WRX STIで人気のHKSポン付けタービンをカンサイサービスがパワーチェック検証

公開日 : 2019/02/02 10:30 最終更新日 : 2019/02/02 10:30


パーシャル域のコントロール性が向上! GTIII-RSタービンのチカラ

 

EJ20でオールラウンド型の390psを狙う!

 

かつては、トルクフルなランエボの4G63に対して高回転型とされていたEJ20だが、GRB/GVB、VAB世代ではトルクを重視したキャラクターに変化してきている。その良さを引き出すアプローチとしては、エキマニやスポーツ触媒で排気系の高効率化を図り、フラッシュエディター+EVCでブーストアップ仕様を構築するのがセオリー。中間域が底上げされ、全域でフラットな加速が味わえる。

 

 

ところが純正タービンのサイズには限界があり、高回転での伸びやパンチに物足りなさが残るのも事実。そこで、ブーストアップ仕様の不満を取り除く切り札的ツールとして、HKSからGTIII-RSスポーツタービンキットが登場。純正タービンを取り外し、ボルトオンで装着できる手軽さが魅力だ。

 

 

ちなみにEJ20用のボルトオンタービンとしては、GT2835が好評を博したが、GTIII-RSは実質的な後継モデルに該当。軸受けにボールベアリングを採用していたGT2835は、ピックアップはいいがサージングが発生しやすく、ハーフスロットル域でのコントロールが課題だった。

 

対してGTIII-RSは、ガタツキの発生リスクが少ないメタルの軸受けを採用。クリアランスの追求が可能になり、高効率化が実現した。また、GT2835は立ち上がりが過度に鋭く、サージング発生の原因になっていたが、ハウジングの設計やホイールの形状をイチから見直すことで、レスポンスと扱いやすさを高次元で両立。サージングを抑えながら、出力アップとトルクの増大を果たしている。

 

 

ブーストアップからのステップアップとしては、純正の上置きインタークーラーのまま、純正インジェクターとフラッシュエディターでカバーするのが妥当。380~390psが狙えるにも関わらず、多くのパーツをブーストアップ仕様から持ち越せるので、コスト的にも手頃と言える。

 

一方、発展性も高く、大容量インジェクター、カム交換、排気量アップなど、さらなるステップアップを望む際の選択肢も豊富だ。とくにインタークーラーは純正上置きだと吸気温度が高く、ある程度ブーストを抑える必要があるが、前置きにすれば吸気温度の上昇が抑制できるので、ブーストや点火時期の設定幅が大幅に拡大。より刺激的な高回転志向へと振っていけると言うわけだ。

 

取材協力:カンサイサービス

 

EJ20ではボルトオンタービンとして支持されたGT2835の後継に位置づけられる。ハーフスロットル域での踏み返しでサージングが発生しやすいGT2835に対して、よりフラットトルクが増し、違和感のないスムーズな加速が可能になった。唐突感がないので格段に扱いやすくなっている。

 

HKS GTIII-RS for EJ20

価格:32万1840円

純正タービンと置き換えるシンプルなボルトオンキット。タービン本体のほか、エキゾーストハウジングカバー、ウォーターライン、オイルインレットパイプ、オイルアウトレットパイプ、ガスケットなどで構成している。

 

コンプレッサーホイールの形状やコンプレッサーホイールの設計を見直すことでサージングの発生を抑え、フラットで扱いやすい特性を導き出した。また、同じく設計を改めたスイングバルブも高回転の排圧の安定に貢献。バルブのサイズと形状の研究を重ね、密閉性とスムーズな開閉の両立にこだわった。

 

純正インタークーラー仕様の380~390psぐらいまでなら、インジェクターもギリギリ純正で対応できる。しかし、インジェクターを全開域で使うことになるので、燃料ポンプは大容量タイプに交換しておくのがベターだ。

 

排圧が高くなると、ノッキングのリスクも一気に増える。排圧の適正化を図るためにも、メタルキャタライザーはブーストアップの段階で導入しておきたい。なお、排気系ではエキマニの交換も定番だが、純正も等長化や形状の進化が進んでいる。

 

カンサイサービスのVABでは、吸気システムをHKSのレーシングサクションリローデッド+Kansaiカーボンエアダクトに変更。吸気効率を改善することで吸気抵抗や吸気温度の上昇が抑制され、タービンの負担が軽減できるのだ。

 

以前はHKSのF-CON iSにバルコンIIを組み合わせて燃調、点火時期、バルタイの適正化を行っていた。フラッシュエディターの登場によって、それらのメニューが手頃な価格で行えるようになった。

 

タービン交換に伴い、最低限の冷却対策としてオイルクーラーはぜひとも追加しておきたい。油温の上昇が水温のヒートの原因にもなるので、油温管理は非常に重要なのだ。

 

発展性としては、オーバーホールのタイミングに合わせた2.2L化などが有効。これでトルクの厚みが全域で増すが、さらにカムも導入すれば中間域から高回転域まで、より広範囲でパンチのある加速を演出することができる。

 

ブーストアップでは高回転での停滞感が強いが、タービンを交換することによって、パワーバンドが中間域から高回転域へとオフセット。ひとつ上のギヤでもストレスなく使えるようになり、高速道や高速サーキットではブーストアップと別次元の加速と楽しさが得られる。また、軸受けにボールベアリングを採用していたGT2835を凌駕するレスポンスを実現しながら、高出力を絞り出しているのがポイント。

 

カンサイサービス 向井さん

「ノーマルエンジンや純正上置きインタークーラーでも絶大な効果を発揮する手軽さが魅力です。その一方で、2.0Lから2.2Lに排気量を拡大しても対応できるキャパシティも備えています。新車時だけでなく、走行距離が増えてオーバーホールが必要になっても幅広く使えますよ」