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美音はかくして生まれる! サクラムのVAB/GVB用マフラーを通して匠のサウンドチューニングに迫る!

EJ20らしからぬ美音を奏でる理論に基づいた匠のエキゾースト!

 

追求し続けるのは「F1マシンがモナコのトンネルを抜ける時のようなサウンド」

 

スポーツマフラーには様々な要素が求められる。排気効率やビジュアル、軽さやサウンドなどだ。チューニングフリークの中では憧れの存在ともいえる「サクラム」のエキゾーストは“良い音”に特化しているのが拘り。長年に渡って培ってきたノウハウと、経験だけに頼らない理論に基づいた音作り。相反する要素を融合させているからこそ、多くのファンに愛されるマフラーを生み出し、そして孤高の存在感を保ち続けられているのであろう。

 

 

「EJ20は2Lターボエンジンのなかでも、かなり優秀な部類に入ります」そう話を切り出したのは、様々な車種のエキゾーストを手掛けてきた代表の宇野さんだ。この世には、良い音が出せるクルマとそうでないクルマがあるという。目指しているのは「F1マシンがモナコのトンネルを抜ける時のようなサウンド」。その理想に少しでも近づけるようメイク&トライを続けてきた。

 

パイプとサイレンサー、テールエンドという構成要素はいわゆる一般的なスポーツマフラーと何ら変わりはない。しかし、そこから生み出されるエキゾーストは、もはや芸術とも呼べる音色を奏でる。まるで管楽器のようなサウンド…とでも言えようか。高回転の気持ちよさといったら、大げさでなく鳥肌が立つほどだ。

 

 

2Lの水平対向4気筒エンジン、しかもターボ付きでこれほどまでの美音が出せる秘密はなにか? 当然ひと言で片づけられるようなものではないが、パイプの長さにもその秘密を紐解くひとつのキーワードが隠されている。

 

「排気は反射することで音のエネルギーが減衰し、やがては消えていきます。当然、長いパイプと短いパイプだと反射の回数は異なりますよね。音の速さは1秒間に340m。つまり1mのパイプなら170往復、2mなら85往復している。この振動が周波数(Hz)と呼ばれるもので、パイプの長さやサイレンサーのボリュームによって変わってくるんです。GVB/VAB用では6000rpm時に400Hzを目標として開発しました」と宇野さん。

 

 

つまり周波数分布まで考慮してマフラーを作り込んでいるのだが、さらに肝心というのが “倍音”と呼ばれるもの。これは名前の通り、基本となる周波数に対して倍数の周波数を指す。4000rpm時に200Hzなら6000rpm時に400Hz、8000rpm時に800Hzといった具合だ。サクラムではこの倍音を考慮して調律していく。そうすることで排気音が途切れずに連続するような音色に生まれ変わるのだとか。

 

高回転型のEJ20は、この倍音がハッキリと出て、それぞれのピークも際立つという。だからこそ、まるでキッチリとバランス取りをしたレーシングエンジンのように、澱みのない美しいサウンドを奏でるのだ。まさにこれぞ匠のマフラー。決して安い買い物ではない。しかし、官能的な音に拘りたいユーザーなら思い切ってみる価値はあると言える。

 

取材協力:サクラム

 

マフラー開発には必要に応じて周波数測定なども行なう。連続してキレイに聞こえるのは300HZあたりから500HZあたりだという。周波数の倍音が際立っていることも肝心。サクラムではそうした音の波形まで考慮して、調律していく。GVB/VAB用では6000rpm時に400Hzをターゲットに開発した。

 

入力(排気バルブから出る圧力)は同じでもパイプの長さにより聞こえ方は変わってくる。サクラムではそうしたことまで計算して五感に訴える音作りをしている。当然、机上の理論だけで成立つ世界ではなく、試作&テストを繰り返してようやく完成した。

 

SACLAM GVB/VAB用SILENCER KIT

SACLAM GVB/VAB用SILENCER KIT 価格:26万5000円(フロントパイプ付き・試験成績証明書代は別途)

 

GVB WRX STI用は、フロントパイプとメインパイプ、左右のテールパイプという4分割構成。フルエキゾースト交換タイプとなる。VAB用はホイールベースが長いため中間パイプが延長されているが基本構造はおなじ。

 

吊り下げフックの台座の作りひとつを見ても、そのクオリティの高さが伺える。メインパイプは65φと十分な容量を確保する。

 

パイプとパイプの間に設けられるフランジも凝った造り。排気漏れが起きないようしっかりと結合される。熟練の職人による美しい溶接も必見。

 

65φのメインパイプから50.8φのパイプで左右のテールエンドへと分岐される。スムーズに排気が流れるように緩やかなカーブを描くのがお分かりいただけるはず。

 

サイレンサーは全部で4つ設けられる。パイプ素材はSUS304ステンレスとなっており、タイコ内は熱収縮にも強い異なるステンレス材を使用する。

 

テールエンド手前に設けられたレゾネーターも音量調整の役割を担う。サイレンサー内の作りやパイプ長、そして取り回しなど、すべては美音を奏でるための設計だ。

 

テールエンドはラッパ形状の左右4本出し。今どきのマフラーのなかでは大人しめのルックスといえる。ノーマル〜低回転の実用域は意外なほどに普通。それでいてアクセルを踏み込むと、圧倒的な美音を奏でる。そのギャップもたまらない。