S用は1タイプで、ケースサイズの小さいZC31S用はストリートも快適なタイプSRとサーキット専用のタイプRRを用意している。

 

田中ミノル直伝LSD活用コーナリングテクニック!

FF車でLSDをコーナリングパーツとして生かすためには、専用のドラテクを体にたたき込むことが必要となる。キーワードとなるのは「タイトライン」「ハイスピード」「少し早めのアクセルオン」。この3つの要素をしっかりとキメることで、トルクベクタリングによる強力なアウト側トルクが発生して、これまでに経験したことがないコーナリングフォースを得ることができるのだ。このドラテクを会得すれば、大幅なタイムアップも夢ではない。