【SUBARU WRX STI TYPE RA-R】499万円でも即日完売した話題の500台限定コンプリートの実態
公開日 : 2018/11/07 17:16 最終更新日 : 2018/11/07 17:16
パワーウエイトレシオはシリーズ最強の4.498kg/ps! 恐るべきメーカーチューンドの底力
Sシリーズとは異なる方向性
STIの創立30周年を記念して開発された、WRX STIベースのハードチューンドモデルがこのマシン。車名に与えたRA-RはRecord Attempt-Racingの略、つまり「記録への挑戦」の意だ。
スバル&STIのコンプリートモデルといえば、直近では2017年10月26日にネット抽選で限定発売(450台)された「S208」が記憶に新しいだろう。応募者総数は2619人。5倍以上の倍率で、文字通り“一瞬”で完売したという逸話がある。
で、今回のRA-Rがどうだったかというと、2018年7月19日に500台限定で販売されたのだが、499万もの高額車にも関わらず当日の19時で完売! これにはSTIの開発陣も驚いたというが、S208の人気っぷりを思えば誰にでも予想できる結果な気も…。もっと生産数を増やせばよかったのに! と思わずにはいられない。
500万円に限りなく近いプライスタグを掲げるこのRA-R、ぶっちゃけスペックと走りの質を確認すれば納得(というかバーゲンプライスかも…)してしまうほどポテンシャルが高い。
エンジンはレースカー同様に回転精度を徹底し、フルバランス取りが施された329psの完全専用ユニットを搭載しているが、とにかく吹け上がりが軽い。ブーストレスポンスも凄まじく、もはや完全なチューンドエンジンのそれだ。
軽量化も徹底されている。各部の贅肉を削ぎ落とすことで、標準仕様のWRX STIに比べて10kgの軽量化となる1480kgを実現。数字だけ見ると大したシェイプアップに感じないかもしれないが、必要な部分の「剛性をアップさせながら」なのだから大きな成果といえよう。
そのほか足まわりや空力、ブレーキにいたる全てのパートにSTIのレーステクノロジーを惜しみなく投入された至宝のコンプリート。もう新車で手に入れることはできないが、Sシリーズとはまるで異なるこのスパルタン路線は今後も継続してもらいたいものだ。
エクステリアはSTIのスタイルパッケージで武装。さらにエンジンルームとフロア下には走行性能を飛躍させるフレキシブルバーの3点セット(STIコンプリートキット)が奢られている。
ドアミラーカバーはドライカーボン製。このカバーは表面のフィンが空力パーツとして機能し、RA-Rのフロントリフト量を4%も低減させることに成功している。
マフラーはデュアルテールの4本出し。内部構造を一新したことにより、通気抵抗を量産車比約60%低減。エキゾーストサウンドも官能的でドライバーの闘争心を高めてくれる。
エンジンはS208とおなじEJ20で329ps/44.0kgmを達成している。腰下のムービングパーツは入念にバランス取りされ、ボールベアリング式のツインスクロールターボを装着。パワーウエイトレシオはシリーズ最強の4.498kg/ps(WRX STI:4.94kg/ps、S208:4.59kg/ps)となる。
ホイールはBBSの18インチ鍛造モデルを採用し、これにミシュランのパイロットスポーツ4Sをセット。足まわりは専用開発のKYBサスとローダウンスプリングの組み合わせだ。ブレーキにはブレンボ製ブレーキシステムに、STIパフォーマンスパッドをセットする。
内装は各部にレッドステッチをあしらってスポーティな印象に。専用のジュラコンシフトノブは操作性ばつぐんだ。
RA-RオーナメントとSTI30周年記念エンブレムが誇らしげにならぶ。これもRA-R専用装備のひとつだ。
クイック感に磨きをかけるチューンとして、ステアリングのギヤ比を11:1に変更する「クイックステアリングギヤボックス」を採用。さらにマルチモードVDCは制御内容を変更し、VDCでトラクションモードを選択している場合に「アクティブトルクベクタリング」の作動が変化、通常はフロントタイヤのみにブレーキ制御が働くところを、前後どちらのタイヤにもブレーキが効くようになっている。
SPEC
- CATEGORY : NEWS(ニュース) ニューモデル
|
|