660ccのKカーで時速200キロは出るのか!? スプーンのチューンドS660で挑戦してみた!
公開日 : 2019/02/11 16:00 最終更新日 : 2022/05/04 17:49
SPOONのチューンドS660が歴代最高記録となる196キロを達成!
Kカー初の時速200キロオーバーを狙ってハイフローターボ仕様のエスロクがアタック!
排気量が660ccしかないKカーにとって時速200キロは大きな壁といえる。OPTION誌の最高速アタックでは、いまだこれを達成したマシンは存在しない。そこで立ち上がったのがホンダ車チューンのスペシャリスト「スプーン」だ。持ち込んだマシンはS660。
峠ではキビキビとした走りが楽しめるS660だが、最高速アタックに挑むとなると話は別。660ccという排気量の小ささがネックになってくる。
さらにホイールベースが短いことも災いし、 150キロ以上の高速域では車体が左右に振られる不安定な挙動との戦いに。普通車ならそれほど高くはない200キロというハードルも、Kカークラスで乗り越えるのは決して簡単なことではないのである。
スプーンのS660は、試作のハイフローターボ&インタークーラーで武装したチューンドだ。
「このデモカーは峠やミニサーキットを楽しく走れるようにと製作したもの。最高速はまったく想定していませんでしたが、今回は少しでもトップスピードを稼げるようにと抵抗が少ないエコタイヤを履いたり、試作のディフューザーを追加するなど準備してきました」とスプーンの城本さん。
カーボン製のボンネットやトランク、バケットシートも投入され、車重は800kgまで絞り込む。また、フレームとメンバーを留めるボルトのすき間を埋め込むリジカラや、フロントロアアームとボディを一体化するスティッフプレートの投入で、ボディ剛性を高めたのもミソ。フレームが強固であるほど、高速域の接地性は高まるのだ。
「最初はクイック過ぎる印象があったけど、減衰力を少し締め込んだら、だいぶ改善されたよ。ただ、6速6000rpm以上で車速が伸びていかないな」とアタックを担当したDaiこと稲田大二郎。
気になる最高速は200キロの大台まであと一歩届かずの196キロを記録。105psを発揮するハイフロータービン仕様を持ってしても空気の壁は厚かったようだ。とはいえ、Kカー最速の座を獲得したスプーン。最後にはワイパーまで外して目標達成に挑んだその情熱に、拍手を送りたい。
取材協力:スプーン
MAX SPEED :196.25km/h
距離 | 秒(sec) | 速度(km/h) |
0-100m | 7.78sec | 84.87km/h |
0-200m | 11.40sec | 109.16km/h |
0-300m | 14.45sec | 126.79km/h |
0-400m | 17.15sec | 139.45km/h |
0-500m | 19.67sec | 144.68km/h |
0-600m | 22.10sec | 152.04km/h |
0-700m | 24.41sec | 158.24km/h |
0-800m | 26.65sec | 163.74km/h |
0-900m | 28.82sec | 168.36km/h |
0-1000m | 30.93sec | 172.25km/h |
エンジン本体はノーマルのまま、試作のハイフロータービンやインタークーラーを装着、ビックスロットルも導入された。最大ブースト圧1.2キロ時に105psを発揮する。ちなみにフロント&リヤともにオリジナルの調整式ピロアッパーを装着する。
スプーンのフルスペックダンパーに前後とも4kg/mmのスプリングを組み合わせる。フロントにはモノブロックキャリパー&260mmローターもセットし、ブレーキング性能の向上を図る。今回は少しでも最高速を伸ばそうと、エコタイヤのプレイズを選択。フロントに165/55、リヤに195/55を履き、転がり抵抗を減らしている。
カーボン製のリヤゲートやボンネットの装着で車重は30kgほど軽くなった。また試作のディフューザーもセット。フロア下の空気を効率よく排出している。メイン60φのN1マフラーもオリジナル製品だ。
ハンドリング向上のほかブレーキング時の挙動を安定させる効果が期待できるスティッフプレートは、2mm厚の超ハイテン鋼を採用した本格派。純正との交換で普通車っぽいシッカリ感のある走りが手に入る。
かなりローポジション化でき、大柄なひとでも視線が下がると評判のバケットシートもスプーン製。カーボンシェルを採用しておりその軽量化効果は決して侮れない。
IMPRESSION
ATTACK DRIVER:稲田大二郎
「5速7500rpmまで引っ張ってシフトアップするんだけど、6速に入れると頭打ちしてしまうな。以前試乗したタービン交換仕様のS660もそうだったけど、200キロに到達するには絶対的なパワーが足りない感じがするね。足まわりは最初ちょっと不安感があったけど減衰力を硬めたら安定して危うさも解消された。今回は惜しかったけど、全体的によくまとまっていると思う」
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