【STREET TRIBE】MAX330km/hの空中戦!「湾岸」に魅了された男たち -Mid Night-【関東地区/最高速スポット since 2006】 | web option(ウェブ オプション)

【STREET TRIBE】MAX330km/hの空中戦!「湾岸」に魅了された男たち -Mid Night-【関東地区/最高速スポット since 2006】

総延長60kmにおよぶ巨大ステージを舞台にした最高速ランナーたちの戦い

 

MAX330km/hの異次元バトルを繰り広げる!!

 

時計の針はちょうど午前2時に差しかかったところだ。乗用車の姿はほとんどなく、目につくのは法定速度でひた走る大型トラックの群ればかり。

 

こんなところを300km/hオーバーで駆け抜けることなんて可能か? 川崎料金所を抜けて、川崎航路トンネルに入ったあたりでそんなことを思った。

 

東京湾の海岸線に沿って千葉、東京、神奈川をむすぶ60km弱の高速道路、首都高速湾岸線。言わずと知れた日本最大級の最高速ステージである。90年台前半の全盛時には、週末ともなると最高速ランナーたちがワンサカ集まり、地上から数十メートル高いこの場所で、はげしい空中戦を繰り広げていたものだ。

 

舞台に突然の幕引きが図られたのは、時代が21世紀に突入したあたりのこと。死亡事故の多発、取り締まりの強化、交通量の増加など、理由を挙げればキリがないけれど、以後、全開でカッ飛ぶチューンドの元気な姿を見る機会はめっきり減り、このステージが表舞台へ出ることもなくなったのだ。

 

ところが、そういった一連の歴史はあくまで表向きの話。今なお、この場所を走り続ける本気の湾岸ランナーたちは少数ながら生息している。

 

 

時代の流れとともに走り屋が失ってしまった“魂”

 

つばさ橋を越えて大黒SAに入る。ココが彼らとの待ち合わせ場所だ。約束の20分前にもかかわらず、そこにはすでに数台の過激なチューンドが停まっていた。どのマシンもフロントバンパーはボロボロで、接近戦によるキズ跡が確認できる。

 

「本気で踏んでいるのは10台くらいじゃないですかね」。15年以上このステージを走り続けているという現役トップランナーのひとりがそう語る。つづけてもうひとりが「300km/hスラロームではGT-Rが強いですけど、そのうえのトップエンド勝負ではメーター読み320km/hを超えても安定するJZA80がイチバンですね」。

 

バイオレンスかつデンジャランスな実話談がつづく。それを聞いてるだけで、彼らの常軌を逸した踏みっぷりが想像できた。住む世界が完全にちがうのだ。そんななか、唯一共感できたのは湾岸を走りつづける理由についてだ。

 

「ココはセピア色でアナログの世界なんです。“根性で踏む”とか“命がけで勝負する”なんて精神論、いまどきの若いコたちには理解できないでしょ。でも湾岸最高速の世界ではそれがすべて。なんていうか、時代の流れとともに走り屋が失ってしまった“魂”のようなものが、まだココにはある気がするんですよ」。

 

リスクは承知だ。それでもカレらは走ることを辞めようとはしないだろう。湾岸最高速という永久不変のステージに魅了されてしまったのだから。