【最新パーツ情報】HKSが開発したS660用の水冷クーリングシステムは何がすごいの? 実力を徹底検証!

公開日 : 2018/11/29 00:05 最終更新日 : 2018/11/29 01:06


ミッドシップならではの熱問題に新たな水冷システムを投入して対処する!!

 

 

ハードなエスロク乗りも納得の超性能!

 

とにかくチューニングを求めるユーザーが多く、HKSではS660用に出した製品がヒットし続けているという。そして、当初はフットワークなどから展開を始めたパーツも、今ではタービンなどハード指向のものが増えてきている。

 

パワーを大幅に高めるような本格的なチューングが流行り出し、ハードに走るユーザーが増えてくると当然起こってくるのが、発熱の問題。

 

 

とくにS660の場合、吸気温度が極端に高い傾向にあり純正のインタークーラーなどは焼け石に水といった状況。フルノーマルであっても、ちょっと走っただけで吸気温度は150度を超えてしまう。

 

となると、ECUが危険を察知してフェイルセーフが入り本来の性能が発揮できない場合もあるし、さらに状態が悪くなると場合によってはノッキングを誘発し、エンジンにダメージを与えてしまう恐れもある。

 

そんな状況を早期から確認していたHKSでは、当然大型のインタークーラーの開発を試みたが、なんせコンパクトなミッドシップマシン、装着スペースの制約が多く従来の空冷式インタークーラーで納得のいく性能を発揮させることが敵わなかった。

 

そこで発想を転換し開発を始めたのが水冷式のインタークーラー。インタークーラーコアに専用の冷却システムを持たせることで、レスポンスを損なうことなく吸気温度を適性まで下げることに成功したのだ。

 

 

専用の経路を新設する水冷式ということもあり、システムは複雑化してコストも上がってしまうが、その効果は歴然としたもの。空冷式ではどうしても下げることができなかった吸気温を、サーキット走行をしても50度台に抑えることができるようになったというのだ。当然、サーキットでの連続走行を行っても、ノックリタードが起こらなくなったことは確認済みだ。

 

これまで日本では根付かなかった水冷式インタークーラーだが、ことS660に関してはベストチョイスというわけだ。また、今後エンジンルームのスペースに制約のある車種に関しては、同様のシステムを構築することも考えていけるだろう。

 

そして、走行風による冷却が安定させにくかったオイルクーラーの装備に関しても同様の理論で水冷式を開発。オイルクーラーをフロントに付ければ空冷でも冷却効果を発揮できそうだが、そうなると経路が長くなって油圧の低下を引き起こしてしまうという。

 

 

油温に関しては水温と同程度まで下げて安定させることが理想のため、こちらはエンジン冷却水にバイパス経路を設けることでシステムを構築。やはり、サーキットでは100度を超えていたものが、95度程度に安定させることが可能となった。

 

というわけで、水冷方式のクーリングシステムを改めて開発したことで新たな手法としての認識を高めたHKS。今後も新たに製品開発を進める車種に関しても、既成概念や既存のシステムにとらわれず、最適なパーツ開発を手がけてくれそうだ。

 

PHOTO:Hiroki Iwashima

 

 

S660用 水冷クーリングシステムの特徴

■空冷式では対応できなかった油温を適性に保てる

■走行風の状況に関係なく吸気温を安定することが可能

■車種専用設計で装着スペースの不安がない

 

 

製品仕様

HKS

S660用 水冷クーリングシステム

 

水冷式オイルクーラーキット  29万8000円

水冷式インタークーラーキット 38万8000円


効果を検証

 

水冷式インタークーラー

インタークーラー専用のラジエターをフロントに装備し、専用電動ウォーターポンプで冷却水を循環させることで、インタークーラーを冷却する。このシステムを投入することで、すぐに150度以上にまで上がっていた吸気温度が50〜60度で安定するようになり、エンジンのポテンシャルを安全に引き出せるようになる。

 

これは、GT100Rタービン早着者の走行テストの結果(HKS社内データ・サーキットテスト)。インタークーラー入口の温度は、走行開始後1分もしないうちに160度を超える。そしてノーマルインタークーラー、試作の空冷インタークーラーともに約5分でインタークーラー出口温度が90度に達し、フェイルセーフ(ノックリタード)が入ってしまい性能が大きく落ちる。その点、製品化された水冷式インタークーラーは、約55度で安定している。

 

 

水冷式オイルクーラー

こちらは水冷式のオイルクーラー。エンジン冷却水をコアに通しで油温を水温と同レベルに保とうという趣向で開発された。オイル経路が最低源で収まるため、油圧のドロップも発生しない。

 

こちらは、装着した車両で筑波サーキットTC2000を7周全開した時の油温データ。エンジンを通過したオイルは最高で105度まで上がっているが、オイルクーラーを通過することで約95度まで低下して安定。水温への影響もみられなかったという。