【STREET TRIBE】MAX330km/hの空中戦!「湾岸」に魅了された男たち -Mid Night-【関東地区/最高速スポット since 2006】

公開日 : 2018/11/11 16:58 最終更新日 : 2018/11/11 20:09


湾岸最高速マシンの実態

Tuned by MidNight(湾岸最高速チーム)

 

 

 

手に余るオーバーパワーは必要ない。重要なのは最高出力ではなく、踏み抜ける信頼性だ

 

 

耐久性重視のメイキング

 

湾岸最高速ステージに登場するチューンドというと、先入観念で800psオーバーのフルチューン仕様ってのを連想してしまいがち。ところが、今回取材に応じてくれた3人の最高速ランナーたちが駆るマシンは、スペシャルなメイキングなどいっさい施されておらず、どれもごく一般的なチューニング内容にとどめられていた。

 

この理由についてはJZA80のオーナーS氏が答えてくれた。「300km/hオーバーまで引っ張るためのパワーチューンは必須ですけど、それ以上の手に余るようなオーバーパワーはいらない。湾岸ほどのロングコースになると、高負荷・高回転の時間がハンパじゃなく長いんです。オレたちは湾岸の1区間だけで勝負するんじゃなく、勝負がはじまったら決着がつくまで全区間を走り続けますからね。そうなると、セッティングをギリギリまで詰めたカリカリのフルチューン仕様じゃキビシイでしょ」。そんな言葉を横で聞いていた、ふたりのランナーたちも大きくうなずく。

 

 

つづいて「直線区間で300km/h出すことなんて、さほどむずかしいことじゃないんです。とにかく大変なのはその速度域をキープしつづけること。言い換えると自分のクルマをどれだけ信じて踏み続けられるかってことです」と、996GT3オーナーのN氏。

 

つまり、彼らの湾岸最高速とは瞬間的な最高速アタックなどではなく、最高速をねらいつつも300km/hちかいアベレージスピードをキープしてロングコースを走りきることなのだ。だからこそ、チューニングもマージンをじゅうぶんにとった耐久性重視の仕様に抑えている、というわけだ。

 

また意外と知られていないが、湾岸はサスペンションのセッティングが大きなカギを握っていたりもする。サスストローク重視でしなやかに粘るというアブフラッグ製のスペシャルダンパーを組む、BCNR33オーナーのS氏いわく「ジャンプスポットやギャップが多いので、飛んだあとに一発でおさまる足を作らないと話にならないですよ」とのこと。

 

 

Close-up WANGAN Tuned

 

MidNight

ポルシェ911GT3【Type996】

 

国産フルチューン勢に真っ向勝負を挑む本気のポルシェ

 

「イジらなくてもメーター読みで315km/hはかくじつに振るから、国産フルチューンとも戦えるんです」。N氏がそう語るようにノーマルでも極めて高い戦闘力を持つポルシェ996GT3は、“公道を走れるレーシングカー”の異名をとる屈指のスーパースポーツだ。

 

ただ、そんなGT3でも本気で踏むN氏にとっては、どうしても許せない不満ポイントがあったようで「300km/hあたりからフロントの接地性があやしくなるんです。ポルシェ特有の悪しき症状なんですけど、これを解決しなきゃ怖くて踏めない。だからエクステリアはJNH製のボディパーツを導入して空力チューンを行いました」とのこと。

 

 

その効果はバツグンで、圧倒的なダウンフォースの増大により300km/hの超高速スラロームでも、国産フルチューンに遅れをとることはなくなったそうだ。パワー系に関してはエキマニからマフラーにいたる排気系をフルで見直すことで、実測402psを発揮する仕様となっている。そしてホイールには国産フルチューンにハマッた過去もあるというN氏らしく、ボルクレーシングTE37をチョイス。タイヤはアドバンA048を履く。

 

 

 

 

MidNight

スープラ【JZA80】

 

耐久性重視のエンジンチューンと“谷田部足”で330km/hをキッチリ叩く

 

現役湾岸ランナーのなかで、もっとも熱い走りを見せているとウワサのN氏。そんな男が駆るJZA80は、最高速を得意とするレヴォルフェS.A.によるフルチューン仕様だ。腰下はバランス取りにとどめ、高回転でのパワー追従性向上をねらってヘッドまわりを重点的にチューニング。そこにT78-33Dタービンをあわせ、Vプロによる緻密な制御を行うことで耐久性重視の600psを生み出している。

 

 

「下からキッチリとパワーが出てるし、330km/hまで踏み込んでも壊れない安心感がつねにある」とはN氏。そんなエンジンを受けとめるサスペンションにもコダワリありだ。レヴォルフェS.A.が味付けしたビルシュタインベースのスペシャルダンパーがおごられているが、これは、かつて谷田部(高速周回路)で331km/hを記録したJZA80に装着されていたダンパーのリメイクモデルなのだ!

 

 

「富士スピードウェイをはじめとするサーキットもよく走るんですけど、やっぱり湾岸のほうが気持ちはのりますよ」。そう話すN氏は、最近、長年連れ添ったこのJZA80を降りるという決断を自らくだした。もちろん、それは引退などではない。ポルシェ964ターボIIという新しい武器を手に入れたからだ。

 

 

 

MidNight

スカイラインGT-R【BCNR33】

 

超高速スラローム区間ではバツグンの速さを見せつける

 

ほかの2台よりも飛び石による傷跡が目立つフロントセクションを見ただけで、S氏の踏みっぷりはイヤでも想像がつく。この傷こそが、湾岸で超接近戦をくり返してきたというなによりの証拠なのだから。

 

 

とにかくS氏の走りはハンパじゃないようで「アイツの走りはマジでキレてる!」や「300km/hでケツを流しながらスラロームするヤツなんて、Sサン以外に見たことないヨ」など、まわりのトップランカー仲間たちすらもその走りには圧倒されるほどだとか。

 

そんなS氏の愛機は、9年間という長い月日をかけ湾岸専用機として熟成させていったBCNR33だ。しなやかに路面を追従するアブフラッグ作のスペシャルダンパーを装備したうえ、エンジンはピックアップ重視でパワーエンタープライズPE1520タービンキットをポンづけした450ps仕様となる。

 

 

S氏いわく「ギヤ比や空力の問題などから、BCNR33はトップスピードがどうしても伸びないんです。がんばって315km/hなんですもん。だから、そのぶんBCNR33が得意とするスラロームや高速コーナーセクションで、とにかく速さをかせぐようにしてますけどね」とのことだ。