【コンパクト戦線異常あり!】コンパクトカーの常識を根底から覆す2.4Lエンジン換装のGE8フィット!【J’S RACING FIT RS】

車重950kgのショートホイールベースに261psのエンジンを搭載!

 

 

コンパクトカーの常識を覆す最速フィット計画

 

関西を代表するホンダ車チューニングの雄「ジェイズレーシング」が誇る技術力をアピールするため、昨年より活動スタートしていた『フィットGT2/SHIZUKIプロジェクト』。これは、GE8にK20Aを投入し、コンパクトカーの常識を覆す最速フィットを生みだそうといったものだ。

 

個々で考えるとジェイズレーシングにとってノウハウが豊富なK20AとGE8だが、これがコンパクトカー200psオーバーという異色マッチングとなれば…そのセットアップが一筋縄じゃないことは想像できる。

 

実は、初代フィットでも2.4L化と4スロ化で320psを発揮するK20Aを搭載し、セントラルサーキット1分30秒切りを果たしているのだが『乗り手を選ばずコントローラブルな最速マシン』をコンセプトに掲げたために、過去のノウハウは潔く切り捨て、走る/曲がる/止まるの基本を整える作業から試行錯誤が始まった。

 

 

 

シェイクダウンでセントラルサーキット1分30秒切り!

 

「スワップ作業はラクに済ませましたが、走行時のコントロール性確保がとにかく大変でした。ベースの完成度を高めるため現状は吸排気チューンに抑えているのですが、車重950㎏のショートホイールベースに200psオーバーだと完全にじゃじゃ馬状態。シェイクダウンではリヤが簡単にブレーキロックしてコーナリングのたびにマシンが暴れてしまったため、空力・フットワーク・ブレーキバランスまで総合的に見直して、ようやくスタートラインにつけた状態ですね」とはジェイズレーシング梅原さん。

 

ちなみに、リヤの安定化を図る手段としては、進化形として見据えるトーションビームからの脱却もあったが、GE8セットアップのノウハウ構築も意識して空力改善を主体にアプローチ。単純にGTウイングでリヤを押しつければフロントのトラクションが抜けてしまうため、フロア下を整流するアンダーパネルとディフューザーを投入し、トップスピードからのブレーキングで浮き上がろうとしていたリヤを落ち着かせることに成功した。

 

まだまだスタートラインとはいえ、初代フィットよりもフロント周りの剛性が高く、当時よりもタイヤの進化が著しいことを考えれば、GE8×K20AのフィットGT2で引き出せる速さは、コンパクトカーどころかシビック勢にとっても前人未踏の領域へと達するハズ。実質的にシェイクダウンとなった今回のアタックで、セントラルサーキット1分29秒台をマークした驚愕の速さが、K20Aにパワーを上乗せすることで、どこまで伸びていくかに期待したい!

 

取材協力:ジェイズレーシング

 

 

初代フィット(GD3)ではエンジンルームのスペースが狭く換装には苦労させられたが、GE8はスペースたっぷりで純正然とした様相でK20Aをラクにインストールできたと言う。まずはベースの完成度を整えるためエンジンは吸排気チューンに留めているものの、2.4L化や4スロ化を見据えて先行投入したモーテック制御で261psものポテンシャルを発揮する。

 

エンジン、ミッションともにFD2用を流用するが、そのままではサーキットによってはギヤ比がマッチングしないと判断。あらゆるサーキットへ対応させるため、ファイナルギヤはFD2純正の5.1からオリジナルの4.9へ変更している。ちなみに、シフトボックス上部に位置しているのは、マシンの挙動を安定させるために追加投入したブレーキバランサーだ。

 

走りや仕様を考えると、まさにモンスターマシンと呼ぶにふさわしい1台だが、ノーマルのイメージを保ったダッシュボードまわりからもわかるように、レーシングカーではなくチューニングカーとしてのスタンスを貫く。

 

カーボンルーフやアクリルガラスを投入し、12点式ロールケージを組みながらも車重950㎏を達成! 安全タンクは前後の重量バランスを少しでも整えるべく、スペアタイヤ収納スペースへと搭載された。

 

見慣れた形状のフロントアンダーパネルはS2000用を加工流用したもの。オーバーフェンダーも同様だが、GTフロントバンパーのレーシーなデザインと相まって、しっくり馴染むワイドフェイスだ。

 

フロア下の整流パーツとして投入されているのは、フィットハイブリッド純正のフラットパネル。ジェイズレーシングの技術力ならワンオフパネルも簡単に作れるが、フィットを熟知しているが故の流用ワザというワケだ。

 

ブレーキングで簡単に浮き上がってしまっていたリヤは、大胆に後方へと引き延ばしたリヤディフューザーで安定させた。ボディ全体を路面へ押しつける空力効果を与えたため、フロントのトラクションが抜ける心配もない。

 

スペック的にはSタイヤでもグリップ不足になるのではと感じさせられるが、タイヤはポテンザRE-71Rを装着する。現状の吸排気チューンのスペックでは、フロント235サイズ&ワイドトレッドで問題なくカバーできている。

 

いくらK20Aでポテンシャルが高められても、コントロール性が低ければタイムにつながらない。最終的にはリヤのトーションビームを独立化させる予定だが、当面は足回り構造を変更することなくハンドリングを煮詰めていく。

 

 

ジェイズレーシング 梅原さん

「フィットでもチューンドシビックと同等に戦えるぞというポテンシャルを見せつけるべく、昨年スタートしたプロジェクトです。ショートホイールベース、軽量ボディに戦闘力の高いK20Aがマッチングできれば確実に速いのですが、想像以上にコントロール性を確保するのに苦労させられましたね。ベースの安定感がなんとか引き出せたので、ここから熟成へ取り組んでいきます」

 

 

スペック

■エンジン:FD2用K20A&6MT換装/モーテックM400/ジェイズレーシング SPLオイルパン、ワンオフマウント、SPLマフラー、つちのこチャンバー、MAXクーリングラジエター

■ドライブトレイン:ジェイズレーシング ハイトラクションLSD、4.9ファイナルギヤ、ハイパーシングルクラッチ

■サスペンション:ジェイズレーシング ダンパーキット(F13kg/mm R14Rkg/mm)、強化サブフレーム、スタビライザー

■ブレーキ:ジェイズレーシング 6POTキャリパーキット/制動屋 RM551+パッド(F)、SP300パッド(R)/ブレーキバランサー

■タイヤ:ポテンザRE-71R(F235/40-17 R205/50-16)

■インテリア:レカロSP-A/サベルト・シートベルト/12点式ロールケージ

■エクステリア:ジェイズレーシング エアロボンネット、ワンオフGTフェンダーキット、GTフロントバンパー、3D GTウイング、リヤディフューザー、アクリルガラス、カーボンルーフ